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群馬大学 慢性看護学研究室ブログ

患者様や未病の方が、自分らしく生活できるよう研究・探求しています。糖尿病と慢性腎臓病透析予防外来も開設しています。

ゼミ文献:看護教育におけるコミュニケーションスキルトレーニングのための人工知能を使用した仮想カウンセリングアプリケーション- 開発研究

2023-07-05 19:34:48 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをzoomで行っています。今回は,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

【タイトル】Shefaly S, Emily A, John Y, Esperanza DN, Siew TL, Chee KC , Journal of Medical Internet Research, 21(10), 2019. e14658, doi: 10.2196/14658

A Virtual Counseling Application Using Artificial Intelligence for Communication Skills Training in Nursing Education: Development Study

 Journal Impact Factor (7.400)

看護教育におけるコミュニケーションスキルトレーニングのための人工知能を使用した仮想カウンセリングアプリケーション: 開発研究

【目的】 本研究は、看護学部生が実際の患者やその家族、他の医療従事者とコミュニケーションをとるための準備として、仮想患者(VP)の使用したシステムを開発し検証することである。

【方法】 仮想患者(VP)として,初めにチャットボットの設定を行った。自然言語処理エンジンであるGoogle CloudのDialogflow(チャットポットソフト)を使用して繰り返しテストを行い、後にUnity 3D(3Dソフト)を使用して3次元アバターの形に視覚化した。

【結果】 (1)妊婦の痛みへのアセスメント、(2)うつ病患者の病歴聴取、(3)術後患者の出血エピソードを医師に報告する、(4)ストレスを感じている最終学年の看護学生に各シナリオを通して参加者は共感を示した。コンテンツの開発、技術的な限界、管理といった点で今後の課題が生じたが、これは緊急の事態に備えた準備や計画、開発者同士のオープンなコミュニケーション、定期的なプログラムの更新や改良、トレーニングによって解決することができる。

【結論】 看護学生のコミュニケーションスキルのトレーニングを支援する仮想患者(VP)の作成は、学生の自己効力感を高め、効果的なコミュニケーションスキルに対する自信を高める学習環境を提供する可能性がある。しかし、このプロジェクトがまだ始まったばかりであることを考えると、実施に先立ち、実際の会話をシミュレートできるように仮想患者(VP)を訓練するために、さらなる改良が必要である。

                                                            <担当:松本>


スタッフにCloverさんが加わりました!

2023-06-22 13:32:47 | 研究室

外国人研究者として,南オーストラリア大学を卒業したClover Glasgowさんが,岡研究室の外国人研究者スタッフとして加わりました。Cloverさんは,New Colombo Planというオーストラリア政府の奨学金を獲得した優秀な方です。半年間の滞在ですが,群馬大学,ならびに岡研究室の国際化の促進に活躍していただきたいと思っています。また,Cloverさんには,日本のこともたくさん学んでいただきたいと思います。

 


ゼミ文献:英国における慢性腎臓病のステージに応じた患者の活性化とその症状負担およびQOLとの関連性

2023-05-25 21:26:38 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをzoomで行っています。本日,水曜日ですがゼミを行い,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Magadi, W., Lightfoot, C. J., Memory, K. E., Santhakumaran, S., van der Veer, S. N., Thomas, N., Gair, R., & Smith, A. C. (2022). Patient activation and its association with symptom burden and quality of life across the spectrum of chronic kidney disease stages in England. BMC Nephrology, 23(1), 45. https://doi.org/10.1186/s12882-022-02679-w

  • タイトル

Patient activation and its association with symptom burden and quality of life across the spectrum of chronic kidney disease stages in England

英国における慢性腎臓病のステージに応じた患者の活性化とその症状負担およびQOLとの関連性

  • JIF(2021):585

<概要>

背景:自分の健康を管理するための知識、スキル、自信は、患者の活性化(patient activation)と呼ばれ、Patient Activation Measure(PAM)を用いて評価することができる。この指標は、慢性腎臓病(CKD)での使用が推奨されつつあるが、このような集団における患者の活性化をよりよく理解する必要がある。本研究では、CKD患者にとって重要な患者活性化とアウトカムとの関係を理解するために、患者報告アウトカムである症状負担および健康関連QOL(HRQoL)とPAMの関連性を検討することを目的とした。

方法:イングランドの14の腎臓病棟の非透析患者、透析患者、腎移植患者が患者の活性化、症状負担、HRQoLを評価する質問票を含む調査に参加した。潜在クラス分析(LCA)を用いて、データ中のHRQoLと症状負担のサブグループを決定した。多項ロジスティック回帰分析を行い、年齢、性別、民族性、貧困、治療方法を調整した上で、患者の活性化、症状負担とHRQoLクラスとの関連性を個別に検討した。

結果:3,013人(平均年齢61.5歳、男性61.8%、血液透析47%)が解析に含まれた。患者の活性化は、HRQoLおよび症状負担のクラスと強く関連し、高度に活性化された患者は、より高いHRQoL(P=<0.0001; OR 29.2, 95% CI 19.5-43.9) とより少ない症状(P=<0.0001; OR 25.9, 95% CI 16.8-40.2) を報告しやすいことが示された。

結論:活性化レベルの低下は、CKDの病期や治療方法の軌跡に渡り、より高い症状負担とHRQoLの低下と関連している。従って、活性化を改善することに焦点を当てた的を絞った総合的なセルフマネジメント支援は、腎臓病患者にとって重要な健康体験のスペクトルを改善する可能性があると考えられる。 (担当:榊)

 


ゼミ文献:COVID-19入院中に患者および主介護者が経験した自律と孤立

2023-05-02 16:01:24 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをzoomで行っています。先日,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Mestres-Soler, O., Leyva-Moral, J. M., Aguayo-González, M., Zuriguel-Pérez, E., Rosales,
M., & Gómez-Ibáñez, R. (2022). Autonomy and isolation experienced by patients
and primary caregivers during COVID-19 hospitalization in Barcelona (Spain).
Nursing & Health Sciences, 24(4), 853-861. https://doi.org/10.1111/nhs.12986

バルセロナ(スペイン)のCOVID-19入院中に患者および主介護者が経験した自律と孤立

<抄録>
本研究は、質的探索的記述法を用いてCOVID-19パンデミック時の患者および家族介護者
の入院体験を記述することを目的とする。COVID-19によりバルセロナ(スペイン)の最
大規模の病院に入院した患者13名と、退院後の主介護者8名に電話インタビューを行った
。データは、Krippendorffが提唱した内容分析法を用いて分析された。2つの主要なテーマ
が確認された: (i)患者および家族介護者における強制隔離の受け入れ。これは、強制隔離
を正当化する感情の言語化であり、全員の安全のために医療チームが個人防護具を使用す
る必要性を意味する。(ii)患者および家族介護者の入院中の限られた自律性。これは、入院
中の自律性に対する参加者の認識を表す。患者や介護者は、孤独感を経験し、それが精神
的な健康に悪影響を及ぼした。更に、公衆衛生と世界衛生のためにパンデミックをコント
ロールするための新しい習慣やルーチンのために、自律性の低下を経験した。

(担当:榊)