…もちろん彼女の回復のエピソードを一般化したいわけではないのですが、皆さんに注目してほしい点は、武藤さんの回復と、「摂食障害の患者」というタグが外れていく過程が並行していることです…
…(ご主人が武藤さんの)お腹をつまんで「ぽにょぽにょちゃん」とからかうとか、彼女が吐いている時に後ろから覗き込んで「大丈夫?」と声をかけるといったように、専門家がタブーとするようなことを平気でやる人であったのです。ここで面白いのはこんな守さんのイレギュラーな対応を、けしからんと怒るのでも、正しい対応を教えようとするのでもなく、「面白い」と武藤さんが思った点です…
…その結果、「患者」と「ケアする人」という関係性から離れた道をさゆりさんは歩き出します。