『いいかよく聞け、五郎左よ!』 -もう一つの信長公記-

『信長公記』と『源平盛衰記』の関連は?信長の忠臣“丹羽五郎左衛門長秀”と京童代表“細川藤孝”の働きは?

戦国データ篇VOL.4【軍(いくさ)を起こしてからしまうまで】

2007-07-03 00:19:11 | 戦国データ篇
戦国時代の軍(いくさ)の進行について

8)軍の具体的進行

 軍を起こすということは非常な大事(おおごと)である。

手短に進行の順番になすべき行程を記す。

1.大義名分を得る

2.軍の規模(員数・日数・進軍距離)の仮設定

3.仮設定に合わせた物資の準備(武具・武器・食糧・現金・

 臨時為替など)

4.相手国との国境の閉鎖及び交通(街道・河川運輸)の

 遮断

5.情報の収集(敵軍の兵数・武器数・兵と武器の配分比率・

 敵国内の反乱分子の把握・地理・天候・道筋など)

6.中立地区の味方・敵対・中立の確認

7.敵兵の調略

8.情報の操作(うそ・強調・類似など)

9.将兵の参戦意志の確認と参戦予定人員の把握

10.将兵の訓練と指揮系統の確認

11.近隣同盟国へ参戦を促すかどうかの決定

12.敵国の人質を保管している場合その処置の確認

13.開戦日・開戦地区の推定と地区別担当者割り当て

14.彼我の戦力分析の上、開戦・和議あるいは退却の

 決定

15.戦闘予定地域の住民への戦闘前・中・後の協力の

 要請と協力への見返りの保証

16.もし戦闘予定地域に朝廷領・幕府領があれば事前

 に「迷惑かける」旨申請しておく

17.馬借・車借あるいは河川運輸業者への協力要請と

 協力への見返りの約束

18.自国の守護あるいは国司から出兵できるよう確認

 をもらう

19.軍法・軍令の発令

20.進軍路の点検(難所が無いか・伏兵がいないかなど)

21.行軍

22.陣構え及び着到を記し員数の確認

23.開戦時刻の正式決定

24.作戦会議(武将ごとの兵力配置・先陣を受持つ大将・

 敵味方の見分け方・攻め込まれたときの大将ごとの

 救援体制決定)

25.戦闘レベルの確認(多少犠牲者が出ても我攻めで

 攻め倒す、調子よければ攻め倒すが調子悪ければ

 退却する、一槍あわせてすぐに撤退するなど)

26.戦闘開始

27.戦闘終了(一般的には総員中5~10%討ち取られ

 た段階で戦意を失い戦闘終了)

28.進退の決定(進むか退くか)

29.戦後処理

 *自国最前線の城・要害の処置

 *敵方から獲得した城・要害の処置

 *敵国との戦後補償金・補償地の受け渡しに関する

 打合せ

 *戦況報告・首実検・論功行賞(生きて戻った兵士

 への評価及び戦死した遺族への補償)の実施

 *人質・馬質等の処置

 *物資・貨幣・為替の収支決算

 *国境及び交通の閉鎖解除

 *情報の収集と反省(事前情報がどれだけ正確で

 あったかなど)

 *調略

 *情報操作

 *参戦した同盟国への論功行賞

 *本城守備隊との反乱分子の動きに関する情報交換

 *協力してくれた地元民たちへの見返りの実施あるい

 は実施時期の通知

 *得失領地の処理(寺社領?幕府領?朝廷領?)及び

 関係各所への連絡

 *敵城を攻陥した場合は城の運営方法を決定


 最低でもこれらのステップを踏まなければならない。本当

に軍をおこすのは容易ではない。

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