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インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

頼もしい新政権

2014-06-09 17:55:31 | 政治・社会・経済
首都デリーでは62年ぶりに48度近い猛暑を記録した。

当地も六月に入ってから、蒸し風呂、高湿度の酷暑が続いている。
本日は曇天で風もあって、いくらか過ごしやすいが、本来ならミッドサマーたけなわの先月のほうがしのぎやすかった。

さて、モディ新首相は前政権の失政を払拭すべくフル回転、元々ハードワーカーで睡眠時間は六時間しかとらないといわれるから、月月火水木金金の体制、エフィシャントな首相として新対策を次々に打ち出し、100日アジェンダを実現すべく、閣僚に発破をかけている。

歴代でもっともウイークと揶揄された前シン首相とは大違い、国民の期待もうなぎのぼりで、応えるのが大変と思うが、ワーカーホリックのニューPM、大張り切りである。

報道番組『India Today』でコマーシャルの合間に流される、政情を揶揄した漫画があるのだが、早朝五時前に起床した首相は、まず雄鶏を起こしてときの声をあげさせ、閣僚全員をたたき起こしたあと、全員でヨガの体操、以後夜遅くまでスーパーマンよろしく働きずくめ、大臣はぐったり疲労困憊の体で各自の部屋に引き上げるなか、疲れ知らずで真夜中にパソコンノート操作、という愉快な一こまが放映され、笑える。

実際、休日返上で大奮闘しているようだ。
宣誓式には南アジア地域協力連合(SAARC)七カ国の首脳を招待し、犬猿の仲のパキスタン首相とも関係改善に向けての首脳会談を行ったし、今現在は中国を招待し、ビジネス提携がメイン課題の外相級の懇談会が開催されている。

初の外国訪問は、友好国のブータンから。
七月は訪日、安部首相との会談が行われる予定らしい。
グジャラートの州首相時代から、訪日、安部首相とはすでに面識のある間柄とかで、中国をにらんでの、今後は両国のビジネス提携に向けて大きく動き出しそうだ。

なお、アメリカのメディアにはファッショナブルということで評判を呼んでいるようだ。
クルターピジャマといわれる純白のアイロンのぴしっとかかったパンツスーツ(政治家の礼装でもある)に、キャメル色はじめの色違いのベストの伝統衣装だが、アフガニスタンのカルザイ首相も日本のメディアでおしゃれで通っていたように、注目されているらしい。

100日後にどこまでアジェンダが達成できるか、見守りたい。
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十代のいとこ姉妹のレイプ殺人

2014-06-02 22:23:08 | 政治・社会・経済
ウッタルプラデシュ州のラクノウから300キロ離れたバドール村で、先月27日、アウトカースト出身の14歳と15歳のいとこの少女が輪姦されたあげく、マンゴーの木から首を吊られて殺されるという残虐強姦事件が発生した。

インドが悪名高いレイプ地獄国であることはこのブログでも何度も書いているが、2012年12月のデリーにおける23歳の女性のバス内残虐輪姦事件以降、目だって増えてきているようだ(ちなみに、デリーはレイプの都とのありがたくない異名を戴いている)。

きわめてまれな凶悪犯罪には死刑で臨むと法改正されたにもかかわらず、各地でレイプが頻発しているのだ。
勇気を持って訴える人が増えたことにも由来するのかもしれないが、センセーショナルな報道がかえってレイプ頻度をあおっているようだ。

2012年の事件では、怒り狂った市民女性が大掛かりなデモを繰り広げ、世界的にも女性蔑視のレイプ国家の悪名が広まったものだった。
世界に顔向けできない、インドの面目丸つぶれだったが、レイプは今も後をたたない。

ひとつには、国民の半数以上が適切なトイレ施設を持たない惨状があげられる。

今回の事件も、野外に用を足しに行って被害に遭遇したといわれる。
犯罪率の高いウッタルプラデシュ州の強姦事件の65%は、青空トイレに行った女性が被害に合うケースという。

しかし、何も殺さなくてもいいと思うのだが、インドでは強姦された後、無残に殺されるケースが多いのである。
生後間もない女児や幼女も犠牲者になっている。

同姓として許しがたい、見逃せない犯罪で、胸が痛む。
最下層のアウトカースト女性が一番被害をこうむっているのも、上位カースト男性の優越、征服・支配欲を見せつけるようで虫唾が走る。

