殺意

奥歯になん屯も重力がかかるほどの殺意がありました。

そのときは気づきませんでしたが今しずかに思うと あきらかな殺意がありました。

おそろしい言葉ですが、わたしにはあきらかな殺意が、ありました。

みんなちがってみんないい

そんなことを言っているくせにです。


チャバネを、

執拗に、

ティッシュを持って追いかけ追い詰め

ああ、告白します。


奥歯にかかる重力と連動したわたしの右手は

おそろしい殺意に突き動かされ

ぎりぎりと、

なにもそこまで、と、今になればしーんとした気持ちになるくらいの衝動で

紙越しにぎりぎりと握り潰したうえに駄目押しで
水道水を勢いよく掛けて水責めにしました

チャバネが、
いったい
なにをしたというのか

あれほどまでの殺意が
いったい
どこから湧いてくるのか

おそろしい。


みんなちがってみんないい、
などと、

どの口が言うか。