日々想うこと

毎日の生活の中のちょっとした出来事や感じたことを気ままに書いています。

「天使と悪魔」 読み終わりました。

2009-05-29 | 本棚
もう、本当に面白かったです!

最初はCERNで行われている実際の実験など、科学の最前線へと読者を導いてゆき、それから謎解きの舞台となるバチカンに―。

1時間ごとに予告された殺人を食い止めることができるのか? そのために必要なコードを解読することは可能なのか??

ここらは、バチカンの教会美術を好きな人にもたまらないでしょうし、また歴史の裏側、イルミナティなどの秘密結社などに関心のある方には、本当に面白くてたまらないところでしょう。実際、西洋史って面白いですよね。教会の影響はとてつもなく大きいです。歴史の中の科学と宗教(キリスト教)の対立を見てゆくのは興味深いです。

折りしも、今年は「世界天文年」、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を発明してから400年。
国際連合、ユネスコ、国際天文学連合は、この「世界天文年(International Year of Astronomy:略称 IYA)」を、
『世界中の人々が夜空を見上げ、宇宙の中の地球や人間の存在に思いを馳せ、自分なりの発見をしてもらうこと』を目的としています。

この「天使と悪魔」は、そのガリレオ・コードが事件解決の鍵となっています。

時間との戦い・・その手に汗握る緊張とスピード感で、読み進めるにつれて、ページを閉じるのが難しくなります。

そして物語の後半では『信仰』ということについて、様々な登場人物の台詞を通して語られます。この辺りも非常に読ませます!

そして、もうどんどん引き込まれて、気持ちも揺さぶられ、知らないうちに涙なんか流しながら感動してる自分がいて、どんどんページをめくっているのですが、突然「あれ??!」「えっ、何? なんで??」なんて当惑、困惑させれて、信じられないようなどんでん返しがあって、その上またどんでん返しがあって・・。

後半は、本当に読ませます! 
神、信仰、使命・・信念というものが、いかに強烈に物事を動かすかということが、そして、人の信念というものは、本当に個人的な体験から生み出されるのなのだということが、本当によく書かれていて・・ありえない話の展開ではあるけれど、でも、人のマインドや信念の形成過程などが、うまくスリリングなテンポの早いストーリーの中に織り込まれていて、もう、一級のエンターテイメントです!

ああ、こんなに引っ張られて、しかも不意打ちを食らわされたのは久しぶりです。
やられたー、という感じです。面白かったなぁ。

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さっき、《物理学者とともに読む 「天使と悪魔」の虚と実 50のポイント》というサイトを見つけました。

小説に出てくる記述と、実際のCERNの様子が詳しく述べられていて、科学に興味がある方にはとても面白い読み合わせができると思います。
小説では《反物質》が作られたことから、事件が起こるわけですが、ビッグバンのあと、ちょうど同じ分量の物質と反物質が生まれたとしたら、なぜ私たちの周囲には物質しか存在しないのだろう? という謎の一部を解いたのが、小林・益川理論なのだそうです。