ウッタルプラデシュ州は、ムスリム擁護を理念に掲げるサマジワディ・パーティ、社会党政権だが、前々州首相のムラヤム・シン・ヤダヴ党総裁は先の州議選に勝利して、トップ職をまだ三十代と若い息子のアキレシュに譲ったのである。

未経験のせいか、犯罪急増、治安悪化で、懸念の声が出ていたときでもあった。
ジャングル・ラジ、無政府状態の野放し王政との批判も。
なにせ、ムラヤム総裁は典型的女性蔑視者、「所詮男は男、ちょっと誤っただけだ」とのレイプ犯擁護ともいえる失言を吐いて、女性運動家を怒らせた前歴があるのだ。

無辜のいとこ姉妹に合掌。
しかし、こんな無残な殺され方をしては、霊も浮かばれないだろう。
地縛霊となって、いまだに泣きながらさまよっているかもしれない。
一刻も早い犯人検挙(七人のうち逮捕された二人は警官だった)と公正な裁判、以後の性犯罪防止に努めてもらいたい。
なお、少女の親族は犯人の公開絞首刑を求めている。
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日本のネットニュースに見るインド新政権

2014-05-29 22:14:04 | 政治・社会・経済
26日大統領官邸で新首相として就任したモディ新首相は100日アジェンダをぶちあげ、早速機敏に動き出している。
閣僚人事も発表され、新体制に向けて動き出した。

就任式に招待したパキスタンのナワズ・シャリフ首相との会談も成功に終わり、カシミール地方での領土紛争問題はいまだ解決がつかずとも、そこを見越しての両国の商的関係が見直されている。
経済上犬猿の仲の両国が結びつけば有利なことはいうでもなく、ナワズ首相は、印中関係を模範としているらしい。
経済関係が改善されれば、その他懸案の問題もおのずと解消されると信じているようだ。
しかも、モディ首相は経済改革推進派、両国の商工関係を促進するに絶好の機会だ。

インドは中国とも国境紛争で過去もめた経緯があり、いまだに北東地域のアルナチャルプラデシュ州をめぐっての齟齬が続いているが、経済面での結びつきは年々強くなり、インド本国にも中国製品はたくさん入ってきている。

経済的に窮迫しているパキスタンとしても、インドとの経済面の提携の進展はのどから手が出るほどほしいところ。

以下、日本のネットニュースに見る、インドの新首相就任式、今後のインド経済進展予想をどうぞ。

インド モディ新首相が就任(NHK)

インド・モディ氏圧勝で最大の敗者となる中国 (日本経済新聞)
*さすがに、日本のトップ経済専門紙、モディ新首相下における今後の経済予想、中国との競合などよく分析しています。ご一読を!
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首相就任式と印パ関係改善

2014-05-28 06:16:19 | 政治・社会・経済
昨日26日、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi、63歳)し大統領官邸の広大な前庭にて、正式にインドの第十五代首相の座に就任した。
南アジア地域連合(SAARCS)の八カ国首脳陣はじめ、政界の要人ほか四千余名の賓客が見守る中、プラナブ・ムカージー(Pranab Mukherjee)大統領から正式に首相に任命された。

外国からの首脳で注目されたのは、パキスタンのナワズ・シャリフ(Nawaz sharif)首相。
本日27日の二カ国首脳会談で、関係改善に向けて早速動き出し、外務省の秘書レベルの会談や、モディ首相自身がパキスタンを近い将来訪問する旨も明かされ、1999年当時のインド人民党(Bharatiya Janata Party, BJP)政権下のアタル・ビハリ・バジパイ(Atal Bihari Vajpaiee)首相のパキスタンとの平和宣言、ラホール宣言の精神にのっとって、近年悪化をたどっていた両国の関係の見直しが図られることになった。

過去三度の紛争で犬猿の印パだが、両国首脳の相性はよかったようだ。
外交関係で早速進展があったということで、今後の停滞している経済面においても同様にモディ首相の手腕が期待される。

なお、閣僚は46名と前政権の77名に比べると縮小、数は少なくして経費を減らし、最大限の効果を挙げる「少数精鋭」の意図のようだ。
グジャラート州を繁栄に導いた元州首相、モディ新中央首相がどこまでインドを発展へと牽引できるか、国民からも産業界からも大きな期待が寄せられている。
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2014インド総選挙・最終得票数

