「ティコに祝杯を・・」では、補足という形で簡単にケプラーの生涯を紹介しましたが、これだけではとても語り尽くせるものではないので、私が学生時代に読んだ「ケプラーの夢」や「ヨハネス・ケプラー、近代宇宙観の夜明け」(アーサー・ケストラー著)その他を参考に、少し掘り込んで纏めたいと思います。 ケプラーは生涯を通じて質素で律儀で堅実な人だったとされる。そして、人生にも世の中にも更に宇宙にも全てに調和を求め . . . 本文を読む
”最初の人類はアウストラロピテクスじゃないの?”と思ってるアナタ、その常識は30年も前の古いものかもです。 「前回」でも述べた様に、古代ゲノム解析の大きな進歩により、”人類の起源”の常識が大きく覆されそうとしてる。事実、アウストラロピテクス属のずっと前に、初期の猿人が存在してた事が判ってきた。 そこで今回は、鎌田謙一氏のコラム第2弾となる「古代DN . . . 本文を読む
ティコ・ブラーエ(1546-1601)は、言わずと知れたケプラーやガリレオの先人にあたる優れた観測天文学者だが、彼はケプラーに膨大な惑星観測データを提供したという脇役の存在であり、決して主役 として日の目を浴びる事はない。 しかし、ティコが遺した観測データが天文学に与えた影響力はとても大きく、もっと評価されるべきだ。コペルニクス、ケプラー、ガリレオ、ニュートンと並べるとティコの存在が小さく見える . . . 本文を読む
前回「その2」では、「はじめに(=知識を真に受けてはいけない)」と、その後に続く「プロローグ(=雲に浮かんだモスク)」を中心に纏めました。結論から言えば、一時的な投資家の成功は”単に運がいいだけ”であり、偶然についたインクの染みを”雲に浮かんだモスク”と勘違いする詩人の愚かさに類似する。 一方で、サイレント・エビデンス(沈黙の証拠)という新たな概念 . . . 本文を読む
前回「その1」では、「まぐれ~投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか」の大まかな流れと著者タレブ氏の概略と翻訳者望月氏のコメントを長々とですが、紹介しました。 レバノン内戦を潜り抜けて育ったタレブ氏だが、グレアム・グリーン(英、1904-91)に影響を受け、文学に大きく傾斜するきっかけになったという。事実、この著書にも数多くの参考文献が紹介されているが、数えただけでも何と250冊近くが紹介されてい . . . 本文を読む
「ミール博士の検証」でも少し触れましたが、「まぐれ~投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか」の原書「Fooled by Randomness:The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets」は2001年に出版された。 直訳すれば、”ランダムさに騙された〜人生と市場におけるチャンスの隠された役割”となる。だが、こうした . . . 本文を読む
半世紀前に、専門家たちが過去の失敗から学ばないという現象を真剣に研究した学者たちがいた。 例えば、”医者が自らが何をわかってないかをわかってない、又はそれをわかろうとしないという2つの致命的な問題がある”と、ミール(Meehl)は元の論文(1954)でこの問題を次の様に紹介した。 ”医者は自分らの予測が<本当にわかってる>者の予測だから、当然優れて . . . 本文を読む
巷で(もないが)よく言われるのは、ガリレオが重力による落下運動の法則を明らかにし、(ガリレオが死んだその年に生まれた)ニュートンがその重力があらゆる物体に働く力(=万有引力)である事を数学(微積分)を使って証明した・・というものである。 確かにこれは正しい。が厳密に言えばだが、正確ではない。 歴史で言えば、最初に重力の存在を唱えたのは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスである。彼は” . . . 本文を読む
これは、私が”象が跳んだ”のペンネームで2016年12月にアマゾンに投稿したレビューだが、補足を加えて紹介します。 角幡唯介氏の本では「アグルーカの行方」を前編と後編に分けて紹介しましたが、以下でも述べる「世界最悪の旅」と共に、命を掛けてまでも冒す冒険とは何か?を深く考えさせる著書となりました。 勿論、私と言えば”ぼっちキャンプ”すら出来ない貧弱な . . . 本文を読む
「死の家の記録」を読み始めて1週間近くが経つが、仕事の関係で時間が十分に取れないせいか、なかなか先へと進まない・・・というのは全くの言い訳で、レヴューにはドストエフスキーにしては”あっさりとして日記風で読み易い”とあったから、油断していたのも事実である。 実際に、青空文庫版「地下室の手記」でドストエフスキーの陰鬱さとユーモアに慣れたつもりでいた私がバカだった。そう、彼の小 . . . 本文を読む