トルコから石灰棚を眺めながら生活する日記

ラム子のロカンタ(日本食食堂)、
ゴールデンレトリバーとカンガル犬との日常を綴っていました。

トルコで仕事をする。

2015-04-24 21:05:33 | 日記
今日のパムッカレ


『ラム子さんはどうして、こんなところで、食堂やっているんですか?』
と、よく聞かれるので、今日はそのお話。


今でこそ、皆さんに認知していただき、
観光地ということもあり、色々な国の皆さんがお越しくださいますが、
当初は、暇暇星人やっていましたから。

当初は持家であったこと、
もともと暇つぶしで始めたこと、
オヤジオフィスの賄程度と考えていたので、
暇暇星人であっても、全く危機感はありませんでした。




一番最初のラム子の食堂♪

その日の経費が払えるくらいの儲け、
そして、里帰り費用、ワンズの飯代が
稼げればいいやという気分で暢気なもんでした。

オープンしたての頃は、
通りがかりの日本人ツーリストに
白い目で見られたり、
客引きじゃなく、ただ、こんにちは!と
声をかけただけで、逃げられましたから。

10年以上前に夫家族のホテルを手伝っていたときに
日本食を出したのがきっかけで、これは行けるかも?と
ホテル業に嫌気がさしていたこともあり
義兄に相談し、バスオフィスを半分に区切り
食堂をスタートさせました。

今では、パムッカレのあちこちでアジアン料理を提供していますが、
10年以上前、当時はパムッカレには一つも無かったのです。
(訂正・・・昔は石灰棚の上に中華料理店がありました。潰れちゃったみたい)

ホテル時代から、お世話になっているイスタンブール在住の韓国人が
パムッカレに来る度に利用してくれ、
韓国人の皆さんがよく来てくれました。

また、カッパドキアの有名ペンション長期滞在のKさん(今は日本)が、
宣伝してくれ、日本人の皆さん、特に長期旅行者の皆さんに
お越しいただけるようになりました。

いつだったか、大忙しのときがあって、
義兄に『今日の売り上げは300リラ(当時は1リラ100円くらいだったので、
30,000円、今のレートでは15,000円)だったのよ♪』と、
意気揚々と報告したら、薄ら笑いを浮かべていたのです。
その時は喜んでくれたと思っていたのですが、
今思えば、300リラくらいで、喜んでいるアフォな奴と思われていたのでしょうね。

夫家族は政敵でもあるベレディエバシカン(いわゆるパムッカレ村長)に
睨まれていたので、総選挙で村長が勝利すると、案の定、嫌がらせを開始し、
うちの食堂を閉鎖に追い込んだのです。
(村長とのバトルはここでは割愛しますが、興味のある方は、
ラム子のロカンタカテにて、ラム子のロカンタへの道をご覧ください)

そうだっ、ブログを始めるきっかけは実は食堂閉鎖だったのです。
暇暇星人がさらに暇になり、ブログでもやっかーとなったんだっけ。

違法とは知りつつ、日本人を始め、中国系(当時は少数派)、
韓国人を対象に自宅食堂をコソコソと始めたんだわ。

約1年後、隣の建物が空いていることから、
オヤジ(夫のこと)がそこで始めようと言い出したのです。
その建物は元々、レストランがあったので、村長は文句は言えないと
分かっていたから。

でも、営業許可証と引き換えに、認可料とは別に、
3,000リラ(15万)別に要求されたんよ。

だたっ広い建物で、中はすっからかんでした。
なので、ゼロいえ、マイナスから厨房を設置するとなると
莫大な金がかかると予測。また、家賃も払わないといけないことから、
客が来なくてもいいもんねーでは済まなくなったのです。
食堂経営なんてやったことない、料理は素人の私に
出来るか不安いっぱいでした。

メニューは、ツーリストの意見を聞きながら、増やしていきましたし、
家具類(イステーブル)は自宅から、備品はお金が出来ると買い足すと
いったところ。もうまさに継ぎ接ぎだらけ。

その間にもいろんな問題発生。まず、モノがよくぶっ壊れる。
水回りの問題。
相変わらずの役所からの嫌がらせは
続き、特に罰金攻撃。厨房のゴミ箱の蓋が閉まっていないと、
1,000リラ(5万円)の罰金。

で、それを支払に行ったら、すぐさままたやって来て、
オヤジ(夫)の衛生証明書が無いと、またまた罰金通知。
オヤジ、バスオフィスで働いているんであって、
食堂じゃないのに!!私が元村長を今でも、憎悪し、
刺し違いたいほどに怨んでいるのがわかるでしょ?


私の場合は、あんまり頼りにならない能天気な夫
ですが、とりあえずトルコ人が身内にいたので、
いろいろな意味で助かりましたが、これ、トルコ語話せない、トルコ人の身内、
相当信頼できる友人もいないと
なると、とてもじゃないけれど、トルコ人を相手に渡り合えることは出来ません。

例え、箱ものが揃っていたとしても、メンテナンスが全く必要のないものって
トルコにはありませんからね!

トルコでは、よく法律が変わります。
なので、それについていけないトルコ人も多いのです。
外国人なら尚更、ひっちゃかめっちゃかですよね。

ところで、トルコで仕事って書きましたが、
トルコでは非常に外国人の労働に対して厳しいのです。
トルコ人と婚姻関係にあっても、トルコ国籍で無い限り、
働くことは出来ません。

見つかると、途方もない罰金&国外退去が待っています。

実は私も労働ビザを取得しようと試みたことも
あったのです。ですが、あまりにもハードルが
高くて諦めました。

外国人(私)を雇うためには、資本金が足らず、
また、外国人一人につき、5人のトルコ人の正社員雇用を義務付けられたり、
とにかく、何とか言いがかりをつけ、外国人を排除したい思惑見え見えの
法律です。

トルコ人就労率アップも目的ですが、偽装結婚する外国人妻対策もあるそうです。

じゃ、それで、どうしているの??
かと言うと、うちの会計士がアンカラ(首都)の保険労働省の担当者に
電話をし、私の事情を説明したら、

『夫名義の事業所であるならば、妻は手伝いなら問題は無い』
との回答をいただいたのです。


正社員(いわゆる社会保険年金つき)を一人増やし、
トルコ人女性二人が主体で食堂を切り盛りし、
私はお手伝い&アドバイザーですよ~♪という恰好を作り、今に至ります。

何でも最近、トルコ国籍を夫に持つ、婚姻生活8年以上の外国人嫁に対して、
特別就労ビザなるものが始まったとか。
でも、聞くところによると、その条件は何も書かれていないというお粗末さなんだそう

この記事、去年書いたものですが、
またまた法律などが変わっていて、内容に不備、要訂正箇所が
ありましたら、どうぞ、ご指摘願います。


ケントは近所の靴屋で勝手に客引きしています。

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