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メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

ミロンガで誘ってもらうテクニック!?

2008年06月17日 13時23分08秒 | アルゼンチンタンゴ
女の子は上手い人から誘われるためにはそれなりのテクニックが必要になってくる。


相手がプロなら個人レッスンを取れば誘ってもらえるが(人気のあるダンサーは無理)、
片っ端から個人レッスン取るわけにもいかないので何らかの方法を考える。






まずどんなところでも共通なのは





1、服装     

小奇麗にしておくことはもちろん。
明るい色で、目立つものがやはり男性陣のに止まりやすい。

そしてこの前来たAちゃんが言っていて驚くほど効果絶大だったのが、

  「背中を見せる」
背中の出具合に誘われ度が比例するところも実際ある。 







2、雰囲気     

誘いやすい雰囲気を出すのは大事。

つまらなさそうな顔をしてると男性も声をかけにくい。
明るい感じで楽しそうに、そして声をかけるスキを作っておくこと。
一緒に来た友達と話し込んだりしてると機会を逸してしまう。







3、席選び     

やはりどこに座るかは重要。

予約を入れたり、常連ミロンゲーロと一緒に行くとピスタ側の席に案内されたりするが誘われやすいかどうかは別。

各ミロンガで誘われやすい席がある。
カベセオメインなところだと出来るだけ多くの男性の顔 が見えるところ。

結構直接誘いに来るところだと席の周りにスペースがあって声をかけやすいところ。



案内係の人と仲良くなっておくといい席をまわしてくれたりする。








4、通う    

プラクティカはもちろん、ミロンガでも知らない人を誘わない男性は結構多い。
同じミロンガに通いつめて顔を覚えてもらうのは大事。


同じサロンでも曜日によって違うので「何曜日はどこどこ」というように決めておく。


プラクティカのようにどこでも同じような顔ぶれが並ぶところはいいけど、ミロンガの場合は同じ客層の人が行くミロンガを回ると覚えてもらうのも早くなる。


見慣れてくれば
 「あ、あの娘また来てる。今日は誘おうかな」  となるのだ。









こういうのがミロンガ、プラクティカで誘われる基本テク。











そこで今回登場するのがフランス人のC ちゃん。

前フリ長かったぁ~。



すでに半年以上滞在している彼女。
プラクティカによく来る。


結構上手くて、上級レベルだと思うんだが、もともとクローズ系ベースの踊り方の彼女は、ガシガシ派手な技が飛び交うプラクティカでは目立たない。


単純に目立たなければ覚えてもらえにくいし、誘ってもらいにくい。



性格も謙虚で「自分はそんなに踊れない」と思っている。








そういう彼女の戦略は、






1、早い時間 にプラクティカに行くこと。



始まるのが10時位からのところなら、混んでくるのは11時位から。
早い時間に着くと人が少ない。

たまたま早く来てる上手いプロなんかがいると誘ってもらえるわけである。

ミロンガやプラクティカの前にクラスをやっているところも多いのでそういう先生に誘ってもらえたりする。









2、誘って欲しい男性に近づく。    



プラクティカはトラディショナルのミロンガなどとは違い、結構サバサバした感じ。
あっちでゴチャゴチャ、   こっちでゴチャゴチャ

みんないつも見る顔なので喋ってる。  それを利用する。

大体いつも同じようなメンバーなので目的の男性の近くに行けば、誰か知ってる人がいたりして知り合うキッカケが作れるわけである。




もちろんブエノスでは社交辞令で誘うことはない。
いくら友達でも知り合いでも踊りたい人しか誘わない。



しかし知り合いにならなければ上のレベルの人からはまず誘ってもらえないので知り合いになってから、上手く話を進めていくわけだ。

相手に「この子となら踊ってもいいな」 と思わせるわけである。

その日踊ってもらえなくても相手に自分の存在をアピールすることは出来るし、知り合いになっておけば次合ったときに上手く話を持っていけるかもしれない。









このように

「今日はどうにかして上手い人に誘ってもらうぞ!」 

と間接的な積極的(?)に頑張ってる彼女と




何もしないで座ったまま、

「今日も全然上手い人に当たらない。ブーっ!」 

と言っている日本人?ちゃんの間には心理的に基本テク2のようなところで差が出来てくるわけである。









ブエノスではいまだに女性からあまり知らない男性を踊りに誘うのは好まれない。

相手がプロなら尚更。

しかしC ちゃんのように直接誘うのではなく間接攻撃なら問題ない。 






ただ待ってるだけじゃなく前向きに
          自分だけの誘われテクを考えるのもいいんじゃないかな?








             mis---ioT-n-o



                                  febrero 2009






ブエノス・アイレスのミロンガ事情 プラクイティカ編

2008年06月16日 11時10分27秒 | アルゼンチンタンゴ
基本的にトラディショナルなミロンガは年齢層が高いし、入場料も高め。





なのでお金のない若者達はプラクティカに集まる。









「若い人は若い人と踊りたい」
というのもあるが、リード&フォローのテクニック、音楽の使い方などタンゴの技術が日々進化している以上、若い人に上手い人が多いのは仕方のない話。

基礎体力の問題もあるしね。




やっぱりみんな上手い人と踊りたいのだ。

プラクティカXや金曜マルコム、水曜、日曜ビルータなど人気のあるところにはプロも多く来ている。



そして 外国人達も集まる。

2~5割くらいは外国人。(3月や8月のXでは5割を越すこともある!!)

