告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

人生はおもろいで締めくくりたい

2009年12月11日 | Weblog
そうこうしているうちにガンの告知から1年5ヶ月目に当る日が過ぎていた。大きな山を感じたこの一ヶ月だった。耳管が狭くなっていることで中耳炎を起こしやすくなっているというのは確かだと思える。再度の中耳炎がいつ起きるかにおびえる日々が続くだろう。緩和ケアの予約を受けたくなってきた。


先日、病院の耳鼻科で、中耳炎の原因はガンが大きくなって耳管を圧迫している可能性が大といわれた時のこと。MRIを撮ってみるということになった。医師が目の前のパソコンを操作して、予約状況を確認している。「来年の一月過ぎまで予約が詰まっているようですね~」 医師はゆっくり、こちらを振り返った。「それまで待てないですよね?」 「・・・(当然ちゃうか)」 患者としてはもっと早くなりませんかと尋ねるべきだったのだろうか・・・仕事柄、若いのにテクニックを駆使するヤツだと本当に感心したのだった。「ちょっと外で待っていてください。何とか割り込ませますから」 「・・・(救急患者はどうするの?)」 という気持ちもある。こういうやり取りのあと、3日後に検査を受けることが出来た。言葉に出して感謝すべきだったのだろうか?


その結果をCD-Rに焼いて渡してもらった。セカンドオピニオンの病院に持っていくためだ。自宅のパソコンで開いてみたところ、患部の輪切りがどうしても出てこない。後日、ついでの時にそれを説明し、患部の部分を再度CD-Rに入れてくれるように頼んだ。それはすぐに出来ないかもと言われた。病院から帰ったあと、すぐさま携帯に連絡があった。パソコンの調子が悪く? 原版が削除されてしまった? もう一度、MRIを撮り直す必要がある? どうも、患部を間違えて、上咽頭部ではなく頚部から肩にかけてを撮影したようだと理解した。 深く追求する必要は感じない。取り直すことに問題はない。しかし、診断結果の説明はなんだったのかという気がしないでもない。たとえ方は適切ではないが、天網恢恢粗にしてもらさずという言葉が頭に浮んだ。「いいですよ。いつでも」 「では・・・明日はどうですか?」 えっえっ~ぇ このときの驚きをどう表現すればいいのでしょうか 「(眼がテン)・・・いいですよ」 とだけ冷静に答えた私。考え方を変えるだけで人生は楽しくなる。


見放された患者が芝居見物に・・・丸山ワクチンの奇跡

2009年12月09日 | Weblog
上顎ガン  東京都豊島区・内科医 馬越敏子さんよりの報告

丸山ワクチンは、いままで末期のガン患者に使われるケースがほとんどでした。それでもずいぶん助かる方がいらしたのですから、最初からきちんとこのワクチンを治療に用いれは、もっと効果が上がると思われます。私の患者さんの中にも、ある公立病院で2回も手術を受け、見放された50才代の上顎ガンの方がいらっしゃいます。この病気で1.2年以上生き延びた人は居ないといわれるのに、この方は丸山ワクチンを打ちだしてから、だんだん元気になられ、今年でもう4年目を迎えました。顔のしびれに耐え切れず、この患者さんがある公立病院へ行かれたのは、昭和47年の11月でした。

患部の組織検査をした結果、上顎ガンと判明。一月もたたないうちに、ガンのために右の眼が押し出され、眼球摘出の手術を受けました。この病院でもその間に丸山ワクチンを何度か試みられ、手術後はコバルト療法に切り替えられました。そしてあくる年の7月にふたたび症状が悪化し、こんどは右の上顎切除の手術をしたのです。このときはもう。全部のガン組織切除が出来なかったらしく、「覚悟してください」と、家族の方に言われたそうです。そして9月に退院を勧められ、家に戻ってこられました。コバルト治療が終わったので、これ以上は病院にいてもしかたがないという意味です。その後は一週間に1回、右上顎を削除した顔の半分に当てられたガーゼの取替えに、その病院に通っていらっしゃいました。

ご家族の強い要望と、同じ医者である私の主人のすすめも会って、49年の2月に。私は丸山ワクチンを打つため、この患者さんを往診しました。家に入るなり、異様な臭気が鼻をつきました。末期ガン特有の悪臭です。ガンの末期にはよくこんな臭いがします。やせ細って土色をした病人が、その臭い部屋の中に寝ておられました。上顎骨がないので、流動食をストローですすんで飲んでおられる状態です。お気の毒に、1ヶ月が2ヶ月の命かしらと思いながら、ワクチンを打ったのをおぼえています。それでも私は、一日おきにかかさず往診を続けました。すると、一ヶ月後におどろくような変化が起きたのです。あの鼻をつく悪臭が病人の身体から急に消えてしまいました。助かるかもしれないと私は思いました。少しずつ経過もよくなっていきました。

