メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

タンゴの流行 その1

2008年10月26日 15時58分24秒 | タンゴ・ブルホ
今月のブルホのプラクティカのゲストは


        パブロ・ロドリゲス
        フェデリコ・ナベイラ 
        フリオ・バルマセダ




ときて、今週のはゲストは オラシオ・ゴドイ だった。








毎回それぞれのダンサーの得意なものを取り上げてテーマにしているので

「オラシオは間違いなくミュージカリティーだろー」


と思って期待して行ってきた。











「まず最初に、1927から始まる。」


オラシオはみんなを集めて紙に点を書いた。



そして少し横に 「36」 と書き二つの点を線で結んだ。




  1927     36
   





この時代のタンゴは「グアルディア・ビエハ」と呼ばれている。




なぜそう呼ばれているかと言うと、




1969年、70年、ビートルズ全盛期。 ロックの時代になっていた。

この頃レコード会社が 
「もうこんな古い音楽は誰も買わないだろう」 と
この時代のタンゴのレコードの原盤をすべて焼き捨ててしまったのだ。

そのためその後に流通したレコードは色んな人達が持っていたレコードを焼きなおしたものなのだ。

よって音質はもちろんかなり悪くなっている。








「この頃のミゲル・カロとカナロの曲を踊り比べてみよう。」



というところから始まった。




           





この頃のタンゴのリズム自体は24、5年くらいには形成されていた。





メロディよりリズムが強めでゆっくりなテンポが特徴だ。



「パンダのようにのっそのっそなイメージ」

とオラシオは言っていた。






この時代のタンゴはどのオケでもそんなに違いがない。

ミュージシャンたちが好きなように演奏していたからだ。









そして36年、タンゴ界に転機が訪れる。


この年ダリエンソが新しいオケを結成したのだ。 








みなさん御存知、ダリエンソは指揮者だがビジネスマンでもあった。

文字通り彼はそれまで好きなように演奏していた演奏家たちを指揮し、
客に、ミロンゲーロたちにウケるような音楽 を作っていったのだ。



 客にウケる音楽  =  流 行





彼はタンゴ音楽界に1つの流行を作った。






  強烈なビートとスピード







この年を境にその後のタンゴはどんどんスピードアップしていく。
そしてリズムがどんどん強くなっていく。





流行りにのっていないオケに仕事は来ない。

どのオケもダリエンソのような強くて速い曲を演奏する。






このタンゴ界の一大ブームは36年に始まり41年まで続いた。







                   タンゴの流行 その2 に  つづく。



最新の画像もっと見る