スウェーデンの糖尿病患者レジストリーに基づいた検討から、T1DM患者においてLDLコレステロール(LDL-C)は、心血管疾患(CVD)のリスク指標として必ずしも適していない可能性が示された。T1DM患者では、LDL-C値とCVDイベント発生との間に有意な関連は見られず、総コレステロールとHDLコレステロールの比(TC/HDL-C)の方が良好な結果だった。スウェーデン・Institute of MedicineのChristel Hero氏らが発表した。

 Hero氏らは同国で行われている糖尿病患者レジストリー(T1DM患者の登録率95%以上)と入退院記録、死亡記録を国民の個人識別番号で関連付け、T1DM患者のCVDとLDL-Cなどとの関連を検討した。CVDは致死的・非致死的な急性心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血行再建術、脳卒中、末梢血管疾患の発生とした。

 対象は、追跡開始時(03~06年)に18~79歳だった全てのT1DM患者(3万778人)。年齢46歳、罹病期間20年、HbA1c8%、LDL-C104mg/dL、脂質異常治療薬を26.5%が服用していた。

 平均7年の追跡中に、脂質異常症治療薬非服用群(2万2292人)では患者1000人・年当たり13.8件(以下同様)、40歳以上で1つ以上のCVDリスクを持つ群(9324人)では32.4件、脂質異常症治療薬服用群(8172人)では51.7件、CVD既往群(全て脂質異常症治療薬を服用、1973人)では169.1件のCVDイベントが観察された。

 脂質異常症治療薬非服用群において、LDL-Cの1mmol/L(38.7mg/dL)の上昇に伴うCVD発生のハザード比(HR)は1.08(95%信頼区間[95%CI]1.01-1.11、P=0.02)と有意な関連を認めた。だがLDL-Cで八分位し、第4八分位(96~104mg/dL)を基準とした解析では有意な関連にはならなかった。これは40歳以上で1つ以上のCVDリスクを持つ群でも同様だった。脂質異常症治療薬服用群では、LDL-Cの上昇に伴う解析、八分位による解析の両方で有意な関連を認めなかった。

 一方、脂質異常症治療薬非服用群におけるTC/HDL-C比は、1単位上昇に伴うHRが1.08(95%CI 1.03-1.14、P<0.001)となり、八分位した解析でも直線的で有意な関連が見られた。40歳以上で1つ以上のCVDリスクを持つ群でも同様だった。

 Hero氏は「T1DMでは、LDL-CはCVDのリスク評価指標としてはあまり優れていなかった。またADAが推奨しているLDL-Cで100mg/dL未満という治療目標の妥当性も、今回の結果からは示されなかった。T1DM患者のCVD1次予防に関しては、LDL-CよりもTC/HDL-C比の方が優れている可能性がある」とまとめた。

 

 

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素人考えでは、1型DM患者は、必ず、定期的な通院をしているので、致命的な心疾患にまで陥らなかったとか!?

  σ(*_*;

一般的な糖尿病も含めて生活習慣病って一括りにされているけど、元来、体質なんですよねー。

私の友人にも、エアロするし、富士登山するし、ホノルルマラソンも完走するし・・の女性ですが、コレステロール値が高く、痩せているのに中性脂肪が多い人がいます。

以前、マラソンもこなすアスリートのお仲間さんですらLDL-C改善薬を服用されているって伺いましたし、生活習慣より体質なんですよ。

 

でも、運動習慣が無かったら、もっと、悪い数値になっていたかもしれませんね。

「一病息災」って誰かが言っていたけど、1型DM患者の場合の結果は、定期的な受診と健康管理意識による裏返しの結果なのかもしれませんね。

あ、ちなみに、インスリンユーザーはHDL-Cが高くなりますから。

その理由はホルモンだった気がするけど、ちょっと、うろ覚えです。すまんデスっ。(-_-;

 

コレステロール値、正常域ですか?