プレーオフが始まる前、「今年はどこが優勝すると思う?」という問いにはこう答えていました。
「サンズ×スパーズの勝者だろうね」
マブズは67勝しましたが、4月は6勝4敗とシーズン終盤にやや失速。
逆にスパーズは、オールスター以降の勝率でリーグトップを走り、しっかり帳尻を合わせてきていました。
というわけで、僕の中ではまず“スパーズ>マブズ”となります。
サンズはマブズには相性がいいんですが、スパーズとは相性が悪い。
なので、もしそのスパーズを2回戦で負かすことができれば、マブズもクリアして優勝できる。
だからこの“スパーズ×サンズ”が事実上の決勝戦になるだろうと思ったわけです。
GAME1は、まさに死闘と呼ぶに相応しいゲームでした。
体と体が激しくぶつかりあう非常にフィジカルな戦いは、これぞプレーオフという感じでした。
「ドカッ!」
「グイッ!」
「血が止まんないよぉ~」
最後の最後にナッシュ流血事件が発生し、それによって勝敗が左右されてしまったことは残念でしたが、それがなければ全くの互角と言って良かったでしょう。
以下、今後のシリーズの行方を占うことになりそうなポイントについて触れたいと思います。
【ポイント① PGマッチアップ】
GAME1が始まってまず驚いたのが、両チームの相手PGに対するマークマンでした。
サンズはパーカーに対してマリオンをつけ、スパーズはナッシュに対してボウエンをマッチアップさせてきたのです。
ゲーム終盤とかどこかでやってくることはあるかなあと思いましたが、シリーズ初戦のゲーム開始ドアタマからやってくるとは驚きでした。
両チームの“本気”を肌で感じた瞬間でした。
結果は、両PGの数字だけ見ると同じ(パーカー32点・8アシスト/ナッシュ31点・8アシスト)に見えますが、実際は明らかに違っていました。
マリオンはパーカーお得意のペネトレイトを出させず、ミドルのジャンプシュートを放つように仕向けていました。
この作戦は実行できたのですが、唯一の誤算は、確率が悪いはずのミドルシュートをパーカーが調子良く決めてしまったことでした。
計算通り事を進めたのだが、思惑通りの結果が得られなかったわけです。
逆にボウエンはナッシュを効果的にマークしました。
しつこいマークで自由にパスアングルを与えず、ハイライトを飾るようなキラーパスを出させませんでした。
やむなくナッシュは自分でシュートを打つ機会を増やしましたが、これはサンズの形ではありません。
マリオンやアマレは1on1タイプではなく、パスをもらってこそ輝きを放つ選手たちです。
なので、ナッシュの得点を増やし、アシストを減らすよう仕向けることは、サンズ全体のオフェンスパワーを半減させることにつながるんですね。
“サンズの攻撃力を抑える方法=ナッシュのパスを封じること”
スパーズの狙いはまさにそこにあるわけなので、今後もボウエンをぶつけてくるでしょう。
逆にサンズは、このままマリオンをぶつけるのは得策ではありません。
PGにマッチアップさせることで、マリオンはリバウンドにいけませんでした(わずか6リバウンド)。
ただでさえ高さで不利な相手に、チームNo.1のリバウンダーを使えなくしてしまっては、自ら弱点を作っているようなものです。
今後はパーカーにはベルをぶつけるのがいいのでは?(ジノビリが出ていない時に限りますが)
いずれにしても、この両チームのPGをどうやってスローダウンさせられるかは、シリーズの行方を大きく左右するでしょう。
【ポイント② ダンカンのマーク】
もう一つのポイントは、ダンカンへのマークの仕方です。
GAME1ではダブルチームをせず、アマレに1対1でマークさせていました。
以前はブロックしか狙っていなかったアマレも、ケガから復帰後は地に足をつけたディフェンスを向上させており、ダンカン相手にもいい仕事をしていました。
しかし、レフェリーの微妙な笛もあってファールトラブルに陥り、オフェンスに力を注ぐことができませんでした。
もし今後もダブルチームをしないという方針でいくのであれば、カート・トーマスを先発で使い、ダンカンをマークさせるのがベストだと思います。
そうすればアマレとマリオンをリバウンド要員にすることができ、無駄なファールがかさむのも避けることができます。
もちろんトーマスのディフェンス力はある程度期待できますが、それよりジェームズ・ジョーンズを先発させている効果があまり見えないので、だったらダンカンへのファール要員を出しておいた方がいいだろうというわけです。
【ポイント③ アマレとマリオンのオフェンス】
これは①に付随してきますが、ナッシュを封じるということが、イコール、アマレとマリオンの威力を半減させることにつながっています。
GAME1では、アマレがミドルシュートを打っている場面が目立ち、マリオンにいたってはあまり攻撃に絡ませてもらっていませんでした。
スパーズのディフェンスは、“NOレイアップ/NOダンク”のポリシーを見事に実践していました。
サンズがいつもの爆発的な攻撃力を発揮するには、ナッシュのパスからマリオンやアマレがダンク/レイアップという場面をいかに作り出すかということが重要になってきます。
ダンクやレイアップが大事というよりも、それが出るということは、スパーズのディフェンス網を崩しているという証拠になるからです。
・・・・と真面目モード全開でお送りしてきましたので、ちょっと最後にお遊びを。
どうしても気になってしまう裏注目ポイントを少々。
≪裏ポイント① ダントーニの動き≫
このちょびヒゲのおっちゃんの動きはおもしろい。
特に不服な判定に抗議する時のジタバタする動きは必見!
ベンチ前の狭いスペースの中で、これ以上は動けねえだろうと思うぐらい動き回ってジタバタしています。
その動きの速さは、チャップリンの映画を見てるようです。
ちょびヒゲだし、動きもコマ送りっぽいし・・・・
≪裏ポイント② バルボサのフリースロー≫
いつもかわいいロードランナーことバルボサ君ですが、フリースローを打つときはもっとかわいいんです。
あの両手打ちだけでも十分かわいいんですが、打つ瞬間に毎回口が“ぶちゅ~”と梅干みたいな感じになるんです。
かわいいですよぉ~
だんだんモンチッチにも見えてきました。。