年度末のタフな一週間を終え、北海道は積丹半島の付け根にある
余市町の辛いウィスキーを飲みたいと、青山にあるニッカ・ブレ
ンダーズバーへ。
いつもより遅い時間になってしまったので、2~3杯で引き上げ
ようと「とりあえずの一杯」をパスしようと思っていたのだが、
店に入るとカスクのリストがニートでぐいぐいやっている隣の女
性3人組のところにあったので、お邪魔をしてはと作戦変更。
いつもなら決して頼まないブレンダーズ・ウィスキーを試してみ
ようと、No.4を頼んでみたらこれが想像を上回る内容でびっ
くり。さすがプロのブレンダーは違うなあ(当たり前)と感動しま
した。
たまたま隣になった御仁やバーテンダーさんとおしゃべりしなが
ら次は何にしようか思いあぐねていると、最近出たんですよと
珍しいボトルを持ってきてくれました。
コフィー式(ニッカの表記ではカフェ式)連続蒸溜器で作られた
宮城峡シングルカスク。樽はホッグズヘッドだそうです。
ニッカ社の宮城峡蒸溜所モルトというのは、サントリー社におけ
る白州蒸溜所のようなポジションで、強烈な個性を売りにすると
いうよりは、マイルドで飲みやすいものが多いのですが、これは
蒸溜方法が違って個性豊かというので頼んでみました。
すると、ホッグズヘッドのバーボン香をモルトの麦風味が包んで
なめらかに流れるのですが、一瞬シェリー仕込みかと思うような
香り豊かな甘みがよぎります。
あれ?と思って二口、三口と進めると、シェリーではなく麦の甘
みと香ばしさなのだと分かって、麦芽のもつ芯の強さとでも言う
のでしょうか、ウィスキーはやはり麦だと言わんばかりのしっか
りした味に魅了されました。
テイストは、香ばしさから麦の味、バーボン香、バニラ香と続き
アルコール辛い(だって62度!)長いサスティーンが軽やかに続
く、いわゆる「シングルモルト」や「ブレンデッド」の印象を裏
切る「カスクの味」。
カラフルで鮮烈な印象を残す一杯は、一足早く夜桜見物をしたよ
うな楽しい気分になりました。
ところで、辛い余市モルトは?
すっかり忘れておりました(笑)
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