『いいかよく聞け、五郎左よ!』 -もう一つの信長公記-

『信長公記』と『源平盛衰記』の関連は?信長の忠臣“丹羽五郎左衛門長秀”と京童代表“細川藤孝”の働きは?

戦国時代の単位 戦国期の貨幣価値と江戸 時代の貨幣価値

2020-06-07 00:00:00 | 戦国時代の単位
戦国期から安土桃山時代を超えて江戸時代へと

移り変わっていきます。江戸地域が徳川家康によ

って開発されて、政治・文化・経済の中心地となる

と、当然インフレが起こり貨幣価値が下落してい

くことになります。計算方法は本記事末尾に記載

しました。

1)江戸期と戦国期の貨幣価値の比較

 ここからは純野の想定ですが、戦国⇒安土桃山

⇒江戸前期⇒江戸後期と貨幣価値がどのように

変遷していくかですが、例えば、

*戦国期と比べ江戸中期のインフレ率10倍

*戦国期と比べ江戸後期のインフレ率20倍

とすると、その逆数だけ貨幣価値は下がることに

なります。今回の記事では“江戸期インフレ率

10倍”で計算してみます。

2)千両箱、そば代、富くじは?

①TV時代劇でよく出てくる“千両箱”は?

 江戸期で仮にインフレ率10倍としてみまし

ょう。

☆戦国期:金1両=4000文×120円=48万円な

ので金千両=1000両×4000文××120円=4億

8千万円となり、「これはゴッツイ!」という印象

ですが、

☆江戸期:金1両=4万8千円なので金千両=

4800万円となり、命がけで盗む金額ではない

ような気がします。

②TV時代劇でよく出てくる“そば代”は?

 こちらも江戸期でインフレ率10倍としてみ

ましょう。戦国期の1文=120円なら江戸期の

1文=12円となり、

「かけそば10文になります!」

というと120円になるので、これはいくらなん

でも安すぎる!現代の立ち食いそばでもかけ

そば250円はしますので、

「かけそば20文になります!」

と蕎麦屋に言わせるのが妥当と思います。江

戸末期なら40文でしょうね。ここらへんは歴史

小説家の先生たちが無視してきた点かな・・

③TV時代劇で出てくる“富くじ”の一等賞金は?

 こちらも江戸期でインフレ率10倍としてみ

ましょう。戦国期の金1両=48万円なら江戸期

の金1両=4万8千円となり、

「大当たり~、一等賞金五百両!」

といわれると多そうな感じがしますが、

*五百両=500×4万8千円=2400万円

なので“ちぇっ・・しけてやがんな・・”とつぶや

かれそうです。最低限「一等、一千両!」の掛

け声が欲しいところです。


皆様も江戸時代のTV時代劇を見る時は、

*だいたい1文=12円、1両=4万8千円

とみてチェックしてみてください。結構現実離れ

した設定が見つかるはずです!たとえば「中村

主水が1両(4万8千円)以下で人殺しをするの

はいくらなんでも!」とか・・


**戦後期のの貨幣価値の計算方法**
1)貨幣
①銭
*永楽銭1枚=1文とする
*1疋(ひき)=銭10文
*1緡(さし)=銭100文
*1貫文(かんもん)=銭1000文
②金
*金1分(ぶ)=4朱
*金1両(りょう)=4分
*金1両(りょう)=銭4貫文
*金1枚=金10両
2)戦国時代の1文の価値
 戦国時代の1文が現代の何円に当たるか?いろいろ
な考え方があると思いますが、このブログでは以下の
ように米価格から割り出す計算方法により
『1文=約120円』
と設定します。

【計算方法】
永禄年間(1566)当時の米価格は、
京都    1500文/一石
奈良     700文/一石
まず奈良の方が生産者米価に近いとすると、
    1石=135kg
また現代の優れた米の価格を
    600円/kg
と設定すると、
 1文=(135kg×600円)÷700
   =115.71円
為替変動は常にあるので、戦国期はおおむね
   1文=120円
と見てよいと思います。【計算方法】の部分は新人物
往来社「戦国時代考証総覧」の中の「戦国時代の
通貨・経済・租税」を参考にしております。

