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ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

A.チスチャコフ+セゾンリュス管=プロコフィエフ「冬のたき火」

2017-10-14 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.A.チスチャコフ指揮+セゾン・リュス管弦楽団による,プロコフィエフ『冬のたき火』.

 終始丁寧かつ力みのない清新な演奏.チスチャコフ率いるセゾン・リュス管は,技術的には平凡であるものの,誇張のない率直な曲作りとアンサンブルで好感が持てる.この手の伴奏音楽は,ストーリーを意識しすぎて全体的にうるさくなりがちであるが,ここではむしろ弱音を大切にした機微ある進行.フィグリの明るく柔和な朗読もよい.この組曲,大衆向けに書かれた単純明快な作風ながら,それでいて,ただ俗っぽいだけの「使い捨て音楽」に成り下がっていないあたり,プロコフィエフの面目躍如といったところだ.録音は鮮明であるが,豊かな残響のなかに音の輪郭がやや散漫か.
 それにしても,英語・フランス語の両ヴァージョンのナレーション付きと,音楽のみ(ポップ風にいえばカラオケ)の合計三パターンで収録してあるというのは,アルバムの構成として無粋の極みである.こちとらどうして同じ曲(しかも同じ演奏)を何度も聴かなくてはならないのか?こんなことをするなら,それこそ『ピーターとおおかみ』や『みにくいアヒルの子』を併録するとか,いくらでもやりようがあるだろうに.


Prokofiev: Le Bûcher d'hiver - Winter Bonfire
Orchestre Symphonique et Chœur de la Saison Russe,
Andreï Tchistiakov (conductor),
Vincent Figuri (narrator),
SALAMANDRE,Salamandre 600

K.カラビッツ+ボーンマス響=プロコフィエフ「交響曲第3&7番」

2017-10-02 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.K.カラビッツ指揮+ボーンマス交響楽団による,プロコフィエフ・交響曲第3番&第7番.

 両ナンバーとも,やや遅めのテンポを採り,譜面を細部まで丁寧に再現した演奏.ボーンマス響は,清新な響きの弦セクションを中心に,控えめながらも充実したアンサンブルを繰り出している.カラビッツの曲作りもごくシンプルなもので,プロコフィエフ本来のクールな迫力やコミカルさがまっすぐ伝わってくるが,ディテールにこだわるあまり音楽の流れが滞る場面がところどころに聴かれるのは残念.録音は優秀.


PROKOFIEV SYMPHONIES VOL. I
Bournemouth Symphony Orchestra,
Kirill Karabits (conductor),
ONYX,ONYX4137

T.ソヒエフ+ベルリンドイツ響=プロコフィエフ「交響曲第1&7番」他

2017-09-25 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.T.ソヒエフ指揮+ベルリン・ドイツ交響楽団による,プロコフィエフ・交響曲第1番&第7番ほか.

 どのナンバーも,やや遅めのテンポを採り,譜面を隅々まで丁寧に再現した演奏.ベルリン・ドイツ響は,持ち前の技術の高さと,強奏時にもうるさくならない清新なアンサンブルで,いっそう都会的なプロコフィエフ・サウンドを作り出すことに成功している.とくに,各楽器間のバランスを注意深く制御して,曲の輪郭を際立たせたソヒエフの音作りはすがすがしいばかりだ.いっぽう,テンポ処理に関しては,むやみにインテンポにこだわって音楽の流れが失われる場面が多く,さらには,聴かせたい箇所にさしかかるたびにぐっとテンポを落とす演出もワンパターン.そのくせ作曲者が細かく指定したテンポチェンジは全く無視して素通りしたりと,若い指揮者の思いあがりが曲ほんらいの魅力に水を差した典型的な悪例といえるだろう.また,今どきフィナーレ終結部に華やかなヴァージョンを採用するのは,どういった意図からだろうか(これを聴くたび,プロコフィエフの失望はもちろん少なからぬ悪意を感じる).録音は極めて優秀.


PROKOFIEV: LIEUTENANT KIJÉ SUITE | SYMPHONIES NOS. 1+7
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin,
Tugan Sokhiev (conductor),
Sony Music Entertainment,88985419432

J.ガフィガン+オランダ放送フィル=プロコフィエフ「交響曲第6&7番」

2017-08-01 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.J.ガフィガン指揮+オランダ放送フィルによる,プロコフィエフ・交響曲第6&7番.

 両ナンバーとも,やや速めのテンポを採り,譜面を正確かつ丁寧に再現した演奏.ガフィガン率いるオランダ放送フィルは,澄んだ音色の弦楽器群を中心に,安定かつシンプルなアンサンブル.ただし,第6番に関しては,曲そのもののとりとめなさもあってか,随所でリズム処理がもたついて音楽の流れを悪くしがち.他方の第7番では一転して,そのような傾向も影を潜め,推進力を併せ持った颯爽の曲作りである.録音は優秀.


Sergei Prokofiev: Symphony nos. 6 and 7 (SACD Hybrid)
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra,
James Gaffigan (conductor),
Challenge Classics,CC72714

J.ガフィガン+オランダ放送フィル=プロコフィエフ「交響曲第1&5番」

2017-06-12 | 音楽 - プロコフィエフ
 先日買ったCDを聴いた.J.ガフィガン指揮+オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団による,プロコフィエフ・交響曲第1&5番.

 どちらのナンバーも,少し遅めのテンポを採り,スコアを細部まで丁寧に再現した演奏.ガフィガン率いるオランダ放送フィルは,持ち前の美しい弦セクションの音色を活かしながら,音楽を前後に大きく見通したスマートな曲作りに徹している.録音は低音域をよく捉えて優秀であるが,第5番は音像がやや遠く残響も多め.


Sergei Prokofiev: Symphonies Nos. 1 and 5 (SACD Hybrid)
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra,
James Gaffigan (conductor),
Challenge Classics,CC72732