ビッグベイビーの去就がようやく決着しました。
ピストンズへのサイン&トレードなど、セルティックスを離れていく話が多かったんですが、結局最後には再契約に落ち着きました。
ただ金額的には、2年6mil(年平均3mil)という物足りない内容。
移籍するにしても残留するにしても、ミッドレベル(5.8mil)はいくんじゃないかと思っていたので、これはちょっと意外でした。
実力や市場価値を下回る条件で、うまく丸め込まれた印象です。
ビッグベイビーも、まだ去就の決まらないデビッド・リーやネイト・ロビンソンらと同様に制限付きFAでした。
しようと思えば他のチームがオファーすることも可能なんですが、サラリーキャップを下回るチームが極端に少ない今オフの状況から、ミッドレベル以上のオファーを出せるチームはほとんどなし。
ミッドレベル以下なら、まず間違いなくセルティックスにマッチされてしまうために、手も出せないというジレンマにありました。
一方でセルティックスは、まずラシードを要れ、続いてシェルダン・ウィリアムズとも契約することで、着々とビッグマンを確保していきます。
どこかのチームがミッドレベルでオファーしてくれれば、後で連れ戻されることになっても年6mil弱をゲットできたわけですが、残念ながらそのチームはなく、予想よりも少額のオファーを呑まざるをえない状況になりました。
この辺はセルティックスの粘り勝ちかなという印象です。
ただ、もっとかわいそうなのはポウさんですね。
元々ビッグベイビーよりも先に活躍し、KGの控え一番手となっていたのはポウさんでした。
昨シーズンの後半にビッグベイビーが出てきたのだって、KGとポウさんが両方ケガで欠場していたために、出場機会が回ってきたという状況がありました。
しかし、ビッグベイビーが脚光を浴びる一方で、ポウさんはすっかり忘れられた存在になってしまいました。
ポウさんは結局ヒザの手術を受け、来季はリハビリのため前半戦を欠場することが決まっています。
悪いことに、そんなタイミングでFAとなってしまったことで、いいオファーが全く得られない状況になってしまいました。
こうなってしまうと、“契約はビジネス”という言葉が重くのしかかってきます。
1年前にはあんなにもてはやされていたのに、もはやセルティックスからは契約のオファーすらないんですね・・・・
シーズンの半分を欠場するとわかっている選手に新たな契約をオファーをするよりも、確実に働ける健康体の選手を取った方がいいだろう、というわけです。
つまりそれが、シェルダン・ウィリアムズとの契約(ブログ)になるわけですね。
うーん・・・・残酷です。
でもそれが、NBAの“ビジネス”です。
ただ、「捨てる神あれば、拾う神あり」とはよく言ったもの。
そんなポウさんに救いの手を差しのべたチームがありました。
セルティックスのライバル、キャブスです。
キャブスは、前半戦絶望という事実をわかった上で、ポウさんを招き入れました。
しかしこれは、キャブスにとって非常にいい動きだと思います。
1つには、インサイドを安く補強できたこと。
前回もお話しした通り(ブログ)、ミッドレベルをアウトサイド2人に使ってしまったキャブスは、“インサイド”を“安く”補強する必要がありました。
オカネがないからじゃなくて、もうこれ以上サラリー枠が残ってないからなんですね。
なのでキャブスとしては、最低年俸に近い金額で戦力を取ってくる必要に迫られていました。
今回ポウさんと契約した条件は、その最低年俸での2年契約。
トータルで1.8mil、年俸が1milをも下回るという激安特価です。
いくらケガの影響で価値が下がっているとはいえ、一度はプレーオフで大活躍をした実力のある選手。
再起不能と診断されたのなら別ですが、実績も将来性もある人材をこの金額でゲットできるのはめっけもんです。
キャブスは“いい買い物”をしました。
2つ目のメリットとしては、プレーオフ用の戦力補強です。
キャブスは昨季、レギュラーシーズンでは素晴らしい成績を残したものの、プレーオフでは経験のなさを露呈して敗れました。
ベン・ウォーレスやジョー・スミスといった“プレーオフ用のベテラン”をうまく使いきれず、最後はルブロン頼みに陥って自滅しました。
なのでキャブスにとっては、レギュラーシーズンはある程度勝てる、問題はプレーオフで活躍してくれる人材が足りないことだ、という状態なんですね。
ポウさんの獲得は、そんな“プレーオフ用の補強”を目指しているからこそ。
前半戦出れなくたっていいんです。
後半戦に復帰して、プレーオフで実力を発揮してくれれば十分取った価値がある。
キャブスはそう考えてるんですね。
だからキャブスは、前半戦絶望とわかっていながらも、ポウさんに“年間契約”を与えて“確保”したんですね。
もちろんリスクはあります。
半年分は無駄になるというデメリットもあります。
でもそれが最低年俸ならば、それほど痛くはありません。
それより、来るプレーオフでの見返りの方が大きいだろうという判断ですね。
それに2年契約を結んだことで、残りの1年半は使えるわけですから、健康体のポウさんを1年半最低年俸でキープできるなら、半年間の欠場には目をつぶろうという考えでしょう。
僕はこの考え方に賛成です。