2014-05-19 22:05:17 | 政治・社会・経済
本日19日付の現地英字紙に、このたびの総選挙(第16回下院=Lok Sabha議員選挙)の最終得票数が公表され、前の数字と1.2票誤差があるので、改めて列記しておきたい。

●インド人民党(Bharatiya Janata Party,BJP,単独で282、連立党9含め334)

●国民会議派(Congress I<I=Indira>,単独で44、連立党7含め61)

●その他148(全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩連盟・AIADMK=タミルナドゥ州、37、全インド草の根会議派・All India Trinamool Congress=西ベンガル州、34、ビジュ・ジャナタ・ダル・Biju Janata Dal=オディッシャ、20ほか)


*特筆すべきは、今回初めて、NOTA(None Of Above)欄が設けられたことで、全体の得票数の1.1%を占めた。どの候補者にも満足しない有権者は、上記の誰でもない、を選べる選択枝が出てきたわけである。

与党・インド人民党は閣僚人事に向けて動き出し、野党・国民会議派は委員会で今回の惨敗の原因追及、各党とも敗退の道義的責任をとって辞任するリーダーも出てきている。

独立以来ほぼ40年、インド政界を独占してきた国民会議派にとっては最悪の得票率だったわけで、インド人民党のウッタルプラデシュ州(最大州人口二億余)のみでの73議席にはるかに及ばなかったのだから、壊滅的打撃だ。
党員もここまでひどいとはさすがに予想しなかったらしい。前マンモハン・シン(Mamohan Singh)首相が、総裁&副総裁のソニア・ラフール・ガンジー(Raful & Sonia Gandhi)母子の肩代わりで一手に責任を負っているが、厳しい冬の時代が続くことは間違いない。

ガンジー家のポリティカル・オビチュアリ(Political Obituary)、政治的死亡記事との形容が使われていたが、まことインド政界のファーストファミリーは政治的な訃報を言い渡されたようなものであった。
変わりつつあるモダンなインドの時代風潮を汲み取れず、旧態の社会主義路線でいったこと、国民とのつながりが薄かったこと、などが戦略ミスで、敗因のにひとつにあげられたが、なんといってもこの五年の悪政が命取りになった。相次ぐ汚職に、インフレ・経済停滞の失策、国民はほとほと嫌気がさしていたのだ。

いずれにしろ、国民会議派は今後、ガンジー家オンリーに頼る姿勢を根本的に変えない限りは、有権者にそっぽを向かれ続けるだろう。

ティーショップを営む父を持つ質素な出自のモディ(第14期新首相に就任)が堅固な意志と綿密なプランでもって、全土を制覇しえたことは一面、世界最大の民主主義国家インドの面目躍如たるところでもあった。
シルバースプーンを口にくわえて生まれたアリストクラートでなくともいい、下層階級出身でもトップ職に上り詰められるということ、また30年ぶりに単独政党で過半数を占めたことで、過去の連立政権時代の政策麻痺を回避できること、停滞気味の経済の大きな浮揚となることは間違いない。

今年中に、ボンベイ証券取引所(Bombay Stock Exchange、BSEは28000ポイントに達するという高い株指数(National Stock Exchange of IndiaのNifty指数は8000台)も予想されているほどだ。
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党史125年の国民会議派の失墜と、インド人民党の台頭

2014-05-19 17:19:30 | 政治・社会・経済
長い総選挙が終わって、敗退を喫した党のリーダーは責任を取っての退陣ドラマが相次いでいる。

真っ先に、ビハール州首相、ニティシュ・クマール(Nitish Kumar)が退陣表明、ジャナタ・ダル(Janata Dal)党総裁に辞表を提出したが、二下院議員席しかとれなかった惨敗を受けてのことだ。
そもそも、ジャナタ・ダル党は、今回大勝したインド人民党(Bharatiya Janata Party,BJP)と提携していたのだが、ニティシュが同党の首相候補であったモディ(Narendra Modi)をコミュナル(宗教寄り)と毛嫌いし、袂を分かち合った経緯があった。

