パーヴォ+シンシナティ響=ストラヴィンスキー「春の祭典」他

　先日買ったCDを聴いた．P.ヤルヴィ指揮+シンシナティ交響楽団による，ストラヴィンスキー『春の祭典』ほか．

　やや遅めのテンポを採りながらも，譜面を正確かつ，スムーズな横の流れのなかに再現した演奏．パーヴォ率いるシンシナティ響は，技術的に安定し，大編成のオーケストラをたえず抑制・整理して聴かせる，美しさのアンサンブル．とりわけ，パーカッションの硬質な響きが，ところどころでアクセントを付けており，気持ちがいい．ただし，この曲のもう一つの魅力であるはずの，ソロパートの活躍や，セクション間の対位的なかけ合い，内声の細かい動きなどには，いくぶん無頓着に素通りしていってしまう感じも．録音は鮮明だが，全体的に少し音像が遠く，精彩を欠く．


STRAVINSKY: THE RITE OF SPRING・NIELSEN: SYMPHONY NO. 5, OP. 50
Paavo Järvi (conductor)，
Cincinnati Symphony Orchestra，
TELARC，CD-80615