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ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

G.ノセダ+イスラエルフィル=プロコフィエフ「交響曲第1&5番」

2019-08-14 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.G.ノセダ指揮+イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団による,プロコフィエフ・交響曲第1&5番.

 「第1番」はじっくりとした遅めの,「第5番」はすっきりとした速めのテンポを採り,いずれも譜面をていねいに再現した演奏.イスラエルフィルは,ライヴレコーディングに起因する少々のミスはあるものの,持ち前の技術の高さと明るい音色で,充実のアンサンブルに一貫している.ノセダの曲作りも,音楽の輪郭を明確に描きながら,テンポや強弱を即興的に伸縮させる溌剌としたもの.とくに,アレグロ楽章での前のめりのスピード感は氏ならではである.録音は鮮明だが,各楽器にやや近接の観あり.


Prokofiev: Symphony no.1 "Classical"・Symphony no.5
The Israel Philharmonic Orchestra,
Gianandrea Noseda (conductor),
Helicon,02-9681

小泉和裕+名フィル=プロコフィエフ「交響曲第7番」他

2018-06-15 | 音楽 - プロコフィエフ
 夜,旧市民会館で行なわれた,名フィルの定期演奏会をKと聴いた.めあての「第7番」は,やや速めのテンポに一貫し,正確な譜読みと技術とに支えられた安定のアンサンブル.暗譜で指揮する小泉は,細部をじっくり描き出したり,特定のパートにズームアップしたりせず,さらさらと流れていく颯爽の曲作りで,この交響曲のシンプルな作風をまっすぐに伝えていた.それにしても,ラストの追加コーダはやはり蛇足だ.作曲者の無念と悪意に満ちた20小節あまりを聴くたび,今やこれをあえて採用する理由はないんじゃないかと思う.


名古屋フィルハーモニー交響楽団 第458回定期演奏会
【演奏者】小山実稚恵(ピアノ),小泉和裕(指揮),名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2018.6.15 18:45-
【会場】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【曲目】
■プロコフィエフ: 歌劇『戦争と平和』作品91 序曲
■チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番変ロ長調 作品23
■プロコフィエフ: 交響曲第7番嬰ハ短調 作品131『青春』

V.アシュケナージ+シドニー響=プロコフィエフ「交響曲全集」

2018-05-13 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴き終えた.V.アシュケナージ指揮+シドニー交響楽団による,プロコフィエフ・交響曲全集.

 各交響曲とも,やや速めのテンポで,かつ譜面を丁寧に再現した演奏.シドニー交響楽団は,奏者一人ひとりの音が聴こえてくるような粒立った弦セクション始め,充実した技術のアンサンブル.アシュケナージの曲作りは,氏のショスタコーヴィチの交響曲全集(「アシュケナージ=ショスタコ・交響曲全集/2012-12-25」)で難点だったむやみに重心が高い感じもなく,プロコフィエフの音楽に欠かせない一定の迫力や暗さを湛えたもの.また,とくに「第4番」以降のナンバーで,譜面上に記述のない僅かなテンポの収縮が聴かれるが,あらかじめ意図された演出というよりは,楽想の変化に引っ張られて不可避的に起こってしまったような自然な推移で,好感.録音は鮮明.


プロコフィエフ: 交響曲全集 (3CD)
シドニー交響楽団,
ヴラディーミル・アシュケナージ (指揮),
EXTON,EXCL-00099

J.ガフィガン+オランダ放送フィル=プロコフィエフ「交響曲第2&4番」

2018-04-11 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.J.ガフィガン指揮+オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団による,プロコフィエフ・交響曲第2&4番.

 両交響曲とも,譜面を細部まで正確に再現した演奏.オランダ放送フィルは,ヴィブラートを控えた清新な弦楽器群始め,充実したアンサンブル.ガフィガンの曲作りは,過剰な表現のない,いたってシンプルなものであるが,ただ,テンポ処理に関しては,勝手なギアチェンジやルバートが聴かれ,そのたびに音楽の流れが失われるのは残念.とくに,「第2番」第1楽章においてそれは顕著で,強烈なサウンドが延々展開される執拗さにこの楽章の面白さがあることを考えると,作為的なテンポ移行は,その魅力を大きく減じる改悪である.録音は極めて鮮明.
 それにしても,若書きの「第2番」のスコアを見ていると,読み手(もしくは聴き手)をもてあそぶような天邪鬼なアイディアにあふれており,作曲者が当時いかに生意気で性悪の青年であったかがまざまざと伝わってくる.


Sergei Prokofiev: Symphonies Nos. 2 & 4 (SACD Hybrid)
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra,
James Gaffigan (conductor),
CHALLENGE CLASSICS,CC72779

M.オールソップ+サンパウロ響=プロコフィエフ「交響曲第7番」他

2017-11-07 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.M.オールソップ指揮+サンパウロ交響楽団による,プロコフィエフ・交響曲第7番「青春」ほか.

 終始やや遅めのテンポで,譜面を正確かつ丁寧に再現した演奏.サンパウロ響は技術的に万全ではないながらも,力強くも清新な響きの弦セクションが支える充実のアンサンブル.適度なアクセントの効いたティンパニの打撃も気持ちがよい.オールソップの曲作りは,控えめなルバートを操るなどして,音楽の流れをスムーズに整理したもの.録音は鮮明.スケルツォ楽章終結部近くに,編集ミスと思しき2小節ぶんの欠落あり.


プロコフィエフ: 交響曲第7番 他
マリン・オルソップ (指揮),
サンパウロ交響楽団,
ナクソスジャパン,8.573620