正直に申し上げれば、それでも私は、心のどっかに不安を抱いていました。上顎ガンは1.2年しか生きれないというのが医学界の常識だったからです。たまにこの患者さんも、手術の痕跡から出血したり、血管が切れて鼻血が出たり、顔色が土色になることがありました。そんなときは私も、夏まではムリかもしれないと思ったものです。急に容態が悪化したらすぐ救急車を呼んでくださいと、家族の方に頼んでもおきました。

恐れていた夏が過ぎる頃には、私は自分の不安が、採り越し苦労だったと思えるようになりました。やはり丸山ワクチンはガンに効くのです。目には見えなくとも、この患者さんは月日を重ねるうたに、すこしずつ、元気になっていかれました。丸山ワクチンを2年あまり続けておりますが、今ではもうたいへん元気になられ、お芝居見物に行かれるほどです。先日も、あまり太られたのでかえって心配になり、手術をした公立病院で精密検査を受けてもらいましたところ、どこにも異常がないうえ。ガン細胞も見当たらなかったそうです。この患者さんは治られたのです。



丸山千里著「丸山ワクチン・がんを追いつめる」の中に記載された体験談より。これが本当のことかどうか確認する必要は感じない。信じるか信じないかだけだ。奇跡が起きたとは信じてもそれが私のケースに起きるとは限らない。久しぶりにブラインドタッチの練習をしてみた。いつかは芝居見物に出かけてみたい。




ガンマナイフの説明を受けてきた

2009年12月07日 | Weblog
予約をとっていたのでガンマナイフの説明を受けに行ってきた。サイバーナイフと同じような治療機器なので、だいたい適応外と断わられることは想像していた。若い女医さんだった。案の定、ガンマナイフも転移や再発のケースがほとんどであり、標準治療の次のステップでの選択枝であると説明を受けた。 あとで、なぜか、とっても体調が悪くなった。


たくさん抱えていったレントゲン写真やCD-Rに目をくれなかった。(患者がいないところで見ていたのか?) したがって、状況を理解してくれているのか疑問に思ったこと。もっぱら話の内容は、標準治療の60%の5年生存率というのは、ガン治療において高いものだということを力説する。標準の治療を受けないことが理解できないといった姿勢だ。理解していない患者に正しいガン医療の受け方を諭すのが医師としての責務であると信じているようだ。


転移、もしくは再発の場合であっても、上咽頭ガンの患者さんの体験例を話して欲しい。予後のQOLなどについて知りたいとの質問にも答えてくれない。「様々ですからね」 でもこんなことが不愉快な気分になった理由ではない。さらに考えてみると、二つの言葉が思い起こされた。「根治」と「もったいない」という言葉だった。根治とは、完全に治るということを想像する、ガンの医療現場に立つ医師が根治を口にする意味は大きい。再発、転移の場合に適応になるガンマナイフで根治に至った患者さんはどれだけいるのだろうかと想像した。聞きたかったことはその具体的な内容である。怖くなった。


そして「もったいない」である。まだ使えるものを捨てる際に使われる表現だ。人の価値は他人に値踏みされるものではない。しかも、本人は捨てるつもりではないから治療を断ったのだ。不愉快な気持ちはここから来ていた。若い医師は近代医学に対して信頼するところが強いのだろう。年を経るにしたがって、きっと医学の限界を知ることになる。私の場合でもガン患者になる前には、抗がん剤に対する理解も表面的なものだった。そもそも抗がん剤との表現、全てをいっしょくたに考えることが間違っている。ひとつひとつの抗がん剤について吟味する必要がある。ガンマナイフの権威、小林達也医師のいる病院。セカンドオピニオン代が2920円だった。こういうときにこそ「もったいない」を使いたい。



小細胞肺ガンでの決断

2009年12月05日 | Weblog
人間ドックでの健康診断を受けたところ肺に影があった。精密検査で小細胞ガンと診断された。肺ガンの中でも進行度が早い、早い段階から転移する悪性度の高いガンだった。ただこの種のガンには抗がん剤が比較的効くといわれている。2回の抗がん剤治療によって、小さくさせておいてから手術を受ける段取りになった。抗がん剤治療により、ガンは縮小し、手術は成功した。


ここで、外科医から提案があった。ガンは完全に切除でき、遠隔転移もない状態だ。ガン細胞が血液のなかを漂っており転移先を探している状態だ。ここで、抗がん剤を使ってそれをたたくことで完治できる。あと3クールの抗がん剤治療を薦めた。内科医は否定的だった。この種のガンは99%に再発、転移がある。ガンが完全に切り取られたなら、そのままの生活に戻ったほうが良い。再発の兆候があったときに、再びこの抗がん剤を使うことが出来る。手術にあとに予防的に使うと、再発時にはその有効な抗がん剤は使うことが出来なくなると言う。


