童話塾スタッフの おしのともこです。
東北6つの物語シリーズの「東北ふしぎ物語」は
ちょっと不思議で魅力的なお話がいっぱいです。
このイラストの創作秘話や感じたことを
少しだけお話しします。
「ヤマセの中で見た町」田沢五月/作
先が見えないほどの真っ白な霧「ヤマセ」が舞台です。
霧の向こうに現れた見知らぬ町。
ゾクゾクするほど魅力的です。
そこで出会う人々。交わされる会話から想像が膨らみます。
ヤマセが見せた子どもたち、過去と現在が重なる奇跡。
神秘的な深い霧をどうイラストで見せるのか悩みました。
「Tのかまくら」みどりネコ/作
「かまくら」って魅力的です。
雪で作った小さい真っ白な家。
中の丸い空間では甘酒やお餅を食べてゆっくり過ごす。
そのかまくらが都市伝説の舞台になっていたら?
時空を超えて不思議な出会いがあったら?
イラストを描くとき
かまくらの「寒さ」と「あたたかさ」を
表現したいと思いました。
「Tのかまくら」の「T」が何を意味するのか
ぜひ物語を読んでみてください。
「ふしぎの沼をたずねて」堀米薫/作
登場人物がみんな優しく、相手を思いやり、
そして少しだけ傷ついている。
透きとおった沼の水。水面がキラキラ輝く。
その沼にたどり着いたとき、
しのぶの心の奥に灯りが灯る。
ここから新しい一歩を踏み出す、
そんな瞬間を描きたいと思いました。