なので“いい買い物”だと言ってるんですね。
ポウさんも、リハビリを終えるまで“所属チームなし”の状態で過ごすよりも、たとえ最低年俸でも、治ったら戻る場所がある方が安心してリハビリに専念できます。
治ってからチームを探すとなると、早く復帰しなきゃと焦ったり、本当に取ってくれるチームがあるのかと不安になったりします。
条件は低くとも、“安心料”として捉えた方がいいだろうという感じでしょうね。
まあ、セルティックスの有能な若手として脚光を浴びたビッグベイビーとポウさんですが、それぞれ別の道を進むことになりました。
本人たちにとってもそうですが、チームにとってもこの選択がどういう結果をもたらすのか注目されます。
特にポウさんが、きっちりケガを治してプレーオフで活躍してくれることを願います。
そして次の契約はいい条件をもらって、長くNBAキャリアを送ってくれたらいいなあと思っています。
貴重な活躍でベンチを支えたビッグベイビーとポウさん
ゴール下で奮闘しました
一緒に優勝の美酒も味わいましたが
今後は別々の道へ・・・・
★ Euro powerhouse - Olympiakos
ちょうど去年の今頃、ユーロ旋風が巻き起こりました。
ヨーロッパの好景気を反映して、NBA選手がザクザク欧州へ渡っていってしまったんですが、覚えてますでしょうか?
こんな感じです。(ブログ/ブログ)
なかでも一番衝撃的だったのが、バリバリのアメリカ人であるジョシュ・チルドレスの移籍でした。
NBAボーダーラインの選手ならまだしも、ロッタリーピックのアメリカ人選手が自ら進んでヨーロッパへ移籍するという出来事が前代未聞だったんですね。
で、そのチルドレスが移ったチームが、ギリシャのオリンピアコスというチームでした。
まあサッカーでもそうなんですが、ギリシャと言えばパナシナイコスとオリンピアコスが2大プロスポーツチームとして有名です。
スペインではバルセロナとレアル・マドリーが、サッカーでもバスケでも強いのと同じようなイメージですね。
昨季のユーロリーグでは揃ってファイナル4に進みました。(優勝はパナシナイコス)
ヨーロッパのベスト4に2つもギリシャのチームが入るんですから、レベル高いっすねえ~
ちなみにその時のメンバーには、チルドレスと同じくNBAから来たジェネロ・パーゴ(今オフ、ブルズに復帰)、ギリシャの英雄セオドロス・パパルーカス、“ベイビー・シャック”ことソフォクリス・スコーツァニティスなど、そうそうたるメンバーがいました。
そのオリンピアコスが、今年も積極的な補強に動いてるんですね。
またもや“NBA選手強奪作戦”ですw
一番話題になったのは“アイバーソン獲り”でした。
不思議なほどNBAチームからいいオファーをもらえず、去就が宙に浮いていたアイバーソンに、「それなら」ということでオリンピアコスがオファーしたんですね。
2年10mil(年平均5mil)と言えば平凡に聞こえるかもしれませんが、ヨーロッパでは最高レベルのオファーですね。
少なくとも、アイバーソンがNBAチームから受けているオファーよりは好条件なものでした。
まあこれは、「取れそうなNBA選手にはとりあえずオファーしてみる」という方針に見えるオリンピアコスにとっては、“挨拶代わり”というか“礼儀”のようなオファーだったんでしょうね。
カワイイ子には声をかけるのが“礼儀”のイタリア人みたいなw
アイバーソン獲りは実現していませんが、現実的なチョイスとして2人のNBAプレイヤーをゲットしました。
ナゲッツのリーナス・クレイザと、ロケッツのボン・ウェイファーです。
クレイザは新人契約3年目を終えた昨オフ、一度契約延長のチャンスがありました。
ナゲッツから4年25mil(年平均6.25mil)というなかなかのオファーがあったんですが、コストカットを図りたいチーム事情からその話はお流れに。
しかし、4年目の昨季は成績が若干落ちたこともあって、今オフはあまりいいオファーを受けることができませんでした。
年2.7milのクオリファイイングオファーの状態から進展せず、NBAでの行き先が不透明になっていました。
そこへ目をつけたのがオリンピアコスだったんですね。
オリンピアコスは、NBAチームからいいオファーをもらえないクレイザに、2年12mil(年平均6mil)という好条件を提示しました。
今オフの状況ではミッドレベルも望めず、もらえても年3mil前後だろうなあという予測の中、破格と言ってもいいオファーでした。
しかもヨーロッパの場合、税金を引かれないNET料金で換算されるため、実際に手に入る金額はNBAのそれをはるかに上回るそうです。
さらにもう1人その恩恵を受けたのが、ウェイファーでした。
ウェイファーは知らない人も多いかと思いますが、T-MACなき後SG不在となったロケッツで、どこからともなく現れて活躍した掘り出し物のプレイヤーです。
2巡目指名でDリーグとNBAを行ったり来たりしていて、ようやく活躍場所を見つけたという感じでした。
ロースターに残れるだけでもよしという立場だったので、当然年俸も安く、昨季はわずかに0.8milでした。
そんなウェイファーに舞い込んだオファーは、なんと2年10mil(年平均5mil)!
