日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

日々を正しく数える   

2009-02-24 | Weblog
  詩90編

 知恵の詩編

  1~11節 永遠の神と過ぎ行く人
 「わが主よ、あなたこそわたしたちの代々にわたる住いです」(1節直訳)。本詩の主題。「まだ山々が生まれる前に、地と世界を生み出す前から、あなたは永遠から永遠に神」(2節)。神は創造主であり、万物の根源である。
「あなたは人を塵にまで返し、言われる『人の子たちよ、帰れ』と」(3節)。滅ぶべき被造物としての人の脆弱性を際立たせる。「まことにあなたの目には 千年は過ぎた昨日の一日のようで、夜の間の一刻」(4節)。「昨日が今日へと移る夜の一時」は意訳。「一刻」(アシュムラー)は夜警が三交代で守る時間帯(初更、中更、終更)で、その三分の一を指す。極めて短時間という意味。第1ペトロ3章8節see。人の一生は眠りの中に押し流されて朝には夢がはかなく消えてしまうのと同じ。またそれは朝咲いた花が夕べにはしなびてしまう有様に似ているという(5~6節)。
しかしこれは、人生を虚無的に現実逃避して生きるのでなく、神の怒りと受け止め、そこから解放されることを祈るのである(7~11節)。「健やかな人が八十年を数えても」 旧約では40年を生涯と考え、80年は最高寿命を指す。「その得るところは労苦と災いに過ぎません」(10節)。口語訳「その一生はただ、ほねおりと悩みであって~」。「災い」は波瀾万丈のような狂暴性を指す。

  12~17節 神の慈愛を祈る
 「私たちの日々を正しく数えることを知らせてください。そして知恵の心を持つように」(12節)。不遜な心を変えて、自覚しながら生きる生涯であること 残された生涯について、どのように生きるかを尋ねることは重要である。「朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり」という諺がある。「主よ、帰ってきてください。何時まで…あなたの僕らの上に同情を寄せてください」(13節直訳)。岩波訳「引き返えしてください、ヤハウェ、何時までですか。…思い直して下さい」。これが原意に近い。口語訳「…いつまでお怒りになるのですか~」は原文には無い。「生涯、喜び歌い、喜び祝わせて下さい」(14節)。 何をしたかでなく、どう生きたかが重要。「あなたがわたし達を苦しめた日々に応じて、わたし達を喜ばせてください」(15節直訳)。個人的経験に留まらず、イスラエルの民に対する意味も込める。「わが主、わたし達の神の喜びがわたし達の上にあり、わたし達の手の業を確かにして下さい。わたし達の手の業を確かにして下さい」(17節)。最後の二行は繰り返し。

 自分の生涯を正しく学ぶことは、死を意識し冷静さを見失うことなく、今生かされている恵みを体験することができる。与えられた労働の業にいそしむ時に、この確信が必要なのである。ここでコヘレトの言葉3章11節が示される。

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