告知の日からのガン日記(上咽頭がんー丸山ワクチン日記)

08年7月の告知。5年生存率60%の標準治療を断わる。丸山ワクチンを決断。団塊世代、男性。試行錯誤の過程をリアルタイムで

生還者の体験談

2009年10月26日 | Weblog
先週の読売新聞に食道ガンについての記事がシリーズで載せられていた。ある70歳代の女性患者のケース。食べ物が喉につかえて病院に出かけたところ、食道ガンと診断された。ガンは食道を突き破り、気管にも浸潤していた。手術不能の状態だった。 医師は放射線と抗がん剤を併用する治療を薦めたという。放射線治療を毎日10分ほど、計30回ほど病院に通った。さらに、5-FU(フルオロウラシル)とシスプラチンの抗がん剤も投与された。患者は苦しい副作用を乗り越え生き残った。 3年後の現在、再発もなく元気に暮らしているという。 インタビューに対して、もっと人生を楽しみたいと明るく答えている。この化学放射線療法はすばらしい。今後も治療の経験をかさねることによって復帰率がもっと高まると考えられている。ところが、記事の最後のほうに書かれてあることは、この治療を受けた5人の患者のうち4人は3年以内に死亡しているという現状だった。つまり喜びの声は、5分の1の恵まれた患者だった。


以前、知り合いに食道ガンを患った人がいた。私がガンになる2年ほど前のことだ。食べ物が胃に入っていかないので病院に出かけたところ、即刻手術を受けることになったようだ。手術は成功し、すこしずつ食べられるようになった。その後、1年が過ぎた頃の状態は元気そうだった。でも、不思議なことに職場に復帰することはなかった。手術より一年半後、私の気持ちからすれば突然、鬼籍に入られた。


ガンを克服した患者は雄弁だ。しかし、治療を受けても思わしくない患者は、自らの病態を人に話すことをためらうようだ。その気持ちはわかる。私も実名でブログを書いていない。告知から5年ぐらい過ぎたあとは堂々と経験を明かしたいという気持ちがある。新たにガンを宣告された人は、ガン生還者のことばを信じるだろうが、それは危険である場合も多い。