
2016.7.7 発行
「在宅で仕事をしたい」との思いから
「母乳と育児相談の助産院」を開業
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今の 住岡 まどか からのご挨拶
このコラム執筆後
JR芦屋駅前相談所を設立
現在 年間1,500人のおっぱいケアに当たっています。
3年前に産後ケアができる3か所目のANNEXを設立し
芦屋市の産後ケアとして、宿泊も受け入れています。
開業当初から市の乳児健診、育児相談事業に
保健師としても従事し
今年は長女と共に防災士を取得!
救命救急インストラクターも習得し
さらに、大手前大学臨床教授を拝命!
忙しく、楽しく、充実の毎日を送っています。
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兵庫県芦屋市で助産院「住岡母乳と育児相談所」
を開業しております、住岡まどかと申します。
【助産学生時代の運命的出会】
平成12年に看護大学を卒業した私は
「助産師になりたい!」という強い気持ちで
京都大学医療技術短期大学部助産学専攻科に進学しました。
なんとそこに
渡部信子先生がお見えになったではありませんか!
既に京大病院を退職し
健美サロン渡部を開業されていた渡部先生は
当時の教授と助産学生時代の同級生だったとのことで
そのよしみで非常勤講師として、講義に来られていたのです。
「妊産婦の腰痛の原因は骨盤にある」とか
「骨盤のゆがみが遷延分娩の原因になる」とか
これまでに学んだことのないお話を聞き
操体法や骨盤輪支持の実習をし
トコちゃんベルトを着けて体がふわっと軽くなった感激は
今も忘れられません。
この講義がきっかけで、私のクラスメイトが1人
卒後すぐに渡部先生のサロンに就職しました。
クラスメイトがいるご縁で、私もサロンへ
施術を受けに通っていました。
そのとき信子先生がトコちゃんベルトの
試作品をくださったのです。
その後ずっとこのトコちゃんベルトがそばにあり
身近な存在となりました。
【総合病院での勤務時代】
平成13年、助産師になった私は
「助産師の花形は分娩介助!」と思っていました。
憧れの助産師としてスタートを切ったのですから
分娩介助の技術を磨くべく闘志に燃えていました。
勤務していた当時の大阪の北野病院は
分娩が終わり第一歩行の前に必ずさらし
またはトコちゃんベルトを骨盤に巻いていました。
「第一歩行の前に何も着けないで、骨盤を支えず
産婦様を歩かせたら、先輩にどれだけ大目玉をくらうか(c_c)」
というくらい大切なケアでした。
新人助産師でも、妊婦時代に巻くさらし、産後に巻くさらしと
いろんなバリエーションで巻くことを教わりました。
そのおかげか、産後に骨盤ぐらぐらという方は少なく
比較的スムーズのようでした。
一方では、北野病院は母乳育児が熱心でした。
たかだか入院している数日の間に
母乳育児が確立して退院できる人ばかりではありません。
「このお母さん、退院したらこの後どうなるのだろう?」
「誰か地域で看られる助産師がいたらいいのに…」
と、思っていました。
【自分の結婚、妊娠、出産経験】
助産師5年目の時に結婚。入籍してすぐに自然妊娠し
2年3か月あいて第2子も授かりました。
2回とも産後にトコちゃんベルトを巻いただけで
妊娠も出産も産後も…
ここでトラブルがあればコラム的にはおもしろいのですが…(*^_^*)
順調な経過で、2人の育児に奔走していました。
【開業のきっかけ】
平成23年、長男が小学校1年生のときのこと
当時は個人開業の産婦人科医院に勤務していて
娘も保育園に送らねばなりません。
息子を早朝からひとりぼっちで家の外にだし
学童保育に向かわせていました。
「お母さんが家にいてくれたらいいなぁ~」
との息子の一言で、私は「在宅で仕事をしたい」
と思うようになりました。
しかし、お産の花形の分娩(←思い込み)から離れるのは
淋しく、決断しきれなかった時に思い出したのが
北野病院勤務時代に思い描いていた
「お母さん達が地域に帰ったときの“受け皿”」でした。
勇気をふるって「“受け皿”になろう!」
と決心すると同時に心はワクワク。
その夏「住岡母乳と育児相談所」という助産院を開業しました。
【開業はしたものの】
開業はしたものの、そんなに簡単に
母乳育児に悩むお母さん達は来てくださいませんでした。
そこでまず、保健師として芦屋保健センターに出向き
乳児健診の手伝いをしました。
その場を借りる形で、芦屋の保健師さん達に
“住岡という助産師” を知ってもらい
「もしも地域でお困りのママがいらっしゃったら
ご紹介いただきたい」とお願いすることから始めました。
少しずつ母乳でお困りのママがベビーちゃんを連れて
来られるようになり、母乳不足や乳腺炎などへのケア
おいしいお乳が作られるようにと食事指導も始め
育児相談などもするようになりました。
産後のお母さん達の来院が定着してくると
今度は「妊娠中から指導ができたらいいのに…」
と思うようになってきました。
そして「妊婦のことをもっと深く学んでもらいたい」
「快適な妊婦生活を送ってもらうには
どうしたらいいのだろうか?」
と考えるようになったそのとき
目に飛び込んで来たのが信子先生からいただいた
トコちゃんベルトでした。
「ただ何となく着けられる」ではあかん!