おそらく提携したままだたら、もう少し議席数を伸ばしただろうことの、責任表明である。

しかし、本日にはシンパの州議員に引き留められ、撤回の意向も匂わせている(20日退陣、後任のマンジ州議にトップ職を明け渡した)。

一方、南のタミルナドゥ州で一票もとれなかったドラヴィダ進歩党(Dravida Munnetra Kazhagam、DMK)も、スターリン(Stalin)総裁が退陣表明、しかし、父のカルナディニ(Karnadini)に引き留められ、撤回した。

惨敗を喫した国民会議派(Congress I,I=Indira)も、総裁・副総裁のソニア・ラフール・ガンジー(Sonia & Rahul Gandhi)母子が退陣するのではないかとささやかれているが、党員が引き留めることは間違いないので、仮に辞表を提出したとしても、後日撤回を余儀なくされることは間違いない。
しかし、50席を割った過去最悪、国民的規模の歴史ある党が、野党の威力すらもたない少数党に堕してしまったのだから、党の立て直し、再建は大変だ。

近年、ソニアはアメリカで手術をしたりと(子宮がんだったとのうわさ)、体調を崩していただけに、息子に跡を譲りたい気持ちは山々だろうが、まだまだ党が手放してくれそうにない。

昨日の新聞に国民会議派の敗因を指摘した社評が載っていたが、旧弊依然とした社会主義的な、貧民救済、福祉に重きを置いた社会保障など、施しをくれてやるといった体のスローガンが、若いインドのアスピレーションにそぐわなかったこと、かたやのインド人民党は「経済発展、よき統治」を掲げ、人々の繁栄の希求を汲み取り、新時代の波にうまく乗ったこと、貧民の上昇志向、職を求める若者の欲求によく応えたとのことだったが、まさしくそのとおりだと思う。

モディ新首相は父親がティーショップを営んでいた下層階級出身、底辺から這い上がったしたたかな底力を持つ。
シルバースプーンをくわえて生まれたアリストクラート、ガンジー家とは違うというわけだ。

人民とのコミュニケート能力にも優れ、演説もうまい。
クリーンなイメージで、実質優先、グジャラートを繁栄に導いた辣腕が期待される。
産業界からの期待もうなぎのぼりだ。
過去五年の失政で政策麻痺の経済減速に追い込まれていただけに、欲求不満が募っているのだ。
安定政権かつ、繁栄を謳う経済改革推進派のモディ統治とあって、のろのろ足を引きずって退歩に追い込まれていた巨像インドの頼もしい牽引力となりそうだ。

エレファント・インドは不死鳥のように蘇るか、期待したい。
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日本のネットニュースに見るインド総選挙結果

2014-05-17 17:54:13 | 政治・社会・経済
日本のネットニュースでは、今回のインド総選挙結果はどのように報じられているのだろうか。
以下チェックしてみた。

★CNN JAPAN
インド総選挙で野党圧勝、モディ氏が次期首相就任へ

★ロイター
インド総選挙は最大野党BJP圧勝、モディ政権誕生へ

★朝日新聞
インド総選挙、最大野党が過半数確保 次期首相を米招待

*単独政党での過半数は84年以来とあって、そうか、30年ぶりの快挙なんだなと、認識を新たにした。
それと、モディ新首相の年齢を提示していなかったが、記事にあるように、63歳、頭髪もひげも真っ白、インドでは白髪は政治家の勲章、若じらがが多くて、四十・五十代でも真っ白の人がいる。
インドでは政治は七十代からとの説もあるほどだ。五十代なんてまだヒヨっ子、ガンジー家の長男ラフールは四十代だから、政敵から「ママボーイ」と揶揄されるわけである。

なお、各党の得票数には若干のばらつきがあるので、確定した時点で改めてお伝えしたい。
本日のCNNでは、インド人民党283議席(提携している小党含め337)、国民会議派46議席(提携党含め61)となっていたが、日本のニュースでも、1、2票の誤差があるので、後日改めて公表させていただく。
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王朝政治の終焉、新時代の幕開け

2014-05-17 16:33:54 | 政治・社会・経済
一夜明けて、選挙結果が出た本日は嵐の後の静けさ。
モディ旋風はツナミ(tusNaMo,NaMo=Narandra Modi)と称されるほど、インド全土猛烈な勢いでなだれ込んだものだった。
ボンベイ証券取引所(BSE)の株指数は一時、25000ポイント突破と、天井を突き破るものすごさだった。