いくらオリンピアコスが大盤振る舞いするとは言っても、これはスゴイ。
でもさっきのクレイザも、1巡目下位指名だったので年俸はそれほどでもありませんでした。
なので、年俸の上がり方を見るとわかりやすいですよ。
・クレイザ:1.5mil⇒6mil
・ウェイファー:0.8mil⇒5mil
クレイザが4倍、ウェイファーは6倍に年俸がハネ上がったわけです。
そりゃあ~、ギリシャでもなんでも行きますよね?
NBAからもらえるオファーは、良くてもその半分とか1/3、あるいはもっと低いわけですから。
うーん・・・・ひところに比べればユーロマネーの勢いも落ち着いた感がありましたが、やっぱりまだまだあるとこにはありますね。
この経済不況が長引くようだと、NBAからの人材流失はさらに増えていくかもしれません。
それにしても、クレイザやウェイファーがそんなにもらえるのに、なんでAIへのオファーが同じくらいの金額だったのかな?という疑問は残りましたが・・・・
リトアニア人のクレイザですからヨーロッパは違和感ナシ
炎の男ヤシケビシャスは
ライバルのパナシナイコス
こちらがウェイファー
スリーも打てますし
身体能力もあります
もらえる時にもらっとけよ~ byロンロン
★ Marcus, back to NBA !!
以前も取り上げたんですが(ブログ)、僕の好きなマーカス・ウィリアムズというPGがグリズリーズと契約しました。
1年前のオフにネッツからウォリアーズへとトレードされた時には、「お、ようやく本来のプレーが見れるぞ!」と小躍りしていましたが、首領ネルソンの餌食となりあえなく撃沈。
全くゲームに出してもらえず、ずっとベンチの隅っこに座っている日々。。
戦力構想外なら早めにトレードに出すなりしてくれればよかったんですが、それもナシ。
完全な飼い殺し状態が続いていました。
それだけならまだいいんですが(←いや、ホントは全然よくはないんですけどねw)、さらにサイアクな仕打ちを食らいます。
あろうことか、3/1のカット期限を過ぎた後に解雇されたんですね。
しかも、3/1の期限を過ぎて間もない3/10に、です(!)
3/1の説明についてはこちら(ブログ)を参照していただきたいんですが、要は戦力外にしたいんだったらそれはそれで仕方ないと思うんです。
そのチームに合わなかったということで。
でもそれにもやり方があるっていうか、最低限の礼儀があってしかるべきだと思うんですね。
3/1までにリリースされれば、少なくとも別のチームでプレーオフロースターに入ることができるんです。
なので、プレーオフ用に即戦力の選手が欲しいなあと思っているチームにとっては、とってもニーズがあるんですね。
でも3/1を過ぎてからカットされると、もうプレーオフには出れないんで、他のチームの補強対象からも外れてしまうんですね。
取っても出せないんじゃ意味ないんで。
内側の事情は知りませんが、外から見る分にはアテツケにしか見えませんね。
公開イジメです。
試合に出してもらえないからスタッツも残せず評価はガタ落ち、せめて他のチームに拾ってもらえる可能性が欲しかったのに、それも握りつぶされてしまう。
そして誰も取ってくれない状態に追い込まれた後に、正式解雇・・・・
考えられうる最もサイアクな形でチームを追われました。
そんなわけでNBAチームとは契約できず、仕方なく海外に渡りました。
プエルトリコのリーグでシーズンの半分だけプレーしたそうです。
どこまでのレベルなのかはわからないんですが、短い期間だけだったにもかかわらず、平均15.0点・5.3リバウンド・9.3アシストを記録して、アシスト王とオールスターMVPをもぎ取って帰ってきたそうですw
それからサマーリーグに参加したんですが、そこでも平均13.4点・4.6リバウンド・8.2アシストで、またもアシスト王に。
ホント、出れればヤル男です。
出れれば・・・・ですけどねw
まあ、グリズではコンリーのバックアップになるんでしょうけど、とにかくゲームで魅せてほしいと思います。
そこで評価を上げて、首領をギャフンと言わせてほしいなあと思いますね。
でも放送ないよなあ・・・・グリズのゲーム。。(泣)
不遇だったウォリ時代
でもドラフトでネッツに入った時には
キッドの後継者と呼ばれました
来季はグリズでNBA復帰
早く認められてほしいなあ~
manuさんに質問なのですが、ビックベイビーとポウどちらがmanuさん的に評価が高いですか?