以上
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦国時代の単位 深さ・時間・長さ

2007-10-25 18:59:11 | 戦国時代の単位
戦国時代の単位 いろいろ

今回は一般的な、古典でよくでてくる単位です。

1)長さ

*1丈(じょう)

 10尺(約3m)

 <使用例:白髪三千丈>

*1尋(ひろ)

 両手を左右へ伸ばして広げた長さで、六尺

 (約1.8m)

 <使用例:胴回り八尋ある大蛇>

2)深さ・高さ

*1仞(じん)

 中国周代の1尺22.5cmとした場合の八尺(1.8m)。

 日本では六尺(約1.8m)

 <使用例:千仞の谷>

*1由旬(ゆじゅん)

 天竺の距離の単位。聖王の一日の行程のことで、

 一里=六町(648m)として、十六里・三十里

 あるいは四十里という。

 <使用例:帝釈天が主の刀利天(とうりてん)は

  六欲天の第二。須弥山上八万由旬のところに

  ある>

  ※「とうりてん」の“とう”は「りっしんべん

   に“刀”」です。

3)時間・時刻

*1時(とき)

 2時間

*1点(てん)

 1刻(こく=2時間=1時)を4分割して、1刻の

 始まる時刻を1点として、2点・3点・4点と呼ぶ。

 <使用例:矢合せは卯の一点(午前5時)と定め

  たり>

 <使用例:草木も眠る丑三つ時(午前2時)>

 ※ちなみに十二支が2時間ごとに24時間に

  割り当てられており、

  子(ね):11:00~01:00、

  丑(うし):01:00~03:00

  などとなります。

*劫

 とても長い時間のこと

 <使用例:三千大世界の万物を磨砕して墨と

  して一点を記し、その墨汁が尽きる時世界

  を微塵に砕いてその一点を一劫と数える

  時間の単位を「塵点劫」(ぢんてんごふ)

  という>

追記:古典を読むときに普通古語辞典を使います

 が、欠点は「現代まで残っている言葉は古語

 辞典に載っていない」ということです。バック

 アップのために、講談社日本語大辞典は欠かせ

 ません。

にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦国時代の単位 弓と矢

2007-10-23 12:54:46 | 戦国時代の単位
戦国時代の単位 弓と矢

以下の単位は源平盛衰記の時代のものです。

戦国時代も使われていたかどうかは確認して

いません。

1)矢

①長さ

*1束(そく)

 手で矢をつかんだときの指4本分の幅。

 おおよそ9cm

*1伏(ふせ)

 手で矢をつかんだときの指1本分の幅。

 したがって4伏=1束

→源平盛衰記から推察すると、12束(約1.08m)

 が標準の長さだったようで、「一の谷から逃げ

 る平重衡を庄三郎家長が十四束の矢で射る」

 などという表現が出てきます!

②本数

*1手(て)

 矢二本を一手とし、これを射て一度と数える。

 矢羽は鳥の羽・尾から各三枚左右一対のもの

 を使うので、左右同羽の矢が二本できる。これ

 を右旋回・左旋回に仕立てて「一手」と呼ぶ。

*中差の矢

 胡祿(やなぐい)に入れる実戦用の矢。上矢

 (鏑矢)に対していう。盛衰記では通常24本。

 ※やなぐいの「祿」の字には本当は「竹」かんむり

  がつきます。

*上矢

 胡祿の中差の矢の上にさす鏑矢。盛衰記では

 通常3本、今昔物語では通常2本とある。

*白羽の矢

 瀧口の武者は常に白羽の的矢一手(二本)を

 携行する習わしであった。

*1腰(こし)

 矢を盛った箙・胡祿を数える単位。征矢二十四本

 上矢三本が標準

2)弓

①長さ

 弓の定寸七尺五寸(2.25m)、弦の定寸八尺五寸

 (2.55m)との記載があります。古くはアズサ・

 マユミ・ツバキ・ハジなどを用いましたが、平安

 時代以降は竹二片の間に木をはさみ、籐や糸で

 巻いたものを用いました。

②強さ

*1人張(はり)