北西地帯はインド人民党がほぼ占拠状態、東の西ベンガル・オディッシャ州、南のタミルナドゥ州は地方政党が優勢だったが、なんといっても人口最大二億人余のウッタルプラデシュ州の76議席中72席は圧倒的だった。

元与党、国民会議派(Congress I)が84年過半数に達したのを除いて以後、単独党で過半数はこれが初めてで、そういう意味からもインド人民党(BJP, Bharatiya Janata Party)の勝利は予想をはるかに上回るものだったが、ラジナート・シン(Rajnat Singh)同党総裁は本日記者団の前で、抑制した答弁、国民の明敏な判断力と党の運動員の尽力と持ち上げた。

一方、マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は大統領官邸を訪ね、辞表を提出、事後国民に向けた退陣会見で、この十年でインドが大きな発展を遂げたこと、職務を公明正大に遂行してきた旨述べた。

指導力はからきしなかったが、善良でクリーンなイメージの元首相にはちがいなかった。

アメリカのオバマ大統領はインド総選挙の結果を受けて、モディ(Narendra Modi)新首相に祝電、訪米を促した。つまり、2002年のグジャラート暴動来のモディ元同州首相のビザ発禁措置は自動的に解除されたわけである。

今後は新政権に向けて動き出すわけだが、閣僚職めぐっての内紛もありえそうだ。モディを首相候補に推すまでにも、ずいぶんと内輪もめがあったインド人民党である。

今日の記者会見には、老練政治家のアドヴァニ(L.K.Advani、モディに対抗して首相候補を目指していた)や、国会の野党リーダーとして活躍したスシュマ・スワラジ(Sushma Swaraj)女性議員も駆けつけ、党の団結ぶりを示したが、二人は財政、国防、家内らの重要大臣職を求めているとのことで、調整が難しくなりそうだ。

なお、モディは昨日老母にひれ伏して祝福を仰いだが、結婚後即座に別居の憂き目をなめさせられた形だけの妻も、復縁を望んでいるとか。
ひとえに政治のみに打ち込んできた実質独身の、モディが受け入れるとは思えない。
つまり、ファーストレディは不在ということになる(ちょうど十年前のインド人民党政権時、アタル・ビハリ・バジパイ元首相も、独身だったため、ファーストレディのポストは空席だったのと同様)。

*国民会議派総裁・副総裁、ソニア&ラフール・ガンジー母子(Sonia&Rahul Gandhi,ソニアは暗殺されたRajivのイタリア出生未亡人,やはり暗殺されたIndira鉄血女首相はラフールの祖母, 初代首相Nehruは祖祖父で、ケネディ家の悲劇のインド版、インド政界のファーストファミリーがガンジー家だった)は、過去最悪の惨敗の責任を取って退陣する意向を示している。
ダイナスティといわれる王朝政治、独立来ガンジー家がほぼ占拠してきたインド政界は、インド人民党と、モディの台頭によって大きく変わりつつある。




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路上に勝利の打ち上げ花火

2014-05-16 17:17:46 | 政治・社会・経済
総選挙の結果速報はすでにお伝えしたとおり、インド人民党の圧勝(前回より100票多い283票、単独党で過半数は三十年ぶり)で、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が誕生することになった。
当オディッシャ州では同時に州議選も行われたため、結果が注目された。
予想通り、ビジュ・ジャナタ・ダル(Biju Janata Dal, BJD)党の圧勝(147席中116)、路上は勝利の声に沸きかえり、打ち上げ花火がぽんぽん上がっている。

みな勝利の興奮に酔っているようだ。

さすがに、ナヴィーン・パトナイク(Naveen Patnaik)率いるBJDは強い。
向かうところ敵なし、だ。

四期連続のチーフミニスター就任、その偉業は父の自由独立運動家出の元州首相(Biju Patnaik)をとうに追い越している。
クリーンなイメージが州民に大人気。

なお、わが夫の竹馬の友、マヘシュワール・モハンティ(Maheshwar Mohanty、夫と同名のクシャトリアカースト、ナヴィーン首相も同様)氏も当プリー地区から出て、四期連続の偉業を果たした。

