象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

フェルマーの最終決着”その4”(追記)〜ラメからクンマーへ、フェルマーの大定理への険しすぎる血流と

2021年07月14日 05時56分13秒 | 数学のお話

 前回「その3」では、フェルマーの大定理の証明の基礎を築いたソフィー・ジェルマンの生涯と華麗なる定理について述べました。
 そこで今日は、そのジェルマンの定理を受け継いだラメとコーシーの大騒動クンマーの奮闘について述べます。
 フェルマーの最終定理と言えば、見た目は簡単な整数論の様に見えますが、お陰で多くのアマ数学者もこの難題に挑みました。
 しかしこの整数論の根底には、類体論やイデアルなどの高度で難解な技法が横たわってました。お陰で多くの数学者が、その分厚い壁に弾き返されたんですね。
 今回も5千字を超えますが、悪しからずです。

 1847年3月1日、FLT(7)を証明したラメ(仏)は、パリ学士院の集会で”とうとうフェルマーの大定理を証明した”と興奮した面持ちで語った。
 この証明には、xᵖ+yᵖ=(x+y)(x+ζy)・・・(x+ζᵖ⁻¹y)という因数分解(一意性)を基本アイデアとした。但し、ζは1の原始p乗根(p乗して初めて1になる複素数の解)で、ζ=cos(2π/p)+isin(2π/p)=e^(2πi/p)と書く事が出来る(ド・モアブル)。
 ラメは、このp次円分体Q[ζ](有理数Qにζを添加した体)上での因数分解をリュービル(仏)との対話から思いつき、栄誉を分け合いたいと熱狂した。
 しかしリュービルは、”一流の数学者(ラグランジュ、ガウス、ヤコビら)ならそんな因数分解は思いつくものだ。それに複素数での素因数分解の一意性を用いてるが、その根拠が不明だ”として、ラメの証明を拒絶した。
 最後に講演に立ったのはコーシー(仏)だったが、彼は”数ヶ月前にその因数分解を思いついてたが、忙しくてFLTの証明に取り掛かるのが遅れた”と、言い訳がましく主張した。


ラメvsコーシーの大論争とクンマーの偉業

 それからが大論争の始まりである。
 ラメはリュービルの指摘を認めたが、明確に解決できるものと踏んでいた。
 一方コーシーは、この問題について一連の論文を発表する。
 息詰まる鍔迫り合いが展開する中、5/22にリュービルはクンマー(独)からの手紙を受け取り、事態は一転する。
 リュービルはディリクレ(独)と仲が良かった。一方、エルンスト・クンマー(1810-1893)はディリクレの弟子で親友でもあった。故に、ディリクレからパリの喧騒を聞いたクンマーは、リュービルへ手紙を書いたのだ。
 事実、ドイツの整数論に通じてたクンマーは、既にFLTの研究に関して大きな成果を挙げていた。
 手紙の内容は、”自らが発見した理想数(イデアル)という概念を使えば、素因数分解の一意性に関するリューヴィルの指摘は正しい”というものだった。その上、”自分はフェルマーの大定理を2つの条件に還元する事が出来た。後は2つの条件を全ての素数が満足するかをチェックするだけだ”とも語った。
 詳しく言えば、xⁿ=1の根から構成される複素理論で、素因数分解の一意性という本質的命題は、a₀+a₁x+・・・+aₙ₋₁xⁿ⁻¹の形の複素数を使ってる限り、一般には起こらない。しかしクンマーの理想複素数を使えば、一意性を解決できると。
 彼が1844年に発表したこの画期的偉業は、ベルリンアカデミー(1846年3月)に紀要され、そして、xⁿ+yⁿ=zⁿの不可能性(FLT)を素数nの2つの性質を関連付ける所まで成功してた。

 この手紙はリューヴィルの雑誌に搭載された(1847)が、流石のラメも完全に黙り込んだ。そしてコーシーもしばらくは抵抗したが、夏の終わりには沈黙した。
 そこでラメの因数分解の矛盾を正してみよう。


