先ごろ36日間の長期にわたって行われた2014インド総選挙の結果がいよいよ、明日公表される。
これに先立つこと、私の予報を述べておくと。
最大野党、インド人民党(BJP)300席前後
最大与党、国民会議派(Congress I)100席を割る
新党、庶民党(Aam Aadmi Party) 二ケタ台
である。
インド人民党が圧勝であることはほぼ間違いない。
メディアはダークホースの庶民党は5-6席と予想していたが、私は二桁台になると踏んでいる。
名門政治家一家、ガンジー家を輩出してきた与党ではあったが、この十年の失政、汚職に次ぐぐ汚職に国民はほとほと嫌気が指していた。
インフレと経済停滞、一期目はソニア(夫は暗殺されたラジヴ・ガンジー、祖母はインディラ、イタリア生まれの未亡人)党総裁と、ソニアが指名したシン首相が絶妙なコンビ力を発揮したのだが、二期目はメッキが剥がれ落ちた。
結局は、ソニアが影のPM的実権を握り、シン首相は言いなりのウイークな名ばかりのトップ、政策的実権を持たない弱さが裏目に出て、野党の攻撃の的にさらされた。実際、シン首相はいちいちソニアにお伺いを立てていたらしい事実も、元メディアアドバイザーの暴露本で暴かれた。
そもそもは2004年の総選挙勝利に際して、ソニアが国民の強い希望に背いて首相の座を退け、代わりにマンモハン・シンを任命したことから来ている。
野党は、イタリア出生の女性が国のトップに立つなど、世も末と嘆き、国の主権が脅かされるといわんばかりの喧々囂々の非難の嵐に見舞われるさなか、ソニアが首相職を退けた経緯があったのだ。
まあ、日本で言えば、ソニアは日本の前政権の小沢、みたいなもんだったわけである。
というわけで、実質的権限を持たないシン首相に閣僚は従わず、したい放題、シン自身も優柔不断で強権を発動して汚職大臣をコントロールできず、次から次へと巨額の疑獄事件が発生したというわけである。
国民はよって、強い首相を求めている。
減速経済を一転して上向きにし、牽引する指導力、そして、BRICSの一環としてさらなる発展を遂げるエレファント大国を、「よき統治、経済発展」をスローガンに掲げるナレンドラ・モディ首相候補に求めているというわけだ。
現グジャラート州首相のモディには2002年のグジャラート騒動で(イスラム過激派によるヒンドゥ教徒の列車焼き討ち事件が契機となって両教徒の暴動発生)、2000余名のイスラム教徒を見殺しにしたとががあり、アメリカ政府がいまだにビザをおろさない失態があるのだが(最近最高裁から無罪のお墨付きをもらった)。
そもそも所属するインド人民党がヒンドゥ至上主義を理念に掲げる右翼党で、イスラム教徒の有権者はコミュナル(宗教寄り)なBJPには反感を抱いているのだ。
人口最大州ウッタルプラデシュでのイスラム民専住地域での集会が、警備への配慮から選挙管理委員会に許可されなかったのは、そういう背景もあったのだ(これを勿怪の幸い、ラフール・ガンジーはイスラム住民地域で大集会を開き、支持する群衆にもみくちゃにされる大歓迎を受けた)。
が、モディは巧妙に戦略を練り、さしあたってはヒンドゥ色は弱め、経済繁栄を前面に押し出し、若い有権者の気を惹き、各地の遊説を大盛況に沸きかえらせた。
ヘリコプターを駆使して30万キロを網羅、アメリカ大統領並みの広範な選挙戦を展開した。
与党をはるかにしのぐ選挙資金で、派手なキャンペーンを繰り広げ、またモディが抜かりなく、各地ごとに演説を変えてローカル色豊かな内容にして民衆を惹きつけ、集会はどこも黒山の群集でにぎわった。
野党は一説に5000-10000クロール、750億円から1500億円の膨大な金額を惜しげもなく費消したといわれる。
キャンペーンでも、与党は完全に遅れを取っていた。
ガンジー家の長男ラフールもカリスマ性がいまいちで、モディの収容人員に比べると、格段に数が落ちた。
さて、いよいよ明日だ。