同じガン専門医によっても治療方針は異なる。最後は患者が決断することになる。あなただったらどうする。こんなことを言われても本当に困るだろう。


この抗がん剤はシスプラチンというポピュラーな薬で、上咽頭ガンに対する標準治療にも含まれている。副作用として、免疫力を低下させるのはもちろん、腎機能を低下させる。髪の毛が抜け、吐き気をもよおし、手足にしびれも強く残るようだ。この体験を経たガン患者は「いのちの落語」の著者である樋口強さん。樋口さんは外科医の提案を選択した。副作用と戦いながら3クールの抗がん剤治療をやりぬいた。副作用が顕著になり、内科医は3回目の投薬中止を勧告したが、それでも自分の決断を貫いたとある。3年生存率が数パーセントほどのガン手術の5年後に出版された本だった。年に一回だけ、自身の落語会を開いている。検索してみたところ13年後に当る今年も落語会は開かれている。 玄米菜食、砂療法もとりいれていたようだ。ガンサバイバーの言葉には重みが感じられる。 いのちの落語 で検索されたし。 


「死ぬ時に後悔すること 25章」という本から

2009年12月03日 | Weblog
著者は終末医療に携わる精神科の大津秀一医師。1000人以上の方をお見送りしてきたなかで、患者にアンケートをとった内容を本にした。


1自分の体を大切にしなかったこと・・・一番多い答えだった。
2遺産をどうするか決めなかったこと・・・住宅ローンという負の遺産がある。
3.夢を叶えられなかったこと・・・かなえられないから夢と呼ぶのだ。
4.故郷に帰らなかったこと・・・千の風になって帰ることができると思う。
5.行きたい場所に旅行しなかったこと・・・冥土には旅行したくないと心から思う。
6.美味しいものを食べなかったこと・・・玄米菜食を実行したかった。
7.趣味に時間を割かなかったこと・・・趣味が仕事だと考えていた。
8.会いたい人に会わなかった事・・・相手がいやがるはず。
9.自分の葬儀を考えなかったこと・・・死んだ後はどうでもよい。
10.やりたいことをやらなかったこと・・・やりたくないこともやらなかった。
11.人に優しくしなかったこと・・・妻からいつも非難を受けている。
12.心に残る恋愛をしなかったこと・・それは、あまりに悲しすぎる思い出だ。
13.結婚をしなかったこと・・・しとる。
14.子供を生み育てなかったこと・・・おれは男だ。
15.子供を結婚させなかったこと・・・パードンミー?
16.悪事に手を染めてしまった事・・・もどった後はすぐに手を洗う。
17.タバコをやめなかった事・・・安保教授は喫煙の効果を否定していない。
18.感情に振り回された一生を過ごしてしまったこと・・・本能のままに。
19.自分を一番だと信じて疑わず生きてしまった事・・・違っていたのだろうか?
20.死を不幸だと思ってしまったこと・・・幸せってなんだろう。
21.神仏の教えを知らなかったこと・・・神や仏に出会ったことがない。
22.生前の意志を示さなかったこと・・・死ぬ前にはすでに意識がなくなる。
23.残された時間を大切に過ごさなかったこと・・・のんびり過ごしたい。
24.自分の生きた証を残さなかったこと・・・墓石は必要だろうか。
25.愛する人にありがとうと伝えなかったこと・・・きっと相手が困惑する。


ガン患者としての感想も付け加えてみた。


おだやかな日々

2009年12月01日 | Weblog
快適で平穏な毎日が再び戻ってきた。一日の終わりに「今日一日、無事に働くことが出来て、ありがとうございます」 空に向かって手を合わせるのが日課になってきた。


丸山ワクチンと同じ成分のアンサー20(20μg)という薬は保険適応になっている。放射線療法中における白血球減少を抑制するという効能がある。当然のことですが放射線治療時以外のときには使用することが出来ない。丸山ワクチンのA液はこれの10分の1、B液は100分の1の濃度になる。


ホメオパシーという医療がある。ホリスティック医療に分類される。主に薬草など、レメディと呼ばれる物質を体に取り入れることで治療を行うようだ。たとえば、熱が出た時には、それは体の治そうとする反応だからということで、さらに熱の上がるレメディが処方される。特徴的なのはレメディの作り方。原料になる薬を10倍、100倍ではなく、1万倍、10万倍に薄める。したがって、本来の物質が、まったく含まれていないくらいであるとおもわれるが、それでも効果があるという。マラリアの薬であるキニーネは薄めれば薄めるほどマラリアに対する効果が増すといわれている。丸山ワクチンもそんなものだろうか。時おり、濃度が高い薬を連用したい気持ちが起きる。


免疫学者の安保徹教授の本を読む。多くの人は、日本の医療費の伸びは最近の老人層の拡大によっておこっていると考えていると思うが、それは違っている。医師の総数は年々増えており、医師数の増加曲線と医療費の増加曲線はよく合致しているという。政府は薬価を下げたり、医療費の自己負担分を上げたりしているが、医療側も工夫をこらしてこの流れに抵抗している。その一つが検査料の高額化だという。薬で医療費を受け取れない分のマイナス面を検査費で置き換える努力がすすんでいる。第二の努力は患者数を底上げする努力である。血圧の正常値を150から140に、さらに130にすることで病人は増えて医療は活性化する。同じことはコレステロールにもいえる。同感を覚える。


まとまりのない文章になった。