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ストラヴィンスキー・コンダクツ・NHK交響楽団

2019-08-12 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったCDを聴いた.『ストラヴィンスキー・コンダクツ・NHK交響楽団』.

 1959年,来日したストラヴィンスキーが自作曲でNHK交響楽団を指揮した際のライヴアルバム.このディスクでは,同一プログラムで行なわれたフェスティバルホールおよび日比谷公会堂両者の公演でのレコーディングを折衷して,一回分の曲目が聴き通せるようにしてある.どのナンバーも,ただでさえリズムの難しい音楽に,作曲者自身の不器用な指揮のもと,緊張して臨む楽員たちの様子が目に浮かぶようなスリリングなアンサンブル.とりわけ,特別なステージにあって管楽器のソロ奏者たちの萎縮のしようと言ったらなく,ことごとく派手に失敗するので気の毒になってくる.これでストラヴィンスキーは少なからず満足して帰ったというのだから驚きだ.録音は時代相応の放送用音源といった水準であるが,鑑賞に堪えないというほど不鮮明ではない.

 なお,「火の鳥」組曲については,だいぶ前に映像とともにテレビ放送されたのを聴いて,僕としては馴染みのある演奏である.ここで用いられている1945年版の大きな特徴とも言うべき,フィナーレでのスタッカートによる総奏は,このたたみかけるようなスピード感のなかでこそ生きるアイディアだ.


ストラヴィンスキー・コンダクツ・NHK交響楽団
イゴール・ストラヴィンスキー (指揮),
NHK交響楽団,
キングインターナショナル,KKC-2134

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