短期で来てる人からオレみたいに何年も住んでる人まで色々。






プラクティカとミロンガの違いはあまりない。

マナーが甘いのとコルティーナがない(ずっと音楽が流れっぱなし)ことくらい。

ミロンゲーロな人もいればサロン系のプロ、ペアでショーの練習みたいなのしてる人、バリバリのヌエボな人など。

普通に踊ってる人もいれば、技を練習したいらしくひたすら同じ技をかけてくる人もいる。



一人で来てる人が多く、もちろんで来る人もいるけど大体の人はいろんな人と踊ってる。

グループなどで来る人たちもいるが、どちらかというとみんな顔見知りなので来てから同じテーブルに座ったりする。

服装はあまりゴージャスな人はいない。カジュアル。
ほんとに練習着で来てる人もいるけど女性はやっぱりちょっと小奇麗な方が誘われる。








こういったプラクティカではその名前の通りプラクティカ(練習)しほうだい。


決まってるのはサロンを半時計回りに回るってことくらい。
ガンチョしようがセンターダしようがサルトしようが何してもOK!


トラディショナルのミロンガほどマナーが厳しくないのだ。
(もちろんある程度のマナーというか暗黙の了解みたいなのはある。)






まぁ、実際のところ、トラディショナルなミロンガでもじいさん達は結構やりたい放題やってるけどね。

(ガビートはスンデルランドでずぅーと真ん中で止まってたし、 
テテはカニングの正方形のサロンを斜めに突っ走ってきてぶつかりかけたし、
フリコリやピベはどんなに混んでようとブンブン踊るので回りに空間できてるし、
空いてるミロンガじゃソルターダやセンターダをかけてくるまでいる!)






しかし人が集まるプラクティカはミロンガのように数多くはない。
選べるほどはない。

これはやはりいくら増えたとはいえ若者のタンゴ人口が年配者に比べてまだまだ少ないということ。



月曜 マルコム 9時~0時(最近人少ない) スンデルランド 8時~10時
火曜 プラクティカ X  10時~2時 
水曜 マルコム(中級)  10時~1時    ビルータ 1時~4時
木曜 ビルータ(イベントやりだしてから人増えた)    1時~4時  
金曜 マルコム  11時~3時
土曜
日曜 ビルータ   1時~4時



他にもプラクティカはちょこちょこやってるが人は少ない。
クラスなどの延長系で先生が見てくれるプラクティカ・ギアーダというのもある。

ウルキサの本拠、スンデルランドのプラクティカだけはちょっと特別でサロン系。
あまりヌエボなこととかはしにくい。
ペアで来る人が多く、サロン系のプロがよく来る。








若者達はやっぱり踊りたいときは踊りたいっ!!

プラクティカではみんなガンガン誘いにいく。
いちいち目が合うのなんて待ってられないっ。






でも基本的には男性が誘いにいく。

仲がよければ女の子から誘うことも多く、オレも座ってるとよく誘われる。

が、直接知らない男の人に女性から
「踊りませんか?」と誘うことはやはり難しい。(たまに声かけられるけど)





若い男の子達は熟練のさん達とは違い「シャイ」なので、知らない女の子はあまり誘わない。

新しい女の子はそうとう上手いか、かわいいか、でないと上手い男の子からは誘ってもらえないのだ。






そして、こういう人の集まるプラクティカは完全実力社会
上手いアルゼンチン人男性は上手い女の子しか誘わない。




もちろん基本的に上手いのはアルゼンチン人のヨーロッパ遠征レベルのプロたち。
はっきり言って彼らはほんとに上手い女の子しか誘わない。
アルゼンチン人の女の子が多いが外国人でもすごく上手ければ誘われる。


このレベルのプロたちは「かわいい」だけではまず誘ってこない。
むちゃカワいくてそれなりに上手いか、めっちゃ上手くないと誘ってこない。



そしてその次にまだ欧州からはお呼びがかからないが上手いプロ。

プロ、アマ問わずそこそこ踊れる奴ら。
中級者。
低級、初心者。

 ここでは プロ、先生だからと言って上手いとは限らない。
   ショーダンサーなどにはサロンでは中級、低級レベルのプロも多数いる)


となんとなくピラミッドな感じ。






何がそうさせているかというと、
男性陣はある程度踊っていると自分のレベルが分かってくるからである。


やっぱりいつも自分より上手い人とばかり踊ってる女性は誘いにくいし、かと言ってあまり上手じゃない女性を誘いたくない。
と、いうことで大体自分のレベルに合った女性を誘うようになってくる。



プラクティカはミロンガのようにむちゃくちゃ混んでいることはあまりないので人が踊っているのをよく観察できる。
誰がどれくらい踊れるか、すぐに見分けが付くのだ。



だからこういうプラクティカではトラディショナルのミロンガのように誰でもお構いなしに誘うことはない。
もともと知っている女性か、自分のレベルに合うと思われる女性を誘うのである。

もちろん自分のレベルを勘違いして上手い子ばかり誘ってる奴もいるけど。。。






女性から見れば、自分を誘ってくる男性のレベルが大体自分のレベルということ。







単純に女の子は成長が早いのでこっちに長くいれば自分を誘ってくる男性のレベルが徐々に上がってくるので自分の成長を確認し易い。
(友達のKちゃんは成長がめちゃ早く、みるみる誘ってくる男性が変わっていくので見ていておもしろい。)








