メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

最後のクラス

2008年03月23日 01時59分09秒 | タンゴ・ブルホ
マティアス&カーラが1月に出稼ぎから戻ってきてまたレギュラークラスやるのかと思ったら忙しいので今回はやらないことになった。
3月末からまたヨーロッパツアーなので次にクラス取れるのは8月かぁ。
結局この1年は2、3ヶ月しかブエノスでクラス取れなかったな。


マティアスはオレがタンゴ始めたときはまだダナパブのところにいてダナパブの一番弟子だった。
オレがちょっと踊れるようになったとき、上手くなるために何か目標を作ろうと思った。
パブロにしようかと思ったんだけどパブロはあまりに遠いのでマティアスにすることにした。


それ以来ひたすらマティアスを追いかけ続けてきた。
マティアス&カーラはクラスでは細かい身体の使い方を教えてくれるので分かりやすいし、すごく親切。
DNIで働きながらも隠れてクラスに通ったし、辞めてからはブルホで働き始めたのでもちろんクラスは全部取った。

オレはいつも上達するために自分の持ってるものを捨てて新しいものを取り入れる。
つまり自分の中に出来るだけ固定観念を作らないようにしている。
ダナパブのところで2年半も育ててもらってオレの基礎はダナパブのスタイルだと思ってったけど、ふと自分の踊り方を見てみると、これのリード方法じゃん。

それにやっぱりいつでも一番取りたいクラスはのクラスだった。


次は8月かぁ、長いなぁ。。。

と思ってたら結婚することになった。

年末年始、ドイツにいたのはそのためだったのだ。
(彼女はドイツ人)
今回忙しいのもその準備で故郷のパタゴニアに行っていたからだ。

結婚式は3月8日にパタゴニアの実家で行われ、こっちでのお祝いは12日のビルータ。
そしてヨーロッパツアーの後、ドイツで奥さんの家族と住むらしい。

       


と、いうことは。。。。


もうのクラスは取れないっ!?

そうは今年のヨーロッパツアーでパレハ解消。
は奥さんのクラウディアとドイツで教えるらしい。
は今のところ新しいパートナーは見つかっていない。




先週またまたタンゴ・ブルホでフィエスタがあった。
          タンゴ・ブルホ http://www.tangobrujo.com.ar/
フィエスタとセミナリオ。

セミナリオはガストン&マリエラとマティアス&カーラが3日間集中でやった。

のブエノスでのクラスはこれで最後。
もちろん取らないはずがない。


テーマは構造(つねにお互いを探しあうため基本の動きがヒーロになるってやつ)
と コルガーダ

構造のほうはすでに何回か説明してるのでパス。
実際コルガーダのほうが今回はメインだった。


最初のクラスではコルガーダの基本4つ。
基本的にコルガーダは1歩と1歩の間(移動中)で発生する。
つまりタンゴの構造上から

横から前、前から横、横から後、後から横

の間で出来るわけだ。
この4つの基本を左右、8パターンやった。


           


30分休憩のあと、応用編に入る。 
応用編はナベイラの十八番、コルガーダしながら向きを変えるというやつ。
この日は横から後のコルガーダ状態から軸に戻さずに横から前のコルガーダに方向転換した。


その後これにボレオを入れる。
つまり最初の後部分で後ボレオ・コルガード、前に方向転換して前ボレオ・コルガード、前に着地、をリズミカルにやる。

カーラ
パンッ!(後)、ポンッ!(前)、タンッ!(着地)
と言いながら簡単そうにやるんだが全然簡単じゃない。

男はリードしながら横、後、横と回転する。
ちょーたいへん。

実際オレ達がやると、
ハッッ!!、テヤッ!!、ドリャッ!!、、、、はあ、はあ、はぁ、、、
と空手チックになってしまう。
しかもやりすぎて腹筋が痛くなった。



結局ここまでで時間終了。
誰もまともに出来てなかったが
「ほんとはまだ続きがあるんだけど。。。」
と言って続きを見せてくれた。

さっきやったやつをソルターダで両手を持ちかえて女の子の周りを回りながらやる。
そして最後にガンチョ。
しかも最終形は手の持ちかえはないが2周してガンチョという超難度のシロモノ。