自信をもって妊婦さんに
「トコちゃんベルトの指導できます!」
と言える助産師になろうと決意しました。
【妊娠中から産後までの継続ケアが実現】
平成24年、トコちゃんベルトアドバイザー
(トコ・カイロプラクティック学院ケア師3級)を取得。
トコちゃんベルトを採寸から指導できることを
(有)青葉のホームページに載せていただけるようになりました。
そこからのアクセスで月に数人ずつ来院されるようになり
妊娠中の指導から産後の乳房ケアまで
通ってくださるお母さんが現れるようになりました。
「妊婦時代から産後ママになっても」という
私がやりたかった継続ケアが、実現した瞬間でした。
妊娠時代から関わっていると
「どんな赤ちゃんが生まれて来るのか?」
「どんなふうに育つのか?」に興味が湧いてきます。
「このまま妊娠期が順調にすすみ
分娩もスムーズに進行してほしい」
そして「生まれて来る赤ちゃんをまんまるく育てたい」
「すやすやとよく眠り、よく飲み
機嫌のよい赤ちゃんにしたい」
と、さらに助産師魂に火がつきます。
【トコちゃんの骨盤ケア教室 を開催】
開業して今年で5年になります。この5年の間に
トコちゃんベルトアドバイザーも更新もしました。
母乳の分泌と母体の整体が関連していることにも気づき
基本整体の第1、第2課程も修了しました。
子宮も乳房も体の一部ですから、
体について学べば学ぶほど、奥が深いと感じます。
また、トコ企画のセミナーにも、積極的に参加しています。
そんな時、(有)青葉から
「トコちゃんの骨盤ケア教室 を芦屋で開催しないか」
というお話をいただきました。
今まで行っていた助産院オリジナルの
プライベートレッスンではなく
より多くの妊婦さんに来ていただいて
妊娠期を楽に過ごせる講義や体操を取り入れた
内容の濃い“教室”を、今年の2月から始めています。
またトコちゃんの骨盤ケア教室も内容をさらに充実させ、
来ていただいた皆さまに
より満足していただけるよう精進していきたいです。
【「一人ずつに丁寧なケア」をモットーに】
今では乳房ケアのお母さんだけでも
月に延べ100人を越すほど忙しくなってきました。
「一人ずつに丁寧なケア」をモットーに
ママと赤ちゃん両方が楽しく
快適に過ごせることを目指しています。
それには、健康であり、何か一つでも不自由や
ストレスがあるとかないません。
息抜き教室と題して、ママとベビーちゃんが
助産院で過ごせるお楽しみ教室も月に2度ほど開催しています。
その他、離乳食教室、お菓子作り教室、スリング教室
歯科医師の夫を巻きこんでの歯磨き教室なども盛況です。
中でもベビータッチケアと称して
赤ちゃんの体作りを目的とした
ベビーマッサージは人気で、毎回にぎやかです。
口すっぱくなるほど、まるまる抱っこを徹底し
寝かせ方から寝返りや定頸を促す腹ばい遊びや
赤ちゃんへの刺激の仕方
おもちゃの与え方などお話し実践します。
保健センターの健診事業のお手伝いも継続し
「地域の助産師、住岡さん」とママに
広く認識してもらえるよう頑張っています。
【3人目をの出産を支えてくれたのは】
この5年間で私の人生に大きな変化がありました。
37歳になって「もう1人赤ちゃんがいたら素敵だな~」
と妊活に取り組みました。
自営業ですから、休業したら収入が途絶えます。
いえ、間違えました。
何よりも、私を頼りにして来て下さるお母さん達に
ご不便をおかけするわけにいきません。
妊娠中の私の体を支えてくれたのは、トコちゃんベルトでした。
トコちゃんベルトにアンダー腹巻は最強コンビです。
その有用性を私の体で証明しました。
つわりもなく、切迫流早産になることもなく
血圧も上がることもなく
ふんわりとしたお腹で、快適そのものの毎日。
お陰で、分娩当日まで仕事を続けられました。
生まれて来たベビーは、助産院の看板娘となり
向き癖もなくまんまるの頭で
3か月の終わりには寝返りも1人でできるようになりました。
母乳をよく飲み、すくすくと育ち
私の仕事中にはよく眠り、起きているときには機嫌
よく遊ぶその姿は
常連さんの赤ちゃん達の良きモデルとなり
「育てやすい子だな~」と実感しています。
育児を楽にするには
骨盤ケアがいかに大切かを、親子で実証しました。
【助産院のこれから】
6年目のスタートを切るこの夏
個人ケアで来院される方も
トコちゃんの骨盤ケア教室に参加される方も
ますます多くなってきました。
だからからこそ、また初心に帰り
「丁寧なケア、密なかかわり」を大切にし
教室内容をさらに充実させ
来ていただいた皆さまにより満足していただけるよう
精進し続けたいと思っています。
看板娘も近々保育園にデビューします。
3人の母として、育児も手を抜くことなく
1人ひとりの子どもに寄り添っていきたいと思います。
それが、働くママ・助産師として
地域への還元につながるものと確信しています。
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