白馬ツバメの独り言

北アルプスの麓 厳しい自然界で健気に逞しく生きている命たちとの出会いは
優しくて時に悲しい・・・

道の駅白馬のツバメたち その1 

2007-06-16 | ツバメ子育て編(2007)

道の駅 白馬. ここにも毎年たくさんのツバメさんたちが帰って来ます。
今年も6月16日までに11個の巣を確認、子育て中です。
駐車場から見て、左端の地場産売り場の軒下に1巣、
中央の施設には4巣、
右側のお堂に1巣、
右端の公衆お手洗いにはなんと5巣 の計11巣。
今回は施設の4巣の中の「1番」の巣で、事件が起こりました。





雛が5羽、すくすくと育っていたのですが、この日たまたま急なお誘いがあり、(今して思うと、ツバメたちに呼ばれていた)昼食をとりに施設のレストランに入ろうとしたときのこと・・「あれ?巣がない・・なぜ?」
下を見ると・・落ちた巣材を寄せ集めた(朝方施設のスタッフが散り散りになった雛たちをここへ置いてくれたそうです。)上に3羽の雛が寄り添って親ツバメの給餌を待っていました。もう一度上の壊れた巣を見ると・・かろうじて残っている巣の部分には一羽が必死につかまっています(A) もう一羽は・・?昼食も忘れ、周辺を捜すと・・施設の横の建物の裏の換気扇のところにいました(B) 巣立ちにはまだ3日ほど早いこの日に、どうやら風の通り道のこの場所は強風続きで巣が雛の重みに耐えられず落下してしまったようです。換気扇に止まっていた雛は1番大きな子で、なんとか飛ぶことができたようです。でも、地面にいる三羽の雛たちは、画像でもわかるようにまだ頭に少し産毛が残っている子も・・・




スタッフの方とお話をしたのですが、
「落ちた雛を別のところへ移動して、親が放棄してしまったことがあるので、かわいそうだけれどどうしてあげてよいものか・・」と。
この子達はもう巣立ち間近。警戒心もかなり強くなってきていますから、日中に捕まえようものならおそらくまた散り散りに飛んでいってしまうでしょう・・
何より親ツバメが地面に降りて雛たちに給餌を続けていますから、今動かすことはしないほうが良いかなと。
ただ、このままでは明日の朝までにはおそらく、猫や蛇の餌食になってしまう危険が大きいです。カラスやトビももしこの状態を見つけたら人気のない日の入り前や朝方には間違いなく襲ってくるでしょう・・
とりあえずの応急対策として、車の中から小さめのダンボール小箱を持ってきて、上部分を開き、雛たちのいる場所にそっと上からかぶせました。あまりにも周囲から見通しが良すぎる場所なので、施設の植木鉢で箱を隠し、念のためにテグスを2本、垂らしておきました(D)。
しばらく様子を見ていましたが、親ツバメは箱に止まっては給餌を続けています(C)。
それでも地面での給餌はとてもやりにくそうです。人が行き交うたびに中断しなければなりません。かなり警戒しながらの給餌はなかなか捗らない様子でした。
雛たちもお腹をすかせて箱の中でジャージャー鳴き続けていました。
とりあえず、この状態で夜を待つことにしました・・・(E)


夜になり、箱のある場所へ歩いていくと・・・猫が植木鉢の前で様子を伺っています。危機一髪急いで猫を追い払い、箱の中からそっと雛たちをタオルにくるんで取り出し、車の中で照明を付け、持ってきていたビタミン漬けのミルワームを7本づつ、ピンセットで与えました。お腹がすいたままだったのでしょう。次から次へとパクパク食べてくれました
「チビ丸」や「チバ美」のことを思い出しました・・・
1年ぶりで触れた雛の温もり・・・小さくて・・手にすっぽりと収まってしまうほどに小さくて・・・でも、この温もりは大切な命・・・この子達、一生懸命生きようとがんばっているんだね・・・どんなことをしても君たちを助けるからね。 だってあと数日で巣立つはずだったんだものね。がんばって巣立とうよ
そして、巣のあった斜め下にある案内板の裏側の一番上に、このように (E)契った 新聞紙を入れた籠を設置し、真上からは見えにくいよう箱をかぶせ、テグスを横に貼り、雛たちをそっと戻して置きました。
どうか、明日親ツバメたちが気づき、給餌を再開し、元気に巣立ちますよう・・・

翌朝、四時半過ぎに再度見に行くと・・・
良かった~ 親ツバメたちが給餌をしています~
雛たちも元気よく鳴いていました
一時間後、三羽の中で産毛もなくなっていた大きいちゃんが、親ツバメの後を追って籠から飛び立ちました。道の駅の周りを一周した後両脇に親ツバメが付き添いながら屋根の上に(G)。