「アルゼンチン人より外国人のほうが上手い人が多い」

という外国人女性がときどきいる。




長期滞在してない外国人男性はアルゼンチン人にちょっと引け目を感じる人が多い。
やっぱりアルゼンチン人上手いやつ多いもん。

で、そういう男性陣は自分のレベルに関係なく外国人の女の子を誘うのである。
「アルゼンチン人女性は上手い」という先入観があるので誘いにくいのだ。

それは男性本人の上手い下手に関係ない。ただの自信の問題。
最近は外国人でもメチャ上手いやつが増えた。



だから外国人女性はアルゼンチン人の上手い男性とはあまり踊れないが外国人の上手い男性とはよく踊れるのでそう感じるのである。












というブエノスのミロンガ、プラクティカ事情をふまえた上で、


次回 「ミロンガで誘ってもらうテクニック!?」に  つづく!!






             mis---ioT-n-o



                                  febrero 2009






ブエノス・アイレスのミロンガ事情 トラディショナル編

2008年06月15日 13時54分24秒 | アルゼンチンタンゴ
ブエノス市内には80以上のミロンガが存在するらしい。

実際にはあまりに多すぎるのとしょっちゅう出来たり潰れたりするのでいくつあるかは分からん。


月曜日が他の曜日よりちょっと少なくて、やっぱり週末は多いしどこも混んでる。






まず理解して欲しいのは
「サロン(場所)とミロンガ(イベント?)は違う」 

ということ。





ミロンガによって主催者が違うので同じサロンでもまったく客層も雰囲気も違ったミロンガになる。



たとえばオレがいつも行くサロン・カニングも月、金はパラクルトゥラル。
火曜はミナ・ミロンガ、木曜はマノ・ア・マノ、土曜はプーロ・タンゴ etc...

と主催者が違うのでミロンガの名前も違う。



もちろん夜だけじゃなくて夕方のミロンガもあって場所的に人気のある「イデアル」なんかは毎日、…と、ずーとミロンガやってる。



メインのの部門はだいたい12時くらいから朝まで。
夕方部門は3時から8時とか6時から10時とか。
8時から2時っていう微妙な時間帯のところもある。






ブエノスにはこういうサロンは無数にあって主催者がそこを借りてミロンガを開く。






              






現在人気のあるミロンガ(サロン)は 


月曜  カニング
火曜  ポルテーニョ・イ・バイラリン
水曜  エル・ベッソ
木曜  ニーニョ・ビエン
金曜  カニング、ラ・ビルータ、スンデルランド、エル・ベッソ
土曜  ラ・ビルータ、スンデルランド、エル・ベッソ
日曜  ラ・グロリエタ

                    etc...




こういった有名なミロンガは客層も広く、上手い人も多い。
上手い人は上手い人と踊りたいので集まってくるのだ。

外国人も多く(1~3割くらいは外国人)、誰でも入りやすい。
(外国人がよく行くのは10~15ヶ所くらい)



他にも外国人にはあまり知られていない地元ミロンガがたくさんあって地元民が集まる。

そういうミロンガに外国人の若い女の子がひょっこり行ったりすると大人気で誘われまくったりする。アジア人だと一目で分かるしね。








そして、ブエノス・アイレスのミロンガでは皆さんご存知 カベセオ と呼ばれる視線 を送って相手を踊りに誘う合図がある。


ミロンガによっては男性席、女性席、カップル席と分かれていてカベセオしやすい席配列になってるとこもある。
(グループで来てる人たちが多いミロンガもある)




苦手な人もいると思うが楽なシステムだと言えば楽なところもある。






男性はわざわざ席を立って誘いに行かなくてもよい。


女性が直接声をかけ難い席に座っていても誘える、誘われる。


踊りたくない人とは目を合わせなければいいので直接誘われて断るよりも、女性も男性も精神的ダメージが少ない。


などである。







大変なのは狙われてる時。


ひたすら「ジィっ~」 と見つめられ続けるのでその人と踊りたくないときはそっちが見れなくなってしまう。


その人の近くに踊りたい人がいると困る。




まぁ、目が合っても首を振って断れる、つまり

「君じゃないよ、となりだよ」
と言えるのでいいんだけど、狙われてるときはほんとにずぅ~っと 見られてるのでツライ。






日本人はこういう「アイ・コンタクト」苦手かもな~。



オレはカベセオもするが「このタンダは絶対この子と踊りたい!」というときは直接声をかけに行く。

若いミロンゲーロたちはオレと一緒で誘いたいときはバシバシ自分から声をかけていく。
(直接誘いに行きにくい席配列になってるミロンガもある)




熟練のじいさん達は動くのもメンドクサイのであんまり動かないが、若くてかわいい子が来たときはガンガン送ってくるし、ばあさんたちには直接誘いに行かないのにカベセオをわざとスカしても直接誘いに来る。



日本人の女の子はやっぱ人気高いみたいで初めて行ったミロンガでもよく誘われている。
もちろんそのあと口説いてくるのがミロンゲーロのミロンゲーロたるところ。




ガビートにしてもピベにしてもフラコ・ダニーにしても有名なミロンゲーロはやっぱ若い子好きだよな~。
すぐ声かけてくるもん。

で、若い女の子横にハベらかしててカッコいいんだよな~。




    オレも早くああなりたい!! 







と、いうのがトラディショナルのミロンガ。







次回 「プラクティカ編」、次々回「?」に  つづく。



っていうか、
次々回がメインだったんだけど、説明長くて3回シリーズになってしまった。
メイン短いのに前フリ長すぎだっちゅーの。









             mis---ioT-n-o



                                  febrero 2009





アルゼンチン タンゴ 安全情報

2008年06月04日 14時52分19秒 | アルゼンチンタンゴ
昨日 カニングに行ったら入口のところに
こんなビラが貼ってあった。





訳すと


------------------------------------



         女性の方々 ご注意!!