また、その理由などがあれば教えてください。
PS.マーカスさん、今度こそ活躍を
非常に残念です(T_T)
2008年のファイナルの時活躍してたのに…
でも、今年強いチームはイーストからは…
セルティックス、キャブス、マジック
ウエストからは…
スパーズ、マブス、レイカーズだと思います。
サンズに来てほしかったんですが、
活躍してほしいです。
短い期間でアシスト王とオールスターMVPもぎとってくるって
ほんと尋常じゃないですよねー
まりおんさんと同意見で、ボクもサンズに来てほしかったですw
でも、NBAファンとしては、どこでもいいから活躍してくれるのが一番ですねー♪
うーん・・・・難しい質問ですね。
まずどういうコンディションかにもよってきますんで。
ポウさんが評価を下げているのは、やっぱりケガによる影響が一番大きいんですね。
それだけと言ってもいいかもしれません。
学生時代に既にヒザを手術していて、健康上の不安があったからドラフト順位を下げたという経緯があったので、再びヒザを手術したことで「やっぱり」「またか」と評判を下げてしまったんですね。
ただ、質問の主旨はベストな状態で比較するということだと思うんで・・・・
まず2人はタイプが違いますね。
ポウさんはインサイドでデーンとして、ゴツゴツとフィジカルにプレーします。
今では珍しくなった昔気質なスタイルですね。
一方のベイビーは、あのマルっとした体格に似合わず結構機敏で、ポストムーブのバリエーションも豊富です。
NBAに入ってからミドルシュートの精度を上げたところでブレイクした、テクニカルなタイプですね。
ちょっとタイプが違うので、単純に比較ができないんですが、僕はポウさんの方を買っています。
というのは、最近こういうゴール下で身体を張ってプレーするタイプの選手が少なくなってるからですね。
ベイビーも器用でうまいんですが、逆にそういう選手は代わりがいるかなあと思ってしまうんで。
実際ポウさんが欠場するまでは、第2PFがポウさんで、ベイビーは第3PFだったことからも、力的にはポウさんの方が上という評価を受けていたことは確かですね。
でもまあ、今はまた状況が変わっています。
ポウさんも100%ヒザが治って、これまで通りの動きが取り戻せるのかどうかわかりませんし。
それによっては、その回復状況での評価になってきますからね。
なかなか一概には言えないところがありますね。
でもまた健康体に戻って、プレーオフで火花を散らしてくれたらなあと思いますね。
セルティックス対キャブスが楽しみですw
契約途中なら安心ですが、契約最終年だと何の保証もないんですね。
そうするといくら活躍したとしても、すぐに使える人=健康な人が優先されてしまうんですね。
シビアですねえ~、これがビジネスです。。
カリーとかとまとめてサンズ行ってくれてれば、楽しいチームになったんですけどねえ~
一時はNBAから消えちゃうんじゃないかと心配してたんで、とりあえずNBAチームに戻れてホッとしました。
まずグリズで評価を上げて、どっか別のチームにもらわれていって欲しいなあという野望?を抱いています。
クレイザよりも金額の低いアイバーソン・・・って落ちぶれたなぁ。デルフィーノとか元気かなぁ。
そしてマーカス・ウィリアムズ。全く知らないので来期は・・・要チェックや!
驚愕! 鳥肌! でした。
しかもまだ脇見運転してますからねえ・・・・
一心不乱に走ったらどうなるのか。。
人間はどこまで速くなれるのか見たいですねw
ポウさんは、人生も波乱万丈なんですよねえ・・・・頑張って欲しいな。。
デルフィーノはまだNBA来る可能性もあるみたいですけどね。
AIは・・・・ちょっと心配です。。
旧国鉄(笑)