群馬大学 慢性看護学研究室ブログ

患者様や未病の方が、自分らしく生活できるよう研究・探求しています。糖尿病と慢性腎臓病透析予防外来も開設しています。

認知症患者のコミュニケーションを強化するライフストーリーブック:レビューのシステマティックレビュー

2024-07-18 08:29:24 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをオンラインで行っています。今回は,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Subramaniam P, Thillainathan P, Mat Ghani NA, Sharma S (2023) Life Story Book to enhance communication in persons with dementia: A systematic review of reviews. PLoS ONE 18(10): e0291620. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0291620

Journal Citation Indicator (JCI) 0.88

認知症患者のコミュニケーションを強化するライフストーリーブック:レビューのシステマティックレビュー

ライフストーリーブック(LSB)は、高齢者、特に認知症患者に対するパーソンセンタードケアの促進に広く使用されている。LSBは、認知症患者の人生の物語と思い出を収集し、それを本やフォルダーにまとめ、スタッフや家族が患者がこれらの思い出を思い出すのを支援するために使用する。しかし、認知症ケアにおけるライフストーリーブックの使用、利点、影響に関するエビデンスは限られています。この体系的な文献レビューは、過去のレビューを収集し、認知症患者、親戚、家族、介護者に対するライフストーリーブックの使用、利点、影響について徹底的に概観することを目的とした。

 関連する研究を選択するために、PubMed、Scopus、Science Direct、Web of Science の電子データベースと、Google Scholar のグレー文献を検索した。包含基準を満たす 7 つの研究が選択され、データが統合された。

 調査結果から、ライフストーリーブックの使用には特定のガイドラインがなく、さまざまな特徴とさまざまな実装方法で説明されていることが明らかになった。ライフストーリーブック介入は、認知症患者と関連する介護者に肯定的な結果をもたらすことがわかった。 7 件の研究のうち 6 件では、ライフ ストーリー ブックが認知症患者、その家族、介護スタッフ、入居者間のコミュニケーションを強化したと報告されている。このレビューは、認知症ケアにおけるライフ ストーリー ブックの使用に関する現在のエビデンスを拡張し、ライフ ストーリーの使用がさまざまな状況でよりよいケアにつながることを確認した。ただし、コミュニケーションを強化するライフ ストーリー ブックの可能性を明らかにするには、さらに研究が必要である。ライフ ストーリー ブックを最大限に活用するには、ガイドラインとトレーニングも必要である。

                                  (担当:岡)

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腎臓病教室について

2024-07-12 14:11:17 | 東日本腎不全研究会(旧 群馬県腎不全看護セミナー)

【東日本腎不全研究会 情報交換コーナー】
ここでは,東日本腎不全研究会の参加メンバー同士で行った情報交換の内容を紹介しています。

                   2024年6月20日 担当:せせらぎ病院 木村

Q: 当院では腎臓病教室を行っていないので、今後立ち上げるにあたり看護外来や腎臓病教室
などの具体的な開催方法を知りたい。

A病院:腎臓病教室は、年1回行っている。腎臓ケアe-ラーニング講座の一部を紹介している。https://plaza.umin.ac.jp/~jin/index.html

医師、看護師、栄養士が、30分くらい話をしている。

腎臓病看護専門外来はこれからやる予定で、電子カルテのシステムに名前の登録をして
いるところ。慢性腎臓病の透析予防指導管理料がとれるようになったので、看護師、管理
栄養士、医師の三者で行う。電子カルテのシステム作りと、スケジュール合わせが大変で
ある。eラーニングを活用し、項目が13あるので、13クールを1セットで行う予定。パソコ
ンを患者さんの前で展開して行うのは難しいので、紙資料を作成した。腎臓病教室につい
ては、年1回行っている。医師が治療や疾患のこと、栄養士が食事のこと、看護師が血圧
測定や日常生活での注意点を話している。20~30分ずつ。医師が患者さんに声を
かける。