ラメの矛盾した証明

 ラメは1のp乗根ζを使った(前述の)p次円分体Q[ζ]で証明を試みたが、ここは簡単の為に、ζを1の3乗根(≠1)とする。
 ζはx²+x+1=0の根より、ζ=((−1±3i)/2)。
 この時、x³+y³=(x+y)(x+ζy)(x+ζ²y)ー①が成立。これは、x³+y³=(x+y)(x²−xy+y²)で−ζ,−ζ²がx²−x+1=0の解だからである。
 いま、x³+y³=z³ー②に整数解x,y,z(≠0)が存在したと仮定すれば、①により(x+y)(x+ζy)(x+ζ²y)=z³ー③が成立する。
 つまり、Z[ζ]という(後に述べる)”整数環”の世界で因数分解が得られた事になる。
 そこで、③の左辺の3つの因数がZ[ζ]で互いに素(公約因数を持たない)と仮定すると、積は立方数だからそれぞれの因数も立方数になる。故に、x+y=3乗数、x+ζy=3乗数、x+ζ²y=3乗数ー④となる。
 これより、ラメは②式の整数解を作り出し、”無限降下法”により、仮定の矛盾(整数解にはなり得ない)を示し、フェルマーの大定理の証明とした。

 しかし、この証明には少なくとも2つの欠陥がある。
 1つ目は、積が立方数として各々が立方数である事が結論づけるのか?これは”素因数分解の一意性の問題”でもある。
 2つ目は、一意性がたとえ言えたとしても、④の様に書けないし、”単数”(1の約数)の問題が大きく絡んでくる。
 例えば、整数Zの世界では単数は±1だけで有るが、Z[i]ではx+iy=ε(u+iv)²と表せ、ε(単数)=±1,±iとなる。しかし、Z[√2]では(1+√2)(−1+√2)=1で、(1+√2)は単数となる。故に(√2+1)ⁿ(√2−1)ⁿ=1で、(√2±1)ⁿは全て単数となり、Z[√2]には無数に単数が存在する(ディリクレ、1846)。
 この様に、ZとZ[i]とZ[√2]とでは大きく単数の構造が異なる。よって、互いに素なα,βに対し、αβ=p乗数ならば、α=ε₁×(p乗数),β=ε₂×(p乗数)が結論できるか?という大問題が発生する。 

 以上の様に、ラメやコーシーの証明は成功しなかったが、整数論から代数的整数論へ発展する際に解決すべき問題を洗いざらしぶち巻けたという点では、大きな役割を果たしたとも言える。
 それに、後述のクンマーがすんなりとこれら難関を解決した訳でもない。
 クンマーは理想数(イデアル)の概念(同値関係)を導入する事で難関を突破した。しかし実際には、素元分解の一意性を仮定しても、単数に関する深い考察なくしては、フェルマーの大定理の第一の場合しか解決出来ない。
 また理想数だけでなく、”類数”(因子類群の位数)の概念と類数公式など、乗り越える難関は山ほどあったのだ。


クンマーの金字塔(その1)

 クンマーは、上述した様に、リューヴィル宛に手紙を書き、素元分解の一位性の正当性と、(自ら発見した)理想数を使えばフェルマーの大定理を2つの条件に還元でき、全ての素数で満足するかを調べるだけだと語った。
 クンマーはラメと同じく、因数分解から始めた。素数pに対し、ζを1のp乗根(≠1)とすると、ζ=cos(2π/p)+isin(2π/p)と出来る(ドモアブルの公式)。
 次に、ζのべき乗と整数Zで表せる数の世界をZ[ζ]とする。つまり、x₀ζ+x₁ζ+x₂ζ²+・・・+xₚ₋₁ζᵖ⁻¹(x₀,x₁,・・・,xₚ₋₁:整数)という形の数の集合(=環)がZ[ζ]である。
 因みに、Z[ζ]の元は”p次円分整数”と呼ばれ、ラメが用いた”p次円分体”Q[ζ](x₀,・・・,xₚ₋₁:有理数)とは区別する。
 Z[ζ]は環を、Q[ζ]は体をなし、環は3演算(加・減・乗)で体は四則で閉じるから、Z[ζ]はQ[ζ]の”極大整環”と呼び、Z[ζ]⊃Q[ζ]となる。

 まず、ζʲ(j=0,1,2,...,p−1)が1のp条根より、xᵖ−1=(x−1)(x−ζ)・・・(x−ζᵖ⁻¹)となる。故に、xᵖ+1=(x+1)(x+ζ)・・・(x+ζᵖ⁻¹)。
 そこで、xᵖ+yᵖ=(x+y)(x+ζy)・・・(x+ζᵖ⁻¹y)となるが、これがzᵖに正しいと仮定すれば、(x+y)(x+ζy)・・・(x+ζᵖ⁻¹y)=zᵖー⑤
 これは、フェルマー方程式xᵖ+yᵖ=zᵖが整数解x,y,z(≠0)を持つと仮定し、左辺を因数分解し、⑤を得た。故に、⑤の左辺の各因数がZ[ζ]の世界で互いに素であるかを2つの場合(pで割り切れるか否か)に分け、両方とも矛盾を示すのがクンマーの目的である。