     知らない方々、

     これが ロベルト・エレーラ

     タンゴ界では女性を殴る男として知られています。




------------------------------------





たしかに有名なんだけど多分誰か殴られた人が腹いせに貼ったのだろう。

今日パレルモを歩いていたら他にもそこら辺にいっぱい貼ってあった。




ちなみにマジックで落書きしてあるのは

「でも 他にいるよ!」

だってさ。



ほんとかどうかは実際殴られた人に会ったことがないので分からないけどそういう噂はよく聞く。
ロベルトだけじゃなくてね。



アルゼンチンのタンゴ界ってドロドロしてるなー。


こわー。





タンゴの踊りと音楽 その2

2008年05月27日 10時24分25秒 | アルゼンチンタンゴ
ナベイラはよくテンポを数えるときに 1から8 までで数える。
(今回も4分の4拍子で説明


強拍だけを取って 1、2、3、、、、8 と数えるのだ。
普通の速さで歩いてるときのステップのタイミングだね。




1小節に2つで計4小節分



トラディショナルなタンゴは大体この4小節2つでAメロ、Bメロみたいな
大きなメロディーの形、フレーズを作っている。


最初の4小節がプレグンタ(問いかけ)で次の4小節がレスプエスタ(返答)だとナベイラは説明する。

そして4小節の中の最初の2小節も小さなプレグンタで後の2小節はレスプエスタだともいう。(小さなフレーズ)

たしかにトラディショナルなタンゴは曲の構成が大体そうなっている。







基本的にタンゴには楽譜はない。 

今はあるんだろけど昔は楽譜なんてなくて感覚で演奏していた。

今も演奏家のじいさん達はじっさいに目の前で演奏してそれを「マネして覚えろ」という教え方をする。
(楽譜はその演奏やCDを聴いた人が後から勝手に書いたもので書いた人によって違っていたりする)


だからナベイラがいうような曲の構成の形がタンゴの大まかな基本形とされていたわけだ。




強拍だけを数えるという数え方も楽譜上で見れば変わった数え方だ。

4分の4拍子なら強拍も弱拍も数えた方が楽譜と照らし合わせやすいし、
4分の2拍子で書かれた楽譜なら1拍の前半分だけを数えてることになる。



でも多くのダンサーたちはこういう数え方をするのだ。
いわゆる「テンポを取る」数え方
歩く早さ(ステップ)の数え方だ。


もともとの演奏家達に楽譜がなかったわけだからダンサーたちだって楽譜を見て数えたわけじゃない。
自分達が「どういうふうに踊るか」というところから考えた数え方だ。




じっさいナベイラ以外のミュージカリティーの良いダンサーだって楽譜的な教え方はしない。

オラシオは「タラッタッタッタッ」とか「わらわら、わ~んとか言ってるし、マリオだって途中で数字数えられなくなったりする。



こういうダンサーたちや古い演奏家たちは楽譜でタンゴを勉強したわけじゃないから感覚で踊ってるし、演奏しているのだ。(勉強した人もいるだろうけど)


楽譜がないところから生まれて、演奏されていた音楽ということは 

「なんとなくこういうのがタンゴ」

というのを身体で、耳で覚えた演奏家達が演奏していたのがタンゴの音楽ということになる。

そしてその音楽はいつも踊りと一緒にあった。
踊りやすいようなテンポで作られ、踊りを楽しめるように曲の中にドラマがあった。






しかしそこに登場するのがピアソラである。 
ヨーロッパに留学したりして彼はクラシックやジャズなど他の音楽も勉強した。
そしてそれをタンゴに取り入れてあの天才的な名曲たちが生まれたのだ。



Libertango Astor Piazzolla & Bond

(ピアソラの「リーベルタンゴ」のビデオ これしかなかった。。。)



「リーベルタンゴ」というタイトルを見て最近思った。

  自由なタンゴ 


今までのタンゴの枠に捉われない自由なタンゴなのだ。
タンゴの要素は含んでいるが他の音楽の要素も含まれている。


それまでの「ズンッ、チャンッ、ズンッ、チャンッ」というイメージや曲の構成、踊る人が踊りやすいように作った曲ではなくほんとに自分の好きなように書いた曲なのだ。



だからその当時の人たちは「彼の曲はタンゴじゃない」と言ったし、踊れないのは当然の話だ。

彼の曲がここアルゼンチンの人たちに認められたのはだいぶ後になってから。
ピアソラが世界的にブームになってからのことである。





実際のところタンゴの知識なんてまったくないままブエノスに来たオレでさえ
「リーベルタンゴ」は知っていた。

曲名すら知らなかったが、こっちのタンゲリアでこの曲でショーやってるの見て、

「やっぱこれがタンゴだろーっ。
   何がカフェ・ドミンゲスだよ。ただの演歌じゃん」

などと言っていた。






ところが最近、
ミロンガなどでピアソラやエレクトリックの変な曲がかかると

「こんなの踊れねぇよ、タンゴじゃねぇ!
     アンヘリスとかミゲル・カロかけろっ!!」

と言っている自分に気が付いた。




オレはこっちで楽器を演奏してるわけでもないし、音楽をまともに勉強してるわけでもない。
ただ毎日(ほんとに毎日)ミロンガなどに行って踊りまくってるだけなのだ。
(いわゆるミロンゲーロ)




知らない間にオレの中の「タンゴ」に対する判断基準が「踊れるか踊れないか」になっていたのである。

こう考えると「ピアソラはタンゴじゃない」って言う人の気持ちよ~く分かる。


ミロンガでこういうピアソラやエレクトリックやフォエバー系がかかると、

「ブーっ」 

という顔をしてるミロンゲーロたちがいる。







音楽の批判をしてるわけじゃない。
オレもピアソラ大好きだし、エレクトリックだっていい曲はいいっ!!