B病院:CKD看護外来はないが、CKD教室を多職種(医師・看護師{HD・外来・病棟}・検
査・リハビリ・栄養・事務)のチームで年3~4回行っている。今年度は色々な内容が網羅
できるように、プログラムを作って提示していく予定。一度に20組、30名程度参加されて
いる。チラシを1~2カ月前に配布、外来や売店にポスターを掲示。通院していない人も参
加されることもある。


C病院:糖尿病教室をやっているので、1枠腎臓病も入れることを検討している。医師、管
理栄養士、看護師で行っているので、CKDのことを自分が担当出来たらと思っている。
多職種を巻き込むコツは?
加算がつくことを前面に押し出す。
医師にアピールして他部門へ指示してもらう。
病院として動かすことが出来るように働きかけてみる。
慢性腎臓病の透析予防指導管理料が新設されたので、皆さんの施設での実施状況を参考に
して、算定要件を満たせるよう腎臓病教室を開催していきたいと思います。

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論文掲載IF付き

2024-07-10 18:53:34 | 業績

下記の論文が掲載されました!! バッチリIF付きです!!

◆Kemmochi, T., Oka, M., Inokuma, A. Shirato, N., Totsuka, R., Effectiveness of educational programs for patients with diabetic kidney disease: a systematic review and meta-analysis. Ren Replace Ther 10, 38 (2024).

https://doi.org/10.1186/s41100-024-00554-y

Journal Impact Factor™ (JIF) 0.9,    Journal Citation Indicator (JCI) 0.32

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高度専門職養成推進室のNL

2024-07-05 16:39:17 | 研究室
わたしが室長を務めています、 群馬大学大学院保健学研究科 高度専門養成推進室のNews Letterができました。(NLは私が作成いたしました!)
 
 下記URLよりご高覧いただければ幸いに存じます。


さらに、こちらをクリックして、アンケートにお答えください。1分程度で終了しますので何卒ご協力をお願いいたします。
https://forms.gle/vdvgfQny3yHtbQCV7

 

 

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看護科学教育におけるモバイルアプリケーション: スノーボール法によるスコープレビュー

2024-07-03 17:45:08 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをオンラインで行っています。今回は,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献1>

Mobile applications in nursing science education: A scoping review with snowballing method

C Ryan, M Vanderburg, R Chugh, K Johnston, R Clapperton, K Bond, M Flanders, C James、Nurse Education Today 138 106215 2024

https://doi.org/10.1016/j.nedt.2024.106215、Journal Impact Factor(3.6)2023

 

看護科学教育におけるモバイルアプリケーション: スノーボール法によるスコープレビュー

 

本研究の目的は看護学生が生物科学の言語を学習する際に、専門用語を理解、活用するのを支援するためのモバイル アプリケーションの使用と有効性を明らかにすることである。2010年から2023年の間に英語で出版された査読済み文献をレビューした。スノーボール法では、対象論文の参考文献リストを検索し、Scopusで上位10位にランクされた看護ジャーナルを二次検索した。看護学生に生物科学/科学の言語スキル、概念、または用語を教える際に使用されるアプリまたはデジタルリソースについて報告している論文を対象とした。

モバイルアプリケーションは、看護学生の教育にプラスの影響を与えている。これらのアプリケーションは、構造化されたコンテンツを簡単に理解できる形式で提供し、貴重なツールである。唯一、ユーザーのインターネットアクセスと学習準備のみ障壁となった。看護科学を教えるためにモバイル アプリケーションを使用することに期待が寄せられているにもかかわらず、生物科学の言語と科学用語に特化したものはほとんどなかった。専門的なアプリケーションを開発することで、看護学生の教育体験を大幅に改善できると考える。科学概念を学ぶ学生の知識獲得に効果があると報告されていることから、アプリケーションを使用して指導することが推奨される。

                                                           (担当:松本)

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