クンマーの金字塔(その2)

 そこで、前回「その3」で述べた「ジェルマンの定理」と同様に、まず1stケースの”x,y,zの何れもpで割り切れない”(xyz≢0(modp))。
 それに、2ndケースの”x,y,zの何れかがpで割り切れる”(z≡0(modp))を考える。
 最初に、1stケースの”pで割り切れない”時、Z[ζ]の世界で素因数分解の一意性が成立すると仮定する。つまり、Z[ζ]で互いに素な数の積がp乗数なら、それぞれの数が単数εの違いを除きp乗数であると仮定する。
 すると⑤より、例えばx+ζy=p乗数とすると、x+ζy=εαᵖ、αはZ[ζ]の元ー⑥と書ける。そこで、⑥式で両辺の複素共役数(x±yi)を考え、z=x+yi,z’=x−yiとする(微分記号でない事に注意)。
 ζの複素共役数はその明示式(ζ=cos(2π/p)+isin(2π/p)=e^(2πi/p))よりζ’=ζ⁻¹だから、x+ζ⁻¹y=ε’α’ᵖー⑦と書ける。
 ここで、ε/ε’は1のp条根(∵ε=h(ζ)ならε’=h(ζ⁻¹))よりε/ε’=ζʲ,(0≤j≤p-1)が、また、α=a₀ζ+a₁ζ+a₂ζ²+・・・+aₚ₋₁ζᵖ⁻¹とおけば、α’ᵖ≡αᵖ(modp)が成り立つ。
 これらを使い、⑥⑦式から、x+ζ⁻¹y=ε’α’ᵖ=ζ⁻ʲεα’ᵖ≡ζ⁻ʲεαᵖ≡ζ⁻ʲ(x+ζy)(modp)。よって両辺にζʲを掛ければ、ζʲx+ζʲ⁻¹y≡x+ζy(modp)。
 この合同式が決して成り立たない事は簡単に導ける(ウソ)。
 因みに、上の合同式をζ=λ+1で置き換え、矛盾を導くが、理想数の定義(素イデアル分解の一意性)だけでなく、pの唯一の素因子である円分整数λの定義がややこしい。
 このλは”2ndケース”の証明でも登場し、もっと複雑になる。そこで、フェルマー方程式をλを法とする不定方程式に置き換え、円分整数解と単数εが存在しない事を証明し、”2ndケース”の証明に漕ぎ着けます。
 しかしクンマーは、”1stケース”から円分整数解が存在しないと主張したが、これは明らかなミスで、後にヒルベルトにより証明された。この様に、クンマーを持ってしても大きな混乱と苦悩があったんです(補足)。

 以上より、奇素数pにおけるフェルマーの大定理(FLT(p))の”1stケース”が証明できた。
 これはクンマーだから証明できたというより、むしろ自然に近い証明とも言えるが、”素因数分解の一意性”という仮定が使われてる事に注意する必要がありますね。
 故に、ラメやコーシーでも”1stケース”が証明できた可能性は十分にある。しかし、”2stケース”は一寸した思いつきでは、たとえ素因数分解の一意性を仮定したとても証明は不可能だったろう。
 

クンマーの金字塔(その3)

