【週刊ゲーム市場分析】“過去最速”で普及中の3DS、DSの後継機として真価が問われる「600万台以降」

2012年05月28日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第54回。
キビシイ状態が続きますが、連載はなんとか続けます。

コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■「俺妹続」は前作比6割、「ペルソナ2 罰」は4割の出足に

今回の首位は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない」(5.3万本)。
前作「俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブル」(初週8.8万本)よりは少ないが
前作はアニメ放映終了から1か月での発売で、まだ盛り上がりが続いている頃に登場していた。

今作は前作から1年4か月経過しての発売。アニメで即席に増えたファンのみではなく、
原作(ライトノベル)の強固なファン、そして前作のゲームに満足したファンが再び購入し
好調だった前作の6割の本数を維持できたのだろう。

以前まとめた、アニメ放映→ゲーム化1作目の販売本数のデータもご参考に。(→コチラ

一方、「ペルソナ2 罰」は、約1年前に発売した「~罪」(初週6.3万本)の約4割の出足に。
これは元々の「罪」に対する「罰」の人気のほか、「ペルソナ3」以降から入ったユーザーがリメイクされた
「ペルソナ」や「ペルソナ2 罪」をプレイしても馴染めず、本数が徐々に減少しているのかもしれない。

また、「ペルソナ3」以降から入ったユーザーは、来月発売の「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」(VITA)に
期待しているケースが多いことも考えられそうだ。


※すべてメディアクリエイト集計データ


■“過去最速”で普及中の3DS、DSの後継機として真価が問われる「600万台以降」

3DSは発売65週目にて累計600万台を突破。これは、なおもDSの記録(66週目で突破)を上回っているようだ。
ここで、3DS発売1年(52週)目で作成したグラフをアップデートしてみた。(→そのときの記事はコチラ



見ての通り、3DSは「累計600万台」や、「発売65週目の累計販売台数」ではDSを上回っているが
発売57週目~62週目の累計販売台数ではDSのほうが多い。DSが深刻な品薄になっていたこと、
そしてDS Liteの発売を控えていたことで、偶然に3DSが「最速で累計600万台」になったに過ぎない。



次は発売3年まで引き延ばしたグラフ。DSは発売65週目に新型機「DS Lite」が登場。
DS Liteは初回出荷こそ少なかったものの、発売1か月目以降は毎週15万台前後を安定して出荷する。
それでもまったく足りず、需要が尽きることはなく、グラフの通りハイペースの販売が続いた。

DSの後継機である3DSが、その真価を問われるのは、まさに累計600万台以降であり、発売66週目以降。
DSの驚異的なペースをトレースするのは非常に難しいが、3DSには今後も有力なソフトラインナップが
控えているだけに、DSの販売ペースに食らいつくことを期待したいところだ。


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