ただ踊りやすい曲と踊りにくい曲があるってこと。



「リーベルタンゴ」は聴くか、ショーで見るための曲で自分で踊るとタイヘン。


エレクトリックは長くて単調な曲が多く、まだまだ踊って楽しい曲は少ない。
ミロンガやプラクティカで一時流行っても数ヶ月で入れ替わっていく。
トラディショナルのタンゴだってすごい数の内、いい曲なんて数%なんだから、
まだ歴史の短いエレクトリックにそんなに多くの名曲がないのは当然か。
聴くだけならいい曲はいっぱいあるけどね。


前回のバイオリンの外国のバンドだってコンサートホールなんかで聴けばすごくいいのだろう。
ただミロンガでは踊れなかった。




「踊れるか、踊れないか?」 

こういう考え方、感じ方が一般的なミロンゲーロたちの、「タンゴ」に対するイメージなんじゃないかなー、と思う。

家にCDプレイヤーのなかった時代の人たちはミロンガでかかる度に一音一音を覚えて踊りにしていったわけだから、ビンボーでCD買えないオレと同じ感覚だったんじゃないかな?








練習するときはジャズとか、ボサノバとか、ミーシャとかで踊ってるから

「お前こそタンゴじゃねぇー」 

と言われそうだけど自分で踊ってる分には好きにしていいっしょ。
色んな曲で踊るの好きだし。
それにタンゴばっか踊ってると暗~くなってくるんだもん。







             mi-----oT-n--

                                  febrero 2009




タンゴの踊りと音楽 その1

2008年05月25日 15時33分56秒 | アルゼンチンタンゴ
音楽っちゅーのはホンマにオレの中ではまだまだ未知の分野だ。
分からんことだらけ。

んなもんで、はっきり言って自分の感覚でしか判断できん。


例えば
  「この人むっちゃバンドネオン上手いなぁ~」
と思ってもなんで上手いのか分からん。
なんで「いい」と思うのかも分からん。


勉強不足なんで仕方ないけど、なんかの楽器をある程度弾けるようになったことがないのは大きな要因のひとつだな。

せめてなんか楽器やって、バンドとかでも組んでたら全然知らん楽器でもそれなりに演奏方法やテクニック、他の楽器との駆け引きなんかが分かるんだろうに。。。


ブキッチョやからしゃーないか。







この前またセクステート・ミロンゲーロがカニングで演奏したので行ってきた。

やっぱいいよねー。この人たち。
いつでもちょーノリノリ。 

ビートが強いんで踊りやすい。
演奏者がノってるから踊る方だってノってくる。



クラリネットをやっていた  ちゃんは

「リズム系の曲は好きだけどワルツとか全然ロマンティックじゃない。
   コントラバスの人全然関係ないとこで「ヘイッ!」って言うし。。。」


と言っていた。

それは一理あるな。
どんな曲でもノリノリ、ロック系。
コントラバスの兄ちゃんの「ヘイッ!」のタイミングが意味わからん。



でもやっぱり人気が高くてヨーロッパツアーの後こっちの予定もびっしり詰まってた。




               




このセクステート・ミロンゲーロ、オレは大好きなんだが、2ヶ月ほど前にカニングに行ったときに予定にはなかった外国のオケが入ってた。


3人編成で ピアノ  バンドネオン  バイオリン 



最初聴き始めたとき、

「おっ、なんか分からんけど上手いねぇ~、とくにバイオリン」

と思った。



2曲目が始まって、オレの分析って言うより感覚では

「バイオリン、むっちゃ上手いけど完全に他の楽器を喰ってる。
  なんか他の楽器はバイオリンのBGMみたいに聞こえるんだけど。。。
           しかもオレにはこのバイオリンはクラシックに聞こえる」

まぁバイオリン主役でバイオリンを聴かせるバンドとして考えれば確かに上手い!



とりあえず踊ってみることにした。
かなり難しい、というよりタイヘン。


クラシックなのは編曲もそうなのだ。

バイオリンのメロディーが主役なのでテンポがすごく揺れる。
「タメ」が多すぎ、長すぎ。

それとなぜか演奏が身体に入ってこない。 
ノレない。。。

踊ってる人が少ないのも分かる。




最初何曲か聴いてるときにも感じてたけどピアノとバンドネオンが弱い。
バイオリンが強すぎるってのもあるけど。

そしてその主役のバイオリンのエネルギーが → 内 ← に向いてる気がする。
オレにはどうしてもそのバイオリン弾きは「自分自身」に向かって弾いてるようにしか見えなかったし聴こえなかった。