 次に、”2stケース”は無限降下法を使うが、Z[ζ]で”素因数分解の一意性が成立”という[仮定A]の上に、更に”pを法(mod)として整数と合同なZ[ζ]の単数εは、Z[ζ]の他の単数ηを使いε=ηᵖと表せる”という[仮定B]をおく。
 そこで、フェルマー方程式xᵖ+yᵖ=zᵖで、zがpⁿで割れる様な解をZ[ζ]内に持つとすれば、仮定Aと仮定Bの元で、上の”1stケース”の同じ様な手法を使う。故に、zがpᵐ(m<n)で割りきれる様なフェルマー方程式の解が存在し、無限降下法が使え、(最小のzが整数である事に)矛盾を示す事が出来る(証明終)。
 この証明を少し詳しく説明すれば、無限降下法をそのまま使えば、ラメの証明の如く大きく破綻する。
 そこで、xᵖ+yᵖ=ελᵏᵖwᵖ,xyw≢0(modλ)ー⑧という不定方程式が互いに素な円分整数解x,y,w及び単数εと自然数kが存在しない事を証明する。仮に解があるとすれば、降下法によりkより小さい自然数が存在し、矛盾。故に、”2stケース”が証明できる。
 事実、”2stケース”のxᵖ+yᵖ=zᵖ,z≡0(modp)にて、互いに素なx,y,zが存在すると仮定。
 そこで、z=pᵐw,m>0,m≢0(modp)とし、p=uλᵖ⁻¹,u単数とおけるので、上式に代入し、xᵖ+yᵖ=uᵐᵖλᵐᵖ⁽ᵖ⁻¹⁾wᵖとなる。ここでε=uᵐᵖ,k=mp(p−1)とおけば、⑧に解がある事になり矛盾。故に、⑧に解がない事を言えばいい。
 但し、この証明(降下法)は長くなるのでここでは省きます(補足)。

 更に、条件[A]から条件[B]の証明をもクンマーが成し得る(1850)のだが、この証明は現在では”クンマーの補題”と呼ばれる。
 但し、クンマーの論文によれば、条件[A]は”円文体Q[ζ]の類数がpで割り切れない”と、条件[B]は”Q(ζ)の単数εでpを法として整数と合同なものは、別の単数ηのp乗(ε=ηᵖ)である”と言い換える事が出来る。
 [A]から[B]の証明は、円分整数αが円分整数βのp乗であると仮定すると。α=βᵖ、β=a₀+a₁ζ+・・・aₚ₋₁ζᵖ⁻¹,(a₀,a₁,・・・,aₚ₋₁∈Z)とすれば、βᵖ=(a₀+a₁ζ+・・・aₚ₋₁ζᵖ⁻¹)ᵖ≡a₀+a₁ζ+・・・aₚ₋₁ζᵖ⁻¹(mod p)より、αは整数により合同となる(証明終)。
 故に、これだけの条件Aからαが単数の時は他の単数のp乗になる事(条件B)が証明できたという事実は(類体論がなかった当時では)奇跡的でもある。
 然るに(前述の様に)、ラメやコーシーの一寸した思いつきで、”2stケース”を証明するのは不可能だった筈だ。以上、追記しました。


最後に

 そこで、仮定Aの素因数分解の一意性を満たすZ[ζ]の元はどれくらいあるのか?
 つまり、ζは1のp条根であるより、xᵖ+yᵖ=(x+y)(x+ζy)・・・(x+ζᵖ⁻¹y)を満たす素数pがどれだけ存在するのか?
 実は19以下の素数だけが、Z[ζ]での素因数分解の一意性を満たす。つまり、FLT(p)がp≤19なる素数pに対し成り立つ事をクンマーが証明した事になる。
 クンマーは、仮定Aが満たされない素数pに対しても、理想数(イデアル)という画期的概念を発見する事で証明した。
 この理想数は、後のデデキントにより簡素なイデアル論に昇華させられたとあるが、理想数とは(上で述べた)因子論と同義である。それに、Z[ζ]の様な世界に限定すれば、イデアル論と同値の理論とも言える。
 しかし、イデアルとはある特質を満たす数の”集合”である。
 この”集合”という概念が数学の世界に初めて登場したのが、この場面であった。以後、因子論を大きく飛躍させた”p進解析”の発達もあり、集合の概念は重要度を増し、数学はこの集合を抜きには語れなくなった。
 そういう意味でもフェルマーの大定理の果たした役割は大きいと言えますね。

 補足も含め、少し長くなりすぎたので、今日はここまでです。
 「整数論の源流」(足立恒雄著)は非常に難しいですが、眺めてるだけでその苦難さを少しだけですが、共有する事は可能です。
 このフェルマーやオイラーやクンマーに代表される”代数的数論”から、更に20世紀後半に花開いた楕円曲線論を初めとした”幾何学的数論”に突き進んだ数論の歴史。
 これだけを眺めてても、数学という学問の奥行きが宇宙レベルにある事を思い知らされますね。 



