お待たせしました。2月26日、いよいよ2013年、北岳山麓合唱団の活動開始です。
第一回目の参加者は、(テナー)佐々木さん、(セカンドテナー)西ヶ谷さん、(バリトン)山本さん、(ベース)柴田さん、崔さん、新しく参加された張さん、そして私さんの7人です。
今年初めての練習曲は、韓国の男性デュオ、「パニック(패닉)」の1995年のヒット曲、かたつむり(달팽이)。パニックのデビューアルバム「PANIC」に収録された曲で、18年が過ぎた今でもカラオケでよく歌われます。
パニックがデビューした1995年はディスコ風ダンスミュージックで一世を風靡した、キム ゴンモ(김건모)の全盛期。音楽も韓国経済もイケイケ。キム ゴンモの3番目のアルバム「間違った出会い(
)」は実に330万枚のセールスを記録しました。(日本と同じ人口なら、800万枚です!)そのような雰囲気の中で、ダンスポップのアイドル歌手として、売り出す予定だったとのことですが、ロック調のデビュー曲「誰も(아무도)」は商業的に失敗。ところが、デビューアルバムに収録されていた、バラード調の「かたつむり」がラジオで紹介されると、リクエストがリクエストを呼んで、これが大ヒット。最終的には彼らの代表曲となりました。何はともあれ、まずはオリジナルで聞いてみましょう。
デビューアルバム「PANIC」のアルバムジャケット
駐在員の皆様。(およそ似つかわない、KARAなんか、歌ってないで)ぜひ、この曲をカラオケで韓国人スタップに披露してみてください。彼らの心の琴線に触れて、若い韓国人スタップとの距離がぐっと縮まること、うけあいですよ!
最後に「かたつむり」の歌詞を和訳しておきます。
韓国経済はその後、頂点に向かい、やがて97年の通貨危機を迎えるのですが、この詩に込められた、「信じていた、何か大切なものに裏切られた、心の喪失感」が当時の若者の心を捉えたのだと思います。当時の若者も今は会社を動かす中堅どころ。カラオケでは、喪失感をこめて、しっとり歌ってくださいね。
「かたつむり」 作詞作曲:イ ジョク
家に向かう道は、ときに長すぎて、僕はへとへとになったりして
ドアをあけた途端に眠りこけて、ふと気づいたら、まわりには誰もいない。
狭いお風呂に身を横たえたら、一匹の小さなかたつむりが
僕のほうにやって来て、ちいさな声でささやいた。
いつの日か、ずっと後で、あの広く、けわしい
この世の果ての、海に行くってさ。
誰も見ることはできなかったけど、記憶の中のどこかで
聞こえる、波の音を追って、
僕はずっと行くんだ。
みんながクルマでどこかに走り去っていく道。僕は街角で
タバコ一本と、したたるアイスクリームを持って道に立った。
高く登った太陽が僕をつき刺し、小さなかたつむり一匹が
いつしか近くに寄ってきて、僕におじぎして、歌を口ずさんだ。
僕のすべてをささげたけれど、今やすべては、青い煙のように
ばらばらに散らばり、
僕に残っている、小さな力を振りしぼり、最後の夢の中で
すべてを忘れさせて、すべてを忘れさせてくれる、海に向かうのさ。