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服部百音&名フィル=バルトーク「ヴァイオリン協奏曲第2番」他

2023-05-13 | 音楽 - バルトーク
 夕方,芸文コンサートホールにて行なわれた,井上道義指揮+名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴いた.めあてのヴァイオリン協奏曲は,珍しいレパートリーへの不慣れを感じさせるラフさはあるものの,それでも十分に正確かつ力強い演奏.目まぐるしく楽想が移り変わるバルトークの作風にあって,その変わり目でオーケストラをぐいと先導するかのような,気迫に満ちた服部のソロはよかった.

 後半のクセナキスでは,プレイヤーらを円形に配置した舞台が壮観であるが,音楽そのものは単なる騒音の連続で,特段の面白さはない.本来は聴衆も彼らに混ざって間近で鑑賞するコンセプトであるらしいが,せいぜい音響の塊がサラウンドに押し寄せるだけだろうと,たやすく想像が付くのである.いっぽう,ラストの「ボレロ」はその隊形のまま演奏され,各パートが代わる代わるに活躍するこの曲こそ,ぜひともクセナキスが言う方法で聴きたいと思わせる.


名フィル 第512回 定期演奏会
【出演者】服部百音 (ヴァイオリン),井上道義 (指揮),名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2023.5.13 16:00-
【場所】愛知県芸術劇場 コンサートホール
【曲目】
■バルトーク: ルーマニア舞曲 Sz.47a, BB 61
■  〃  : ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112, BB 117
■ブーレーズ: アンセム I より (ソロアンコール)
■クセナキス: ノモス・ガンマ
■ラヴェル: ボレロ

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