ものぐさ屁理屈研究室

誰も私に問わなければ、
私はそれを知っている。
誰か問う者に説明しようとすれば、
私はそれを知ってはいない。

暴落はトレンド、トレンドはフレンド 9

2020-05-22 11:00:00 | トレンド・フォロー


⑧3月23日 先ず、ここに至るまでの相場認識を記して置くと、キリ番の19000円、18000円も割り、順調に(?)下げてきて、3月17日に16378円を一旦は付けたが、結局、陽線で引けた。髭を上下に着けているので、底打ちを示唆しているが、日柄としては戻り高値からは18日目で、5日線に絡んでもいないので、様子見。

3月18日、19日は陰線だが5日線にタッチし出しているので、下げの勢いが鈍ってきている。この3日で小さいレンジを作っていると見れば、やはり16300円を意識した動きとも取れる。日柄は20日目なので、底打ちの期間に入ったと考えられる。週明けの動きに注目。

ということで、週が明けて23日には、ごくわずかだが陽線で5日線を下から上に抜けている。これはグランビルの法則の買いのシグナルで、縦軸横軸の目安から見ても底を打ったのではないかと判断した。

従って、だいぶ利益が出ていたこともあって、ショートの裡9を利確し、結局、2-3とした。ショートを2残したのは、下げる可能性もあるからで、もし下げていくようであれば、例によって臨機応変にポジション・ワークで対応していく訳である。また、このポジションは、2-(2+1)と見ることも出来る。ショートの2の利益をロングの2でヘッジして確保し、リスクにさらしているのはロングの1だけであると考える事も出来る。

と同時に、ここでドテンした形になったので、前日の安値16538円の1円下、16537円にヘッジ売り1の予約注文を入れる。若しこれで下げて行って下値を更新すれば、自動的に3-3のポジションになる訳である。

さらに、今回は底打ちを示す今一つの兆候が見られたので、それも記して置こう。

日経225というのは指数なので、先物やCFDのように、ETFとは別に取引所の時間帯以外にも取引されている金融商品もあって、同じ日経225であってもそれぞれのチャートは微妙に異なっている。

私はそれらのチャートも参照するのを常としているが、見たいチャートが一通り揃っているので、以下のサイトを常用している。

世界の株価と個人投資家ニュース

そして、3月23日の夜、いつもの様にこのサイトのチャートをざっとチェックしていったところ、日経225CFDと日経225ドル換算のチャートの形に目が留まった。この2つは殆ど同じなので、ここでは日経225CFDのチャートを示すが、私はこのチャートを見て、やはり明日から上昇するのでは、と思ったのである。判り易いように、直近の陽線を黒く塗っておいたが、引いてあるのは、16300円と16100円のラインである。直近の動きが、この二つの価格帯ゾーンを意識した動きになっているのが判るだろうか。



ついでに比較の意味で、通常の日経225のチャートも示しておこう。



このCFDのチャートが示すのは、前に相場と言うのはブルとベアの陣取り合戦と述べたが、件のゾーンに向ってベア側が攻めてきたが、直近では、ここを防衛ラインと考えているであろうブル側が徐々に押し戻していったことを示している。そして、注目すべきはこの3月23日のピンバーである。この日に、押し戻されていたベア側が、再度一気にゾーン内に攻め込んだが、ブル側が猛反撃に出てそれを押し戻し、結局この日は陽線で引けたという形になっている。つまり、このゾーンをめぐる熾烈な攻防を、ブル側が結果として死守し切って制したということを、このチャートは如実に示していると私は解釈した訳である。

⑨3月24日 窓を開けて長い陽線。やはり、底打ちしたようだ。ショートを切って、0-3とする。従って、ヘッジ売りも3とする。位置はそのまま。

今度は、上値の目安であるが、18000円は超えたので、キリ番の19000円と20000円、25日線にタッチする辺りが挙げられる。それに、今回の下げのフィボナッチ比率による戻し、19174(38.2%)と20054(50.0%)辺りが考えられるが、後者はキリ番の20000円と近接しているので、上げてもこの辺りまでであろうと見当をつける。

⑩3月26日 3月25日も窓を開けて長い陽線、19546で引けたが、この26日には下げて陰線、はらみ線(天井シグナル)になってしまった。よって、1-1のスクウェアのポジションとした。

⑪3月31日 3月27日は陽線だが、25日の高値を超えられず。週明けの2月30日も陽線だが、前日に対して高値安値を切り下げている。5日線に触りだしたのも下げの兆候である。そして、この31日に陰線で上から5日線を下に抜ける。従って、グランビルの法則に従って、売りを入れ2-1とした。

なお、26日の陰線の始値は19234円、同じく陰線のこの21日の始値は19181円と、フィボナッチ比率による戻し、19174(38.2%)がマーケット・メイカーには意識されているようだ。



