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93歳・老大娘の日記

晩年を生きる

小林一茶

2024-05-28 21:28:01 | 読書

つつじ満開  ↓

ヒメシャラが咲き始めました。↓  ”花言葉” 愛らしさ 謙虚

「小林一茶」藤沢周平作 最近再読しました  ↓

 

俳人一茶は多くの句を詠みました。何万句とか。駄作も多くあったと言われる 

   我と来て遊べや親のないすずめ

   名月を取ってくれろと泣く子かな

   やれ打つなはえが手をする足をする

   痩せガエル負けるな一茶これにあり  等々、

私はやさしい一茶の為人ばかりを思っていました。  ところがこの本を読み

がらりと変わった。俳諧師として旅に明け暮れる日々。俳諧好きの地方の有力者宅に

数日、時に1か月も泊まり、句会を開いたり、人々と交流したり。

潮時を見て何がしかの草鞋銭(少額)や米を受け取り辞去する。

そのうちに俗塵にまみれてとまでは言いませんが、

如才なく振舞うすべを身につけて行ったらしい。

気鬱な俳諧師など好まれないことを知っていきました。

   秋寒むや行く先々は人の家

   秋の風乞食は我を見くらぶる 

   雪の日や古郷人もぶあしらい 

   是がまあつひのすみかか雪五尺

このころは貧乏を恐れ、人の世の冷たさが身に沁みます。

藤沢氏が書きたかったのはただの「人ぶり」なのだそうです。

しかし、ただならぬ才能の持ち主でもあると書いています。

次々にあるれるように句が出てくる才能も持ち、多面的な人柄でもあった由。

小動物を愛し、子供を優しいまなざしでみる好々爺のイメージは崩れました。

私が知らなかっただけかもしれませんが。

晩年は故郷信州柏原に帰り、江戸帰りの宗匠として受け入れられた。そして

着々と富裕な門人たちを増やしていきました。

晩年は中風を病み、子供3人みな亡くしたり、結婚3度も離婚や死別と恵まれなかった。

故郷柏原で雪の降る日、65歳の生涯を終えました。

コメント (8)
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