これはあくまでもオレの感覚なので正しいかどうか分からないけど、そういうところが踊っていてノれない原因なんじゃないかと思う。






終わった後、ピアノをやっていたという  ちゃんに

「こっちのその辺のバンドなんかより上手いねぇ~」

と言ったら、

「そうでしょ~!!
  セクステート・ミロンゲーロとかヘンなのばっかだもんね~」
と言われて返す言葉に困ってしまった。。。





じっさいこのバンドもこっちでもすごく人気があった。
どこかのホールで演奏したときは入れない人が大勢いたらしい。




たしかに個人個人の技術力だけを比べればセクステート・ミロンゲーロよりこっちのほうが上手い。

でもオレにはどうしてもタンゴに聴こえなかった。

タンゴの曲を演奏してるしバンドネオンも入ってるし、たしかに「タンゴ」なんだけど
オレには「クラシック」聴こえるんだよね。


「タンゴ」っていう曲種の分類に定義がないんでタンゴの要素さえ入っていればなんでもタンゴなわけだからクラシックっぽいアレンジのタンゴということだ。




ただオレのタンゴに対する認識が 「踊れるか踊れないか?」 
というところにあるんじゃないか、と思った。



だからビートが強くて、エネルギーが← 外向き → 踊ってる人、聴いてる人に向かって演奏しているセクステート・ミロンゲーロのほうがオレは好きだし、楽しく踊れるんだろう。



これはたんなる好みの問題なんだろうけど。。。  







             mi-----oT-n-o

                                  febrero 2009





サラ・ブレッド

2008年02月29日 01時02分51秒 | アルゼンチンタンゴ
今週火曜日、いつものようにXに行った。
今週のデモはイスマエル&マリア Ismael Ludman & Maria Mondino



イスマエルはノッポの上手い兄ちゃん。
マリアはパブロ・インサの彼女。
期待してたんだがなぜか二人とも緊張しててダメだった。
あとビデオ見てわかると思うけどずぅ~とこんな感じ。
また~り。
なのであきてくる。



最近シータに合わせて外人が増えたのもあるけどXは超コミコミ。
踊るのやめたら座るとこないくらい。


入口でなんかビラ渡されたな~
と思ってたらいつものお知らせの時間にパブロとラウルが説明しだした。

なんと!いきなり来週から場所が変わるらしい!!

聞いてないよぉ!?
せっかくエアコンも付いて改装もほとんど終わったのに。
せっかくこんなに人気も出てボロモウケなのに。
なんで??

理由の説明はなかった。
ここでパブロ・インサたちがプラクティカを始めて4年ちょっとって言ってたからオレもほとんど最初のころから通ってた。
おととし新しくなってからはめちゃくちゃ広くなってオレの活動拠点になってたのに。

次のところはもっといいとこであることを願おう。
あたらしい住所は   MEDRANO 476
カテドラルからメドラーノを曲がってすぐらしい。



そしてもうひとつ。
あたらしいお知らせがあった。


アンジェロ・トレリ が誕生したらしい。

トレリってどっかで聞いたことあるな?

と思ったらガストンとモイラの息子だった。
「アンジェロ」はエンジェルのこと。
スペイン語だと「アンヘロ」なんだけど「アンジェロ」と読ませるらしい。
ガストン大喜びだった。
間違いなくスーパーダンサーになることだろう。


昨年の7月にはダミアン&ナンシーの子供も生まれて最近ブエノス・タンゴ界はオメデタ続き。ジェラルディンももうだいぶ近いし、お気に入りだった女の子が二人最近見ないなと思ったらハラんでたり。
こんなにサラブレッドが続々産まれたら20年後はすえおそろしぃな。

       

タンゴ・ヌエボ? モデルノ?
       古ッ!、ダサッ!
とか言われる時代が来るんだろうな。  





タンゲーラ

2008年02月10日 01時58分15秒 | アルゼンチンタンゴ
始まる前に書こうと思ってたのに気づいたら終わってたらしい。


ちょうど去年の今頃ブエノスでもやっててたしか、誰かが、
「絶対見に行ってレポるから待ってて」

みたいなこと言ってたような気もするがあくまでも気のせいである。


てか、結局去年の公演は短くて値下がりせずに終わってしまった。
1階テーブル席60ペソ(約2300円)は払えんやろっ。
2階席(20ペソ)でもよかったやけどテーブル席だと網タイツのねぇちゃんがシャンパン持って来てくれたりする。

せっかくならナマ脚近くで見たほうがいいもんね。


で、日本公演見に行った人はどうだった?
網タイツのねぇちゃんいた?


いないよねー。
日本じゃむずかしよねー。

でも日本でやれば話題性抜群のような気もするけど。
エロ親父がみんな見に行きそう。
興行収入も上がるし、タンゴ人口も増えそうじゃん。



で、この「タンゲーラ」
もうみんな見に行ったと思うけどよく出来てるよね。

Tanguera



言葉なしで理解できる単純なストーリー、演出もおもしろいし、美術面もいい。
タンゴやってない人でもすごく楽しめる。


ショーとして作るならこういうのがいい。
「フォーエバー・タンゴ」みたいなのは1回観たら
アルゼンチン・タンゴってこういうのなんだぁー、ふーん。
で終わりだもんね。
もう1回観たいとは思わない。

でもこういうミュージカル型式になってると1回で見きれない部分もたくさんあるし世界に入り易いので何回かは見れる。ディズニーランドみたいなもんだ。


プロデューサー、だれだっけ、モーラの元カレ
大したもんだよ。
モーラ自身も振り付けとかやってるし。
タンゴは踊れんけど金儲けの才能は抜群だね。


今出てるダンサーはパンチョ&ガビとサブリナ以外は知らん。
モーラんとこのメンバーだろうからタンゴなのかバレェなのかよく分からんがこういうショーにはちょうどいい。
普通のタンゴダンサーは舞台栄えしないからね。


で、やっぱりタンゴとしての今回の見所は

サブリナ・マッソ Sabrina Masso



いやー、このビデオいいねぇ。
エセキエル&サブリナ黄金時代だ。


当時のサブリナは
学校ではいつでも成績トップの生徒会長、放課後は裏番
的なオーラを出してたんだがこの前見たときはまったくそんな気配はなかった。

こんだけ上手い女の子を踊らせれる男はほとんどいない。
パレハも見つからずフラフラしてる。

背中の怪盗ルパンの刺青が泣いてるぜ。



やっぱり モイラ!