のクラスは昔からめちゃくちゃ難しいんだよ。
中級とかいいながらダナパブの上級なんかよりずっと難しい。
はマニアだからわざと難しい技ばっかし考えるんだよね。

それでも彼らのクラスがいいのは上記したようにその日やることのベースになってることを教えてから応用をすること。
基本の形、リード方法が分かれば自分で応用できるし、基本がしっかり出来るようになればその日のシークエンスも出来るようになる。
チチョやナベイラはすでに完成されたシークエンスしかやらないので基本を押さえられない。つまり基礎が分からないで取りに行っても理解しないまま技をコピーするだけになってしまう(チチョのクラスを取ってる大体8割は外側をマネしてるだけ)




今までオレが取ったクラスを簡単なものから順に並べるとこうなる。

ダナパブ  、チチョ  ナベイラ    オラシオ

ま、オラシオは別枠だけどね。
ナベイラの技をさらに応用したのがのクラスだから難しくて当然。
もう5年近く彼らのクラスを取ってるのにいつまでたっても難しいなぁ
と思ったら彼らも上手くなってるんだから当然か。




DNIが出来ては完全に独立。
ガストンがブルホを開校してさらに分離。

ともに自分たちの踊りのスタイルを追及して二組ともすごくいいダンサーになった。
は個性的な踊り方と音楽を磨き、はその洗練されたテクニックにこだわりさらに磨きをかけた。


オレの頭の中で

 ダナパブ(師匠)  マティアス&カーラ(一番弟子)

という構図が出来上がってしまっていたのでずっと気付かなかったが、も自分達のスタイルを確立しダナパブの売りであるテクニック面でもすでにダナパブを越えていたのだ。



それが今回のデモでもはっきり確認できた。
フィエスタの主役はもちろん 
またまた受付だったが今回は入口を閉めてお金もってデモを見に2階に上がった。


1曲目は普通のタンゴ。
あいかわらず柔らかい動き。
この滑らかな動きはそのリード方法からくる。

そして2曲目にビートルズのこの曲をもってきた。

マティアス&カーラ Matias Facio & Kara Wenham


ブエノス・アイレス最後のデモンストレーション。
このあとにもちろんオトラ(アンコール)があるのだがこの曲を見ているときにすごく切ない気持ちになってしまった。
オレがタンゴを始めたときから習い続けてきた、そして目標にして追いかけ続けてきたダンサーの最後のデモ。
言葉には仕切れない気持ちでいっぱいだ。


そしてマティアスがマイクをにぎり最後の挨拶。
その後ずっと一緒の部屋に住んでいた親友、ガストンを紹介する。



ガストン&マリエラも来週の水曜でブエノスでのクラスは最後。
はモイラと組み、はとりあえずパブロ・インサと少しの間踊ることになっている。
4月からのヨーロッパツアーで7月まで一緒に仕事をし、そのあとカンビオ・デ・パレハ(パートナーチェンジ)する。ほんとにカンビオ・デ・パレハだ。


はまだもう一度別のミロンガでデモが決まっているのでこれは最後ではない。
でもこの日のデモはむちゃくちゃ良かった。

ガストン&マリエラ Gaston Torelli & Mariela Sametband



2週間くらい前カニングでデモったときは踊りながらの顔が不機嫌になっていったくらいガストンの調子が悪かったのだが、
オレが思うにこの二日前にあったXでのオラシオのデモを見ても何かに気づいたのだろう。
音楽で遊びまくってすごくノリノリだった。
も得意のアドリブを合わせて入れる。



ブルホの顔だった2組が同時にパレハ解消というのはツラい。
2組とも独自のスタイルは出来ているし欧米でも大人気。
まだまだ伸びそうだし、ほんとにもったいないと思うが2組とも「寿パレハ解消」なので喜んであげるべきだろう。


            


そしてもう1組。
ブルホのレギュラー・メンバーではないがオレのお気に入りこの前レポった現在CITA出演中のパレハ、ブルーノ&マリアンヘレスも今回のヨーロッパツアーでパレハ解消になる。
ブルーノがロンドンに住んでいる彼女と一緒に住むことにしたからだ。
ブルーノはまだ24歳と若いのでいろいろ経験したいのだろう。
数ヶ月から1、2年ロンドンに住んで、彼女と一緒にブエノスに戻って来たいと言っている。

スンデルランドとサン・テルモのマリポシータでチノ(マルセロ)の代行を4月いっぱいまで担当する。
それが彼らの最後のクラス。

ブルーノ&マリアンヘレス Bruno Tombari & Mariangeles Caamano



大舞台は初めての彼ら。
CITAのシアターショーはすごく上手く踊れたらしく大喜びだった。



オレのお気に入り3組が同時にパレハ解消。
みんな長い付き合いだけに複雑な気分だ。

    



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