【週刊ゲーム市場分析】3DS「鬼トレ」は発売4週で12万本、“実用・学習系”ソフト市場の今は?

2012年08月26日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第59回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想するYSO3の参加型企画「Y1」もよそしく!

→ファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■3DS「鬼トレ」は発売4週で約12万本、初代「脳トレ」等に近い動き

今週の首位は2週連続で「New スーパーマリオブラザーズ2」(15.2万本)。累計本数は94.3万本まで伸びている。
「Newマリオ2」については前回に触れたので、今回は5位にランクインした「東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング」に注目してみた。

「川島隆太教授監修」はこれまでにDSで2タイトル、PSPで1タイトルが発売されている。ここで販売実績を眺めてみる。


※「鬼トレ」は、おそらくダウンロード版の一部が集計に含まれていません。

3DSの「鬼トレ」は発売4週で約12万本だが、これはDS版の1作目(4週で約14万本)やPSP版(同11万本)の動きに近い。DSの2タイトルがその後大きく伸び、「川島隆太教授監修」がブランド化されたことを考えると、今回の「鬼トレ」は少々寂しい出足といえる。


■DSの全盛期を支えた“実用・学習系”ソフト市場の今は?

DSでは「脳トレ」などのヒットにより、既存のゲームのジャンル外にあたる“実用・学習系”ソフト市場が生まれた。
DS市場自体が収束しつつある今、この“実用・学習系”ソフト市場はどうなっているのだろうか。


GEIMIN.NET様よりデータをお借りして独自に集計

“実用・学習系”ソフト市場は全盛期の2006年~2007年には1000万本前後を販売、市場全体を大きく牽引したが、2010年には10分の1程度にまで縮小。それがそのまま、家庭用ゲームソフト市場の縮小に繋がった。2011年は同一の条件で集計できなかったので省いたが、ランクインは3タイトル、販売本数は約25万本まで減少している。

今回の「鬼トレ」の出足の鈍さも、“実用・学習系”ソフト市場がほぼ消滅していることを考えると、致し方のないところだろう。3DSの普及に伴い、「鬼トレ」の本数も少しずつ伸びていきそうだが、DSの2タイトルほどの伸びを期待するのは難しそうだ。

最後に、前回に掲載した主な携帯ゲーム機の販売推移のグラフを再掲載。



DSは発売から1年を過ぎたあたりから急速に販売を伸ばしているが、これは「脳トレ」のブームによるところが大きい。現在は「脳トレ」を含む“実用・学習系”ソフト市場がほぼ消滅していることを考えると、前回の繰り返しになるが、3DSならではのヒット作を生み出さない限り、今後の加速は難しそうだ。


【関連記事】
【週刊ゲーム市場分析】3DS「New スーパーマリオブラザーズ2」は前作の半分程度の動き、今後の販売推移は?
【週刊ゲーム市場分析】10年計画「ドラクエX オンライン」が始動、「FF11」に続く成功となるか?
【週刊ゲーム市場分析】3DS「ドラクエモンスターズ3D」が、リメイクでは13タイトル目の初週50万本突破
【週刊ゲーム市場分析】PS3「ドラゴンズドグマ」、オリジナルタイトルとしては10年ぶりに初週30万本を突破
【週刊ゲーム市場分析】“過去最速”で普及中の3DS、DSの後継機として真価が問われる「600万台以降」
【週刊ゲーム市場分析】「STARHAWK」は2012年発売の“洋ゲー”としては2位の出足だが・・?
【週刊ゲーム市場分析】「マリオパーティ9」「バイオORC」等、GW期間の販売データを振り返る。
【週刊ゲーム市場分析】「ファイアーエムブレム」が携帯機向け最高の出足、存在感の薄れる据え置き機版
【週刊ゲーム市場分析】2週目の「スパロボ」や、新作「エルクローネのアトリエ」の動きは?
【週刊ゲーム市場分析】DLで利益の半分を叩きだす「GRAVITY DAZE」は、VITAソフトのモデルケースとなるか?