⑫4月1日 窓を開けて長い陰線。ロングを切って3-0とする。これで上値を切り下げたので、下値を切り下げて2番底を付けに行くかに注目。

⑬4月3日 2日3日と上下に髭が出た短い陰線が並び、下げ渋っている。この並びは戻しで上げた分の戻し安値(ややこしいな)の目安として、フィボナッチ比率61.8%の17592円が意識されているように思えたので、1-1のスクウェアに戻す。



⑭4月6日 長い陽線で5日線を下から上に抜ける。0-2。これで下値を切り上げたので、底打ちが明確になった。このあと上値を切り上げるかどうかに注目である。

⑮4月7日 上下に髭の出た短い陽線だが、初めて25日線の上に出た。経験則として、25日線をロウソク足の実体部分が超えると、そのまま上がっていくことが多いので、ロングを追加、0-3とする。

⑯4月13日 そのあと3日上がっていったが、前の高値を超えられず、この13日に陰線で5日線を上から下に抜けたので、0-0とし、手仕舞いすることにした。私の暴落システムはあくまでも短期勝負用と割り切っているので、手仕舞いのルールとして大体1月半くらいを期限にしているからである。それは、これ以上ダラダラと続けると判断が甘くなり、思わぬポカをする傾向があるためである。

この後、結果としては高値を切り上げてアップトレンドになって行ったので、手仕舞いをするには早すぎたという見方もできようが、これだけでも十分な”餅”が得られたので、まあ良しとしよう。終わってみれば、今回の暴落は、妙な乱高下もなく非常に素直な動きの暴落であったように思う。幾分長居し過ぎた嫌いがないでもないが、それは底打ちが若干早く、2番底を付けに行くのではないかという先入観が少なからずあったからで、それでも動きに素直についていくことが出来たので、まあ上出来の部類である。それは端的に数字に表れているので、今回は勝率と損益比率ともに、これまでの平均値を上回ったトレードであった。


さて、以上で私の説明を終わりたいと思うが、最後に再度、暴落について述べておきたい。

誰が言い出したか知らないが百年に一度の暴落といった表現をよく耳にすることが多いが、そもそも原理的に言えば資本主義経済というのは非常に不安定なシステムであって、資本主義経済市場には暴落は付物であると言わなければならない。これは過去のチャートを確めてみれば、直ぐに分かることで、暴落は百年どころか実に頻繁に起きているのが判る。小さな暴落も含めれば、年に数回は必ず起きているというのが実状である。また同様に、暴落で〇〇兆とかの富が失われたなどといった言い方をされることも多いが、基本的に市場取引というのはゼロサム・ゲームであるので、実際には暴落時には多大な富の移転が行われているのが真実であって、この真実を冷徹に理解すべきである。

言い換えると、暴落はイレギュラーな市場現象ではなく、極めてレギュラーな市場現象であって、この事実を真摯に受け入れるならば、結局、投資(或は投機)における最終的な成否を分けるものは、暴落にうまく対処できるか否かに掛かっていると言っても過言ではないだろう。従って、ごくありふれた当然のリスク・マネージメントと言う意味で、暴落については、前もってよく研究した上で怠りなく準備しておく必要がある、とここで声を大にして再度強調して置きたいと思うのである。

といった次第で、この点を踏まえて考えれば、洋の東西を問わず、これまで暴落について特化して書かれた碌な投資本がないという事実は不思議な気がしないでもないが、結局、暴落に対する対処法というのは「裏に道あり、花の道」の典型例ということになるのだろう。日本ではないがしろにされている、そのバック・ボーンとなる基本的な考え方や原理原則に関する理論、それに私なりの暴落システムについては、これまで縷々述べてきたとおりであるが、いささかなりとも参考にしてもらって、ぜひ自分なりの暴落に対する何らかの対処法を確立して、暴落をフレンドにしてもらえればと思う次第である。成功を祈る。

なお最後に、最近感銘を受けた動画を紹介して終わりたいと思う。内容もさることながら、プレゼンテーションとしても、簡潔にして明解、実によく出来た動画であると思うので。

人間というのは通常の性癖として、どうしても「経験」というミクロな小局にしか目が行かないもので、「歴史」というマクロの大局を俯瞰するのには、よく訓練された叡智を必要とすると言わなければならないが、それが「賢人(賢者)」がオマハにしかいない理由であろう。そのバフェットがこの点で、実にうまく暴落に対処しているのは、今さら私ごときが言うまでもないことだが、この動画はバフェットではなく、もう一人の「賢人(賢者)」、相方のマンガーについてのものである。

史上最高のサクセスストーリー。ウォーレン・バフェットの右腕





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