籠の中に残っているまだちょっと巣立ちには早かった兄弟も、午後になると数羽のヘルパーたちに促され、がんばって飛び立ちました
・・・良かった・・ほんとうに良かった・・・
電線に止まっている3羽の雛たち。やっぱりまだ頭に白い毛が残っているけれど・・がんばれば巣立つことが出来るんだね~
巣が落下し、あのような状況で5羽が全員無事でいてくれたこと・・・
施設のスタッフのお姉さんも 「ほんとに良かったですね、有難うございました」と、素敵な笑顔で空を見上げていらっしゃいました
いえいえ、初めに巣材と雛たちを集めてくださったのはあなたです。その「助けてあげたい」という思いに呼ばれてきっと私は「補助」をしにそこへ行ったのです
このツバメさん親子に代わって、私から・・
「道の駅 白馬に繁盛あれ 本当にどうも有り難う
 



 


 



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10 コメント

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白馬は大繁盛(^^) (ちびはは)
2007-06-17 19:39:50
こんばんは
ツバメの神様に呼び出されたんですね(~o~)
対応も説明も良く分かるので本当に勉強になります
全部は出来なくても何かに遭遇した時必ず役立たせていただけると思います<(_ _)>
あのまま一晩もすればあの子達は大空を舞うことなく…ですね ほんとに良かった 
白馬さん ご苦労様でした
巣立った姿を見て疲れも吹っ飛んだでしょうが、くれぐれも体には気をつけて下さいね
まだまだ先は長いですから 

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Unknown (ブトボソ)
2007-06-17 21:17:55
こんにちは。
雛が巣立って行く姿を見た時は感無量だったのでしょうね。でも道の駅に方達や白馬ツバメさんの思いやりの心があったからこそ、こうして無事に巣立つ事が出来たのだと思います。何だか私も嬉しいです。感動的なお話をありがとう!!
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白馬力ですねー (みしまつー)
2007-06-17 21:40:37
こんばんは~
ツバメちゃんのために、何度も道の駅を往復されたんではないでしょうか・・・
真似出来ません。すごいです
施設の方の助けたい気持ち、こういう気持ちが大切なんですよね・・・そして、巣立ち雛ちゃんが、白馬さんを呼んだのかもしれませんよ~
不思議ですね・・・引き寄せられるように
ほんとにみんな無事に巣立ってよかったよかった
それにしても、産毛がまだ残っている巣立ち雛ちゃん・・・ほんとにがんばったよ・・・
もっともっとがんばって大きくなるんだよ~
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ごくろうさま~ (oyado)
2007-06-17 22:48:05
 こんばんは~ 偶然だけではないような?
そう言うことってありますよね~ そして見たらもう夢中で 他の事なんかぶっ飛んでしまう時・・・
でもよかった ごくろうさまでした。
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ちびははさんへ (白馬ツバメ)
2007-06-18 09:50:51
こんにちは。今年は強風が続いたり、乾燥した天気が続いたりと・・巣がすっぽりと落ちてしまうの、これまでに五箇所目・・そして今日また新たに一箇所、すっぽりと・・道の駅のお手洗いのひとつ。下には卵が割れていました・・雛ならなんとか手助けできても、卵は無理・・でも再営巣しているところ多いのでまだ時間ありますしね。
チビははさんなら大丈夫。つばめーる時代からですからね。年季はいってますもの
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ブトボソさんへ (白馬ツバメ)
2007-06-18 09:54:51
こんにちは。道の駅でも白馬と中条村は毎年ツバメたちに優しいですね。とある隣村の道の駅では施設に全面ネットですよ~ そこですか?もちろん閑古鳥状態です。当たり前ですよね。「景観」最悪でしょう。わかってないんですよね・・今年のブトはちょっとおかしいです。改めて連絡しますので原因を教えてください。
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みしまつーさんへ (白馬ツバメ)
2007-06-18 10:18:47
こんにちは。気づかなければそれで終わってしまっていることなんですよね・・ここの施設の方もツバメに関心を寄せてくれていたからこのようによい方向へと救助できたわけですよね・・ほんとに施設の方には感謝しています。
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oyadoさんへ (白馬ツバメ)
2007-06-18 10:21:45
こんにちは。なんとか・・です♪今朝見に行くと壊れた巣のところに2羽が止まっていました。他の子達は周辺を十羽くらいで飛んでいる中にいそうです。双眼鏡で見たら小さいのがいました~
ほんとに我を忘れなりふり構わずとは・・この事~
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はじめまして☆ (のんのん)
2007-06-18 21:27:51
つばめネットワークからここへたどり着きました。
とても楽しく拝見してます☆

雛ちゃん達良かったですねー!!きっと感謝してると思います! 大切な命、最近はこんな心を持っている人が少なくなってきている気がしますね。。
この子達のようにがんばって日々過ごしてる姿に私も元気をもらっています!
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のんのんさんへ (白馬ツバメ)
2007-06-18 23:02:23
こんばんは。はじめまして。読んでくださり有難うございます。ツバメさんの子育てで私もこの年になって、忘れかけていた大切なことをたくさん取り戻せたように思えます・・鳥や動物は「本能」だけって、よく言うけれど・・だからこそとても健気で純粋なんですよね・・「元気をもらう」これもまたツバメさんがくれる「福」なんですねきっと。
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