2008年01月26日 06時45分27秒 | アルゼンチンタンゴ
 先月末から頼まれてやっていたモイラのアシスタントも昨日で最後。
モイラの出産が早まったので療養に入るのも早くなった。
出産前1ヶ月はおとなしくしてるようにとお医者さんに言われたらしい。
もうクラスを手伝えないのはざんねん。

モイラはほんとに教えるのが上手い。
昨日のクラスでも
 ほぉ~! 
の連続だった。

だいたい今までオレが習ってきた先生はダナパブがモーラ・スタジオの校長時代だったころの先生たち、弟子たちが多い。
ゆえにみんな考え方が似てるのである。
サンティアゴ&セシリアにしてもコンテンポラリー的な教え方をしてるとはいえ基本的な考え方は同じ。

「いつどの部分の筋肉がどのように働くか」
というロジック中心な教え方だ。


それに対してモイラはその働く筋肉と対応して働く他の身体の部分に注目することが多い。

例えばピボットするときドルサルで受けるのではなく肩の前面の関節でリードを感じる、
などだ。

もちろんドルサルは常に働いているので言うまでもなく、
実際にリードを受けたときに感じやすい部分に注目しているのだ。
踊っているとき、それぞれの状況でフォロアーとしてどの部分に神経を集中させるべきかをよく理解している。


もちろん彼女は頭がいいのでロジックも理解している。
太極拳を習って身体の動きを研究したそうだ。
格闘技は身体を究極に使うのでタンゴの身体の使い方にすごく近いのだ。


出産が近づいてもう踊れなくなって
「こんど復帰するときに全部忘れてそうで心配」
と言っていた。
彼女ほどのスーパーダンサーでもやっぱりそう思うんだなー。

この前ダミアン&ナンシーのデモがカニングであったとき、復帰直後のナンシーが
「ぜんぜん練習してないから人前では踊れない」
と言ってブッチしたらしい。
でもその気持ちたしかに分かる。
何ヶ月も踊ってなかったらやっぱ心配だよね~。

モイラ・カステシャーノ&パブロ・インサ

テスト

2007年12月20日 16時13分13秒 | アルゼンチンタンゴ
 昨日モイラに会って仕事を頼まれた。
モイラがやってるプライベート・レッスンのリーダー役。
彼女の生徒は女の子がほとんど。
しかも結構お腹も大きくなってきてずっと動き回るのは大変らしい。

、、、つまり、この前マラトンで誘われたのは試されたってわけね。
使いものになるかどうかテストされたわけだ。

ま、とりあえず仕事頼まれたっちゅーことは合格したみたいなんで良かった。
モイラのアシスタントになれるなんて光栄しごく。

マティアスがヨーロッパに行ってる間に彼のプライベートの生徒の練習代にオレを紹介してくれて何人か来たんだけど、彼女達もほとんど帰国してしまったのでちょうど収入がなくなってきたところだった。
これでまだグループレッスンを始めなくてもすむかも。。。


モイラはさすが人気ダンサーだけあって固定客が数人いる。
ほぼ毎日、少なくとも1回はクラスがある。

しかもっ!!
彼女の生徒達はみんな上級者の女性ばかり
やっぱ上手いダンサーのところには上手い生徒が来るのだ。


昨日の話では来月からということだったが今朝があって早速今日から仕事することになった。
生徒はドイツ人の女の子。
上手いのでオレもときどきミロンガで誘う女の子。


オレと踊ってるところを見ただけでモイラはすぐに悪いところを発見。
的確に訂正する。
原因を突き止めるのも上手いし、説明するのも上手い。

モイラ頭良さそうだなー、と思ってたがやっぱり良かった。
しかもめっちゃいいオンナだし。

プライベート・クラスはマティアスと一緒で1時間200ペソ(約8000円)。
このレベルのダンサーでこれだけ的確に直してもらえればぜんぜん高くない値段だ。

明日も頼まれて、フランス人のかわいい女の子キャロリン。
彼女は直立クローズがベースでクローズならほぼ完璧。
オレもよく踊る女の子だ。
モイラがどんな風に教えるのか楽しみー

Moira Castellano

ヌエボのクラス

2007年11月11日 19時39分10秒 | アルゼンチンタンゴ
今日からプルポ・ウィークのクラスが始まった。

今日はマティアス&カーラのクラスがあったのでアシスタント。
マティ&カーラとガストン&マリエラがタンゴ・ヌエボと題したクラスを2回づつやる。

今日はその1回目。
やったのはア・ファボールとエンコントラの動き。
ナベイラが4taサカーダの説明するときいつも教えるやつ。
ヌエボっていうより、タンゴの基本の動き。
つまり女の子はいつも男のセントロを中心に回転運動(ヒーロだな)をしようとする。
それにたいして男が動かない、もしくは同じ回転方向に動けばヒーロの動きになる。
これがア・ファボールの動き。普通のサカーダなどもこの動き。

これに対して男が女の子の動きをブロックするように反対回転方向に動けば直線の動きになる。
これがエンコントラ。
普通にまっすぐに進んだり、オーチョしたり、4taサカーダなどがこれ。

ほんとにタンゴの基本の動きなんだが生徒がレベル低すぎてそれ以前の問題だった。
でもみんな意味は理解できてたみたい。



それはいいとして
先月今月と香港人の女の先生がナベイラとチチョのクラスを取りたいというのでパートナーとして雇われて取ってきた。

まずはナベイラのクラスから。

取りに行ったのは今回最後のクラスだった。
生徒数は多かった。20組くらいは来てた。上手いヤツもまぁまぁいた。
ナベイラのクラスはもう知ってることばっかしだな。出来るかどうかは別にして。
いつもどおりの技を組み合わせを変えてるだけだ。
そしていつもの説明。
上記のやつと音の取りかた。
ナベイラのクラスはナベイラの喋りが結構面白い。
親父ギャグをいっぱいかます。
しかも昔はほとんど個別で説明してくれなかったのに大分人間が丸くなったようだ。
一番最後に1曲踊ってくれた。
いつもの技しか使わなければほんとに完璧なダンサーだ。
やっぱこの音楽センスは絶品!!



チチョのクラス。

今日で最後のクラスだった。
ちょうどプルポウィークで外人がいっぱい来たので今日は人が多かったが先週までは10組くらいしかいなかった。上手いやつはあんま来てない。
きてたのはアレハンドロ&マリソルくらいかな。

技をちょっとづつ繋げていって長いシークエンスを作る。
一つ一つの技にかける練習時間が短いしリードも体の使い方も教えないのでみんなただのコレオグラフィーになってた。
ときどき中級でやけに簡単な日があったと思えば中級も上級も変わらん日もある。
チチョはいろいろ面白いこと考えるけどもう今はみんな自分でいろいろ技を作るしオレも元々クラスで技は覚えないで自分で作るほうなので新しいエレメントがないと感動はない。

知ってることの応用ばかりでどれもそんなに難しくなかった。
どちらかというとナベイラのクラスのほうがムズかった。
とくに新しいエレメントがあったわけじゃないので最初のクラスは楽しいと思ったけど3回目からはほんと「仕事してる」って感じだった。
相手の女の子がもうちょっと踊れれば楽しかったかな?
いや、クラスがあんま面白くないので一緒だろうな。学ぶことないし。

たぶんみんなそう思ってるんじゃないかな。
最近はX行っても2、3年前みたいにチチョ系の技を連発するやつも減ってきた。
みんな結構クローズで組んでる時間が長くなった。必要なときだけ離れる。
もっとタンゴの根本のコネクションを重視した踊りのほうが楽しいということに気づいてるんだと思う。
チチョのヌエボの曲でのデモみたいな踊りは飽きられてきてる。

だからどっちかというとナベイラのクラスのほうが人気があるんだろう。
ナベイラはコルガーダ、ボルカーダ、4taサカーダとソルターダしかないもんね。
最初に書いたようなナベイラのタンゴ理論があってそれを習いに来るやつは多い。
同じ技しか使わないが基本的にコネクションが切れることはあまりないし。
今やコルガーダ、ボルカーダやソルターダを振り付けに使わないダンサーはほとんどいないし、もうナベイラはクラシック、トラディショナルになってきてる気がする。

チチョの踊り方は結構女の子のレスポンスを要求する。
たとえばオレたち(ダナパブ系)のスタイルでは男が与えるエネルギーに対して女の子が同じエネルギーで後から応える。
しかしチチョのシステムでは女の子の左手は男が右手を放していてもすぐに反応できるようにしておかなければならない。男の助けが少ないということ。
このシステムだと普通に踊りに行って知らない女の子にいきなり技をかけた場合女の子がリードを受けられないことが多くなる。
つまりこの系統の技に関してはチチョ系の先生に習った女の子でなければあまり実用性がないということだ。

今日、女の子を2回転させるパートがあったがチチョは
「サルサと同じで手は軸の真上で回さないと女の子が軸を崩す」
と言っていてが実際チチョは軸のちょっと外側でまわしていた。
サルサと一緒で回転させるときは女の子が手を上げやすい位置で軸の周りを円を書くように回さないと女の子は回りにくいのだ。
女の子の頭の真上まで手を持っていくと手(腕)と背筋のコネクションが切れるのでリードが伝わらない。
もうちょっと考えて教えようよ。
いいダンサーといい先生は別といういい例。

いちおう今はフアナがパートナーなんだが2回マリアナ・モンテスが代わりに教えに来た。
クラスでは基本的に説明はチチョしかしない。
直接先生を捕まえて聞くとフアナは普通に教えれるがマリアナはチチョと代わらんくらい教えるのは下手だった。
セバスチアンが教えるの上手いと聞いてたんでマリアナも上手いかと思ったら全然ダメだった。



今回チチョのデモは金曜イデアル。
見に行きたかったけどマルコムでN子ちゃんに捕まってしまい、いつものごとく喋り捲られて気づいたら全然踊らないまま1時半過ぎだった。もったいないのでちょっと踊ってカニングにビラまきに行ったら2時過ぎ。さすがに今からは間にあわんだろうと思って諦めた。

今回はフアナと初めてのデモだから見たかったのに。。。
フアナは小さいがチチョもすごく痩せて小さくなって迫力もなくなったがつりあいは取れてる。散発してすっきりして結構いい男になってるよ。

見に行った人の話ではデモは結構良かったらしい。
やっぱりチチョの音楽センスもむっちゃいいもんね。
チチョは変な技やるよりリズム系のクラシックのタンゴやミロンガで踊ってるときが一番いいと思う。音楽がよく見える。

今回は1回しかデモがなかった。
明日にはパリに帰るらしい。   ざんねん。。。