 弦を一人で張れる張力の事で、「三人張の強弓」

 などという表現になります。

【備考】本記事は「新人物往来社 新定源平盛衰記

    第一巻~第六巻」を参照しております。

にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦国時代の単位 重量・貨幣

2007-10-14 15:53:30 | 戦国時代の単位
戦国時代の単位 重量・貨幣

1)重量

*1匁(もんめ)=重さの単位。約3.75g

*1斤(きん)=通常一斤160匁(約600g)

 だが物によって異なる。たとえば金一斤256g

2)貨幣

①銭

*永楽銭1枚=1文とする

*1疋(ひき)=銭10文

*1緡(さし)=銭100文

*1貫文(かんもん)=銭1000文

          =銭100疋

          =銭10緡

②金

*金1分(ぶ)=4朱

*金1両(りょう)=4分

*金1両(りょう)=銭4貫文

*金1枚=金10両

③銀

*銀1両(りょう)=銀5匁

*銀1貫(かん)=銀1000匁

*金1両(りょう)=銀10両=銀50匁

3)1文の価値

当時の1文が現代の何円に当たるか?

いろいろな考え方があると思いますが、

このブログでは以下のように米価格から割り

出す計算方法により、『1文=約120円』

と設定します。

【計算方法】

永禄年間(1566)当時の米価格は、

京都    1500文/一石

奈良     700文/一石

まず奈良の方が生産者米価に近いとして、

 1石=135kg

と計算し、また現代の優れた米の価格を

 600円/kg

と設定すると、

 1文=(135kg×600円)÷700文

   =115.71円

為替変動は常にあるので、おおむね

 1文=120円

と見てよいと思います。


*なお【計算方法】の部分は、

 新人物往来社「戦国時代考証総覧」の中の

 「戦国時代の通貨・経済・租税」を

 参考にさせていただきました。

*江戸時代に入るとインフレが進みますので、

 1文=12円でよいかもしれません。



にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦国時代の単位 面積・容積

2007-10-13 09:28:02 | 戦国時代の単位
戦国時代の単位 面積・容積

1)面積

*1歩(ぶ)=1坪=6尺(1.818m)四方

      =3.305㎡

*1反(たん)=昔は1反360歩(1,190㎡)

       =太閤検地以降は現代まで300歩

       (992㎡)

*1町(ちょう)=10反

        =昔は11,898㎡

        =太閤検地以降は現代まで9,915㎡。

         ほぼ1ha(10,000㎡)に近い

2)容積※

*1合(ごう)=180ml

*1升(しょう)=10合=1.8リットル

*1斗(と)=10升=18リットル

*1石(こく)=10斗=180リットル

【備考】

※豊臣秀吉が採用を義務付けた『京枡』は「古京枡」

 とよばれ、1升の容積は1.74リットル。

※江戸幕府が統一した『京枡』は「新京枡」とよばれ、

1升の容積は1.8039リットル。

※現在は「1升ビン」といった場合1.8リットル。

(備考欄は「Wikipedia :升」から引用)


ちなみにお米をたくときにはかる1合=約135g

とすると、

1石=1000合=135kg。米1俵約60kg

とすると、1石=約2俵となります。


にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦国時代の単位 長さ・距離

2007-10-11 14:42:03 | 戦国時代の単位
戦国時代の単位 長さ・距離

1)上古の長さ

*1咫(あた)=親指と中指を広げた長さ。

 約22.5cm?

2)戦国時代の長さ・距離

*1寸(すん)=3.03cm

*1尺(しゃく)=10寸=30.3cm

*1間(けん)=6尺=1.818m

*1段(だん)=6間=10.908m

*1町(ちょう)=10段=109.08m

*1里(り)=36町=3926.88m

【備考】

なお一般の歴史書には書いてありませんが、

全国1里=36町

に統一したのは豊臣秀吉の業績です。それまでは、

 平安時代は一里=5町次いで6町

 その後一里=30町・36町など

となり戦国期には、

 北条氏: 1里=6町

 今川氏: 1里=60町

 武田氏: 1里=6町と36町を併用

 筑紫 : 1里=50町

 畿内 : 1里=36町

などバラバラでしたが、

朝鮮の役中に北九州地区に1里塚を築き、

1里=36町と定め、長さの全国統一をスタート

したそうです。(備考は「山川出版社 体系

日本史叢書24 交通史」より引用)


にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする