歯科界は日進月歩...

名取市のライフタウン歯科クリニック 院長のひとりごと。。。

訪問診療の限界…

2011-11-08 23:18:22 | お仕事
限界を垣間見た一日でした。

施設訪問診療をはじめて何年たっただろうか。

軽く10年以上。


ここのところ立て続けにへこむ出来事が…

まずは利用者(患者さん)、家族、施設スタッフそしてこちらサイドの考えの違い。

本人は治して欲しいという、でも家族は施設にとある”同意”を得られればOKという。

でもそれは施設側には困難な要求。

こちらとしては治療をしたいが家族(キーパーソン)の同意を得られなければ無理。

毎回利用者さんに入れ歯はいつ作るの?と聞かれ心が痛む。



次に意思の疎通の難しさ。

こちらサイドとしてはきちんとお話しして、納得してもらった上での治療。

と思っていたが、患者さんはものすごくご立腹。

クラスプ付け替えで、前のクラスプを外したのが気に入らなかった模様。

怒ってしまい、ベッドから出てこない。

新しいクラスプつけると快適になるのに…

正直言って時には意思の疎通のできない患者さんに一方的に治療する時も。

でも話をできる方にはきちんとお話ししながら治療しているつもりだった。

ショック。。。

来週は顔見せてくれるかなぁ…



でもうれしい出来事も。

施設での治療は厳しい内容の患者さん。

家族に当クリニックに来ていただけるようにお願いしておりました。

それがやっと実現。

左上4-6ブリッジの歯髄炎。

歯科用ユニットのない施設では上顎臼歯部の根管治療は限界を超えている。

昨日介護タクシーで来院され、即抜即根充→レジン充填。

本日状態を聞くと痛みもなくなり、食事も普通にできたとのこと。

久々笑顔を見ることができました。

よかった~



訪問診療にはいろいろな制約=限界が…

テクニック的限界

設備的限界

マンパワー的限界

これはこちらサイドでなんとかできること。


しかし、

施設の協力体制。

患者さんの全身状態。

家族の協力度(治療への同意)。

そして金銭的問題。

などなど…

これらはこちらサイドではどうしようもありません。



訪問診療には様々な制約が…

でもこれを一つ一つ乗り越えていかないと。


まずは来週、患者さんの心を開くところからはじめないと。

トーク炸裂どころか、かなり切ない訪問診療でした。