8 コメント

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難しいままのほうがいい (unknown)
2021-07-14 07:40:34
この「整数論の源流」こそが正真正銘のフェルマーの最終定理本です
Sシンの本はフェルマーの定理に登場する人物の物語に過ぎない。でも面白いんですが
足立恒雄氏の著書は難しいんだけど
日本語も多いから解ったような気にさせてくれるだけでも有り難い。
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unknownさん (象が転んだ)
2021-07-14 10:25:08
これでも肝心な部分はかなり簡略してます。
整数論とは呼び方は優しいんですが、異次元の難しさがありますね。
フェルマーの大定理と言うと、ワイルズの谷山予想の証明と楕円関数論というイメージが強いんですが、書いてて後悔するくらいに難しいです。
でもある程度は手を抜かないと先へ進めませんから、超難しい所は無視してます。
コメント有り難うです。
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クンマーの苦悩 (paulkuroneko)
2021-07-14 11:40:50
ケース1とケース2の証明では
p次円分体の因子の定義を使うんですが、p次円分整数では素因子分解の一意性が成り立たないことをクンマーは証明します。
数ではなく因子の定義として考察するところが難しいですね。

因子の積がp乗ならば各因子がp乗だとすると、ある因子(x+ζy)を単数εとαᵖ(α=円分整数)の積で表すんですが、そこでζ=λ+1に置き換えるところで、λの定義がまたややこしい。
このλはケース2の証明でも登場しますが、もっと複雑になります。そこで、フェルマー方程式をλを法とする不定方程式に置き換え、円分整数解と単数εが存在しないことを証明すれば、フェルマーの大定理が証明できます。

しかしクンマーはフェルマー方程式から直接、円分整数解が存在しないことを主張しますが、これは大きなミスで、後にヒルベルトにより正確に証明されます。
でもクンマーも相当に苦しんだのでしょうね。
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paulさん (象が転んだ)
2021-07-15 02:30:02
そうですよね。
今、「整数論の源流」と「フェルマーの大定理が解けた」を見比べながら書いてんですが。
ほんと難しいです。
数学者にとって明らかなのは凡人にとってはそれだけで難題です。
特に数論は大の苦手ですから・・・しかしここをクリアしないと、最後に類数公式とか類体論が登場するので厄介なもんですね。
貴重なアドバイスどうもありがとうです。
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素因数分解の一意性 (UNICORN)
2021-07-21 15:56:15
自然数の素因数分解の一意性については、初等数論の基本定理として自明に与えられてるが。
素因数分解が成り立たない数の集合(整数環)がフェルマーの最終定理が発見されるまで無意識的に使われてきた。
しかし数学の王ガウスは、こうした円分体における素因数分解の一意性に関するラメ=コーシー騒動(1847)を1801年に出版した「数論講究」にて予言している。

”暗黙のうちに了解され、証明はされていない”とのガウスの言葉は、いかにガウスが異次元の天才であったことを伺わせる。
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UNICORNさん (象が転んだ)
2021-07-22 04:16:35
ガウスもそうですが
アイゼンシュタインもヤコビも円分整数に素元分解の一意性が成立しない事は知っていました。お陰でドイツの数学は素元分解の一意性の問題が強く認識されてました。
類数に関してはディリクレも研究が進んでましたから、ラメ=コーシーの騒動は滑稽に思えたことでしょうね。
コメント有り難うです。
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abc予想で証明できる?  (もののはじめのiina)
2022-10-27 09:05:09
存在するものを証明するより、無限に存在する自然数を試みて、そのどれもが存在しないとする証明は極めて難しいです。
超難問「フェルマーの最終定理」は、「abc予想」を使うとの長い証明を数行で証明できるらしいですょ。

京都大学数理解析研究所教授望月新一博士が考え出した「abc予想」は、理解するにはもう少し説明を求められる段階だそうではあります・・・。

当方も、よく理解できていません。
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もののはじめサン (象が転んだ)
2022-10-27 17:10:42
はじめましてです。

宇宙際ダイヒミュラー理論とは、(超簡単に言えばですが)足し算を引き算に変換する理論です。
つまり、フェルマーの大定理は3変数の足し算ですが、掛け算に変換できれば2変数の等式になり、僅か3行で証明できるとされます。

最も、その変換理論が”宇宙”レベルなんですが、「宇宙と宇宙を繋ぐ数学」のレビューにもある様に説明不足が目立ちますね。
個人的にはですが、今のままでは”証明も反証も出来ない”という所に落ち着くのではとも思いますが・・・一方で、ABC予想の証明を(全世界が正式に認める形で)、ぜひ日本人でという思いもとても強いです。

コメント有り難うです。
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