当地の三つ星ホテルでは、シンパのオーナー主催の勝利パーティーが催され、選挙シンボルのほら貝の描かれた緑の党旗を翻す運動員でごった返した。勝利の太鼓の音がどんどん響き、歓声に沸きかえっていた。

私自身も、2014インド総選挙の結果が出て、少し興奮している。
政権交代を望む民衆の熱気が感染したかのようだ。
今回の選挙は本当に面白かった。
モディがアメリカ大統領並みの全土遊説を繰り広げ、ネットキャンペーンも効果的に駆使し、与党をしのぐ大々的な選挙活動を展開したせいだ。
モディ旋風がハリケーン並みの威力で全土吹き荒れ、メディアも後押し、過熱気味の選挙戦が繰り広げられた。

ナレンドラ・モディは、自州グジャラートのヴァドダラとウッタルプラデシュ州のヴァラナシの二地区から出馬したが、ヴァドダラでは57万という前代未聞の得票数をマークした。
勝利演説で、
「国民と党の運動員に心より感謝している。責任重大だが、期待に応えてまい進したい。よき時代が前途に開けていると確信する」
と表明、お祝いに駆けつけた党員の大歓声に迎えられた。

ホロスコープによると、今後十四年間インドはモディ統治下の繁栄を謳歌し、ゴールデンタイムを迎えるとのこと。
黄金期の呼び水になるか、モディ新首相の手腕に期待したい。
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野党BJP圧勝!-2014インド総選挙結果速報

2014-05-16 16:48:23 | 政治・社会・経済
世界最大の民主主義国家、インドの総選挙結果が本日16日公表されたので、速報をお届けしたい。
有権者8億1400万人のうち5億4千万人が、全土93万箇所の投票所で長蛇の列を作りながら権利行使、選挙の常の暴動や買収札束・酒ドラッグも飛び交ったが、おおむね平和裏に締めくくられた。
若者や女性の姿も目立ち、今回の総選挙に対する関心の高さを示し、過去最高の平均66%の投票率をマークした。

この十年間の汚職三昧政治に嫌気が指した国民は、政権交代をひとえに望み、折柄の酷暑季を押して投票所に駆けつけた。

さて開票の今日、ふたを開けてみると、前日のわが予想通り、インド人民党(Bharatiya Janata Party, BJP)の大勝であった。
自党のみで284議席の過半数に達し、提携している地方の小党を含めると、335と543議席中、三分の二の大勝利だ。

国民会議派(Congress I)は惨敗で、私の100を切る予想をはるかに下回り、自党だけでたったの46議席(歴代最悪)、連立党含めても61議席の惨敗だった。

各局ごとに、1-2席の増減はあり、まだ確定ではないが、ひとまずインド時間の午後十時の結果速報である。

なお、当オディッシャ州議選は予想通り、与党ビジュ・ジャナタ・ダル(Biju Janata Dal, BJD)の圧勝、党総裁ナヴィーン・パトナイク(Naveen Patnaik)は四期目の州首相を務めることになる。下院議員選挙でも19人の国会議員を送ることになる大勝であった。

それにして、モディ熱波はすごい。
グジャラート州、ラジャスタン州、デリーはインド人民党一党の独占、人口最大州ウッタルプラデシュもBJPが圧勝、有名な聖地ヴァラナシ地区から立候補したこともあって、モディ旋風が吹き荒れた結果だった。

いよいよ、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)中央新首相誕生である。

一方、国民会議派総裁・ソニア・ガンジー(Sonia Gandhi)は副総裁の息子ラフール(Rahul Gandhi)を従えて、記者会見、潔く惨敗を認め、戦略に誤りがあったと敗戦の弁、政敵モディを祝福した。ラフールは終始笑顔を絶やさなかったが、過去最悪の大敗の責任は自分にあると認め、笑顔の裏に失意が覗いた。

なお、新党の庶民党(Aam Aadmi Party, AAP)は4議席と、振るわなかった。
私は二ケタ台を予想していたのだが、残念だ。
党首のケジリワル(Arvind Kejriwal)はインタビューに答えて、もっととれると期待していたが、投票結果を受け入れると答弁、彼自身はモディの対抗馬として、ヴァラナシ地区から出たのだが、見事に惨敗を喫し、失意の出た苦い面持ちだった。
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