昨日、日曜美術館で「貴婦人と一角獣」を取り上げていました。
今、国立新美術館で展覧会が開かれています。
日本には初めて、このフランス中世の至宝であるタピスリーがやってきているので、素晴らしい機会です。
私は大学生の頃、初めてヨーロッパに行ったときに、このタピスリーに会いにクリュニー美術館に行きました。
高校生の頃、リルケの「マルテの手記」に出会い、繰り返し繰り返し読みました。
その中で、この貴婦人と一角獣のタピスリーが出てくるのです。
「マルテの手記」は、私にとって大切な一冊だったので、パリに行った折には、是非とも、このゴブラン織りを見てみたいと思っていたのです。
クリュニー美術館自体、中世の建物ということもあり、タイムスリップしたみたいに感じられる空間でした。
時間が止まったような館の中で、引き出しに入ったレースや織物に目を奪われながら、このタピストリーの前に来ました。
重厚で深く静かで、しばらく黙って魅入っていました。
リルケもまた、こうしてこのタピストリーを見ていたのかと思うと感慨深かったです。
昨日の日曜美術館では、この6枚のタピストリーの内の5枚は、それぞれ私たちの五感、 触覚・味覚・嗅覚・聴覚・視覚を表していること、
そして、最後の6枚目は多くの謎に包まれていると言います。
mon seul désir 「我が唯一つの望み」と書かれた、このタピストリーが表しているのは何でしょう?
私には、装飾品を外す貴婦人が、何か宗教的なテーマを表しているように思えるのですが・・・。
愛や理解、その他の解釈もあるので、興味は尽きないですね。
みると、このタピストリーが国外に貸し出されたのはただ一度、1976年アメリカのメトロポリタン美術館だけだそうです。
それでは、なお行きたくなりますね!
7月半ばまでは東京、その後10月後半までは大阪であるので、行ってきたいと思います。