УРАЧКА!!

雑文・駄文なお気楽日記です。よろしゅーに。

『パプリカ』

2020-12-08 20:00:58 | 映画
土曜日に「パプリカ」見てきました~。
今敏監督没後10年記念公開、って事で。
最初の公開は2006年だそうで。携帯が全盛期だったころかな?




これ「ヤバイ映画」ジャンルの映画らしいんですが、確かにそうだなぁ。
「時計仕掛けのオレンジ」がイギリスで公開された後、この映画を見た若者が映画に触発されて殺人事件を起こし、イギリスで上映禁止になった、っていうのがあったけど、この「パプリカ」もその要素がある映画ですな。
まぁ、別に時計仕掛けのオレンジが悪いんじゃなくて、元々そういう素因がある人がいつか起こすかもしれなかった事件の引き金になってしまったわけであり、ほとんど大多数の人は人殺しよりももっと大きなモノをこの映画から読み取るわけなんだけどね~。
「パプリカ」はその点問題も起こしていないようなんで(笑)そういう危ない人が見なくてよかったねぇ~って感じだな。
しっかし、このイメージをアニメ映画っていう複数の人々のグループの作業で創り出すって難しかっただろうねぇ~。

この映画は、他人の夢に侵入してセラピーを行う「パプリカ」、彼女が使う「DCミニ」が盗まれ、それが悪用されて他人に悪夢を植え付けるっていう事件が起きてしまい・・・って感じです。
これ、かなり面白かったです。
いろんな要素があるんだけど、精神分析学視点が沢山入ってるんだよね。
フロイトとユング視点。
夢の話からすると、パプリカが神経症に陥ってしまった刑事の治療のため彼の夢の中に入る、その彼の見る夢を分析する事で彼の心のトラウマを解消していく、っていう過程のパート、これはフロイトの夢分析の手法を使ってる感じ。
そして、他人に悪夢のイメージを植え付け悪夢のパレードを見せる陰謀パートなところ、これはユングの手法かな?って思いました。
個人の体験とかの夢というよりは、全人類に普遍的に埋もれている「記憶」みたいはところが出てくるところ。
途中でパプリカが逃げるために絵画の中のスフィンクスに化けるシーンがあるんですよね、その絵に描かれていたのはスフィンクスとオディプス。
オディプス、と言えばフロイトの唱えた「エディプス・コンプレックス」の元ネタの人でもあり、そんなところでもムフフとなります。
また、刑事は映画ファンで10代の頃は自分で映画を撮ったりしていた、って事で彼の夢のシーンって映画のパロが多いんだよね~。
全部はわからんけど、ローマの休日のシーンとか、あ、あと悪夢のシーンでエスター・ウィリアムズの水中バレエ映画の有名シーン使ってたりしてました。
あと、途中でイマジナリーラインとかパンショットとかの映画を作る側の用語が出てきたりとかね。
いやぁ、いろいろ深読みが出来て面白い映画でございました。
先日見た「パーフェクトブルー」の時も思ったんだけど、なんか大友克洋氏のマンガっぽいなぁ、と思ったらこの監督、なんと大友氏のアシスタントしていた時代があったそうです、なるほど~。
もしこの監督が現在もまだ存命でしたら今頃どんな映画を作ってるんであろうか?
見てみたかったなぁ・・・
コメント (2)
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