与野党の対決結果ははっきりしているが、庶民党がどこまで票を伸ばすかが楽しみだ。
これに先立つこと、私の予報を述べておくと。
最大野党、インド人民党(BJP)300席前後
最大与党、国民会議派(Congress I)100席を割る
新党、庶民党(Aam Aadmi Party) 二ケタ台
である。
インド人民党が圧勝であることはほぼ間違いない。
メディアはダークホースの庶民党は5-6席と予想していたが、私は二桁台になると踏んでいる。
名門政治家一家、ガンジー家を輩出してきた与党ではあったが、この十年の失政、汚職に次ぐぐ汚職に国民はほとほと嫌気が指していた。
インフレと経済停滞、一期目はソニア(夫は暗殺されたラジヴ・ガンジー、祖母はインディラ、イタリア生まれの未亡人)党総裁と、ソニアが指名したシン首相が絶妙なコンビ力を発揮したのだが、二期目はメッキが剥がれ落ちた。
結局は、ソニアが影のPM的実権を握り、シン首相は言いなりのウイークな名ばかりのトップ、政策的実権を持たない弱さが裏目に出て、野党の攻撃の的にさらされた。実際、シン首相はいちいちソニアにお伺いを立てていたらしい事実も、元メディアアドバイザーの暴露本で暴かれた。
そもそもは2004年の総選挙勝利に際して、ソニアが国民の強い希望に背いて首相の座を退け、代わりにマンモハン・シンを任命したことから来ている。
野党は、イタリア出生の女性が国のトップに立つなど、世も末と嘆き、国の主権が脅かされるといわんばかりの喧々囂々の非難の嵐に見舞われるさなか、ソニアが首相職を退けた経緯があったのだ。
まあ、日本で言えば、ソニアは日本の前政権の小沢、みたいなもんだったわけである。
というわけで、実質的権限を持たないシン首相に閣僚は従わず、したい放題、シン自身も優柔不断で強権を発動して汚職大臣をコントロールできず、次から次へと巨額の疑獄事件が発生したというわけである。
国民はよって、強い首相を求めている。
減速経済を一転して上向きにし、牽引する指導力、そして、BRICSの一環としてさらなる発展を遂げるエレファント大国を、「よき統治、経済発展」をスローガンに掲げるナレンドラ・モディ首相候補に求めているというわけだ。
現グジャラート州首相のモディには2002年のグジャラート騒動で(イスラム過激派によるヒンドゥ教徒の列車焼き討ち事件が契機となって両教徒の暴動発生)、2000余名のイスラム教徒を見殺しにしたとががあり、アメリカ政府がいまだにビザをおろさない失態があるのだが(最近最高裁から無罪のお墨付きをもらった)。
そもそも所属するインド人民党がヒンドゥ至上主義を理念に掲げる右翼党で、イスラム教徒の有権者はコミュナル(宗教寄り)なBJPには反感を抱いているのだ。
人口最大州ウッタルプラデシュでのイスラム民専住地域での集会が、警備への配慮から選挙管理委員会に許可されなかったのは、そういう背景もあったのだ(これを勿怪の幸い、ラフール・ガンジーはイスラム住民地域で大集会を開き、支持する群衆にもみくちゃにされる大歓迎を受けた)。
が、モディは巧妙に戦略を練り、さしあたってはヒンドゥ色は弱め、経済繁栄を前面に押し出し、若い有権者の気を惹き、各地の遊説を大盛況に沸きかえらせた。
ヘリコプターを駆使して30万キロを網羅、アメリカ大統領並みの広範な選挙戦を展開した。
与党をはるかにしのぐ選挙資金で、派手なキャンペーンを繰り広げ、またモディが抜かりなく、各地ごとに演説を変えてローカル色豊かな内容にして民衆を惹きつけ、集会はどこも黒山の群集でにぎわった。
野党は一説に5000-10000クロール、750億円から1500億円の膨大な金額を惜しげもなく費消したといわれる。
キャンペーンでも、与党は完全に遅れを取っていた。
ガンジー家の長男ラフールもカリスマ性がいまいちで、モディの収容人員に比べると、格段に数が落ちた。
さて、いよいよ明日だ。
与野党の対決結果ははっきりしているが、庶民党がどこまで票を伸ばすかが楽しみだ。