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古くて新しい仕事(島田潤一郎)2019 新潮社

2020年06月29日 21時29分57秒 | 本と文学と人と

 個人で会社を興し、出版社を立ちあげた島田潤一郎さんの「古くて新しい仕事」というのを読んでいます。

 これはうちの家族のオススメ本でした。ひとりで道を切り開き、自分の読みたい本を作り、装丁や校正、いろんな人とやり取りをして作り上げ、できたら今度はその本の営業をして回るという日々を送っておられる人の奮闘記みたいな内容です。

 仕事とは? 彼は、お勤めしたこともあったそうですし、営業であちらこちら回ることもした。サラリーマンとしての経験もあった。でも、小説も書きたい気持ちもあって、会社を辞め、バイトも探したり、いろいろしたけれど、現在は、ひとり出版社という地点に立っています。

 だったら、自分の本を自分のところから出せばいいのに、どうして新潮社から出したんだろう? おそらく、新潮社のルートに載せて売ってもらう方が、著者としては楽なんだろうと思われます。

 世の中にないものを出すためには、自分で奮闘努力するけれど、よそで出してくれるのなら、営業はしなくていいし、流れに任せればいいのだから、気分的に楽だったのかな。

 彼は、お仕事とは? いったい何だろうと、求職中に考えたそうです。

 やる気がないわけではないし、絶望しているわけでもない。だれかが仕事をくれれば、ぼくは自分の人生のすべてを捧げて、それをやるだろう。でも、なんでもやります、ということは、社会ではなんにもできないことと同じだという。面接さえ呼んでくれない。

 そんな苦しい状況だったそうです。何でもやりたいのに、世の中は、中途から仕事に参入しようとする、めぼしいキャリアのない人には、全く門戸を開かないようにできているらしいのです。

 そんな世の中に立ち向かうために、彼は自らの出版社を立ちあげ、足で会社を続けていく道を探したのでした。

 世の中では、労働し、自分の能力と時間を会社に捧げることによって、対価をもらうことを、仕事というのだと思う。
 または、会社に属していなくても、あるパフォーマンスに対して誰かがお金を払ってくれたら、そこで初めて、世間から仕事として認められるのだと思う。

 その通りだと思います。世の中は、誰かのために何かをしないとお金はくれない。お金は自分が製造するものではなくて、誰かがパスしてくれるものではありました。そのパスをもらうためには、誰かに何かしないといけない。

 「仕事を探さなきゃ」という台詞は、暗にお金がないことを指していたりもするし、「仕事をちゃんとやれ」という叱咤は、給料をもらっているんだから、せめてその金額ぐらいの仕事をやれ、というような意味を多少なりとも含んでいる。

 そうだと思います。お金って、その分だけの何かは要求されちゃうんだ。小市民の世界ではそうなっています。ものすごいお金を、大したこともしないのにもらう人もいるかもしれないけど、それは、そこに行くまでものすごい山あり谷ありがあって、偉い位置についたわけだから、それですべては許されちゃうんでしょうね。そういう世界はどうでもいいや。

 小市民的に、お金のためにコツコツ、自分の納得のいく仕事をやっていくしかないですね。

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