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甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

島尾敏雄さんと吉田満さん

2014年09月11日 17時30分45秒 | 本と文学と人と
 島尾敏雄さんと吉田満さんの2人の対談が中公文庫の新刊で出る、という新聞広告を見つけました。2014年の今年のことです。まあ、大岡昇平さんの「野火」を新作の映画で作るくらいだから、別に新刊で出てもいいのですが、やはり「なぜ、今ごろ?」とは思いました。でもしっかりメモしておきました。お盆に大阪で買い、1ヶ月してやっと読み終えました。タイトルは「特攻体験と戦後」というストレートな題名でした。

 吉田満さんは、『戦艦大和ノ最期』という戦記を短期間で書き上げた人です。私が高校生の頃には、教科書にも載っている作品でした。今となっては、このような作品を取り上げようと思っても、なかなか許してくれないかもしれません。戦争体験が風化したのか、それとも政府や文科省の圧力なのか、それとも戦争体験なんか、読んだってつまらないという国民の声なき声があったのか……。



 作品は、全編カタカナと漢字で書かれているので、ザッとした見た目はとっつきにくい感じがありました。でも、あとを引く作品で、私は何回か手にして、読み、その後にため息をついたような印象があります。格調高い雰囲気と、非常に空しい突撃。大和一隻に三千人の乗組員を乗せ、突撃させるのですから……。峠三吉さんか原民喜さんの詩のような、カタカナのたどたどしい時間体験がずっと心に残ります。

 お話しのおしまいは、艦長さんが自分を船に縛り付けて、船もろともに東シナ海に消えていきます。そんな感じの作品でした。当然のことながら、作者の吉田さんは、大和の乗組員でしたが、生き残りました。

 生還後すぐに吉田さんは海軍の最前線を希望し、終戦まで四国の須崎にいて、米艦船が日本近海へ来る時に爆薬を積んだ船で突撃するはずでした。どんどん日本の最前線は下がっているので、巨大船団がやって来るまでの命と思いつつ毎日を過ごします。



 とは言っても、吉田さんは一度4月の初めに、戦艦大和の同僚二千何百が亡くなり、その時に気持ちとしては死んでいたのかもしれません。ことばにすると陳腐ですが、とにかくたまたま自分は生き残ったが、心では死んでしまった。だから、仲間と同じ所へ行くために、海軍の特攻戦略基地に赴任した。

 すぐに仲間のところへ行くつもりで待機していたら、戦争が終わってしまいます。もうそれから仲間の分を頑張って生きていこうと努力し、日銀でバリバリにお仕事をした。その一方で、自分の体験を書き残さねばと思い、書き、語り、59才で1979年に亡くなったということです。

 島尾さんは海軍に入ったのが26才で、やはり特攻するために奄美の加計呂間島の基地で、沖縄が済んだら次は奄美大島へと戦場が移るので、その時までに訓練をしていた。

 その2人の対談を、今ごろ、50才のおっさんの私は読んだ。そして、どうしたらいいのかわからないけれど、とにかくこれらのことばを聞いた者として、何かできたらと思うのでした。

 明日にでも気になる文章を抜き出してみます。


★ タイトル画像は、フィリピンの座礁させられ、海軍の人たちが自分たちの領土として守るために、船の中でただ頑張っているという「シエラ・マドレ号」を持って来ました。

 今も、どうしたらいいのかわからないままに、もつれた関係をうまくほぐせていない私たちがいるのだなと実感します。こうした国民の犠牲の上に立って、政府のお偉方は敵対する国を批判しています。

 でも、そうじゃなくて、しっかり解決するように努力してもらいたい。相手が問答無用のヤツなんですと、相手の悪口ばかりいっても始まらない。外交交渉なんて、罵倒しながらうらで握手するような、そんな尋常の感覚ではわからない、不思議な取り引きがあるはずです。ぜひそういう表と裏のある交渉をしてもらって、国民には勇ましいところを見せてもいいから、うらではコソコソ仲良くしてもらいたい。でないと、また国民がとんでもない目にあわされそうな気がします。そうした交渉って、私は下手くそですけど、ぜひエリートのみなさんにはしてもらいたいなあ。



★ あれから1年経ちました。あいかわらず政府のみなさんは好きなことをやっています。不思議だけど、自民党政治には国民のみなさんは表だって文句を言わない。まあ、何が悪いのかというのを見せないよう努力しているので、国民のみなさんは政治家なんて、いてもいなくても同じだと思っていらっしゃる。

 民主党政権の時は、それはもうこんなにやってますよと、つまらないことばかりやっているように見せたので、ついでに地震ととんでもないトップと不景気で、すぐにポシャッてしまいましたけど、本当にダメなとこばかりが目について、だれも信用しなくなって、切り札の岡田さんにオンブニダッコ状態です。まあ、岡田さんは頑張っているけれど、岡田さんを支える人たちがどれだけいるのかどうか、みんな自分のことしか考えていないような気がしてなりません。

 自民党はつまらないパフォーマンスはやらないようです。自分たちの悪だくみと心の中は見せない(オトボケ財務大臣は相変わらずの放言をしていますが、もうニュースとして取り上げられなくなった。バカらしいからか、裏で手が回っているのか……)。すごく賢くなりました。でも、私たちのしてほしいことを基本的にはしてくれません。

 彼らが思いつきで考えた政策とやらを押しつけるだけで、肝心の外交交渉も、経済交流も、難民問題も、環境問題も、原発の始末も何一つやってはくれない。期待する方がバカなのです。声なき声がないかぎり、あの人たちはずっと思いつきと、アメリカの指示と、外圧にフラフラしながら対応していくだけでしょう。ポリシーはありません。自分の利益・自分の思い入れだけでやっています。

 政治家というのは、そういう人種ですか……。すべてがそうではないでしょうけど、大半はそんなものなんでしょう。そして、国民は、そういう政府を選んでいます。国民そのものがそういうものなのかもしれない。もっと本質を見なくてはいけないのに、そんなことより目先の利益ばかり追いかけている。政府もそうだし、国民もそうです。

 そんなボヤいてばかりいないで、自分のことは自分で守るしかないですね。石油も電気もいらない生活をしないとダメなのかもしれない。それができたら、無人島のオーナーになって、島を武器で守るのではなくて、中国・韓国・日本・沖縄・フィリピンなど、いろんな国と交渉して、自立できるなら、そこの大統領となって生活するんですけど、ザンネンながら、私は日本という国にしがみついていくしかないようです。

 島も持っていないし、年金ももらわなくちゃいけないし、情けないけど、自立できていない。本当に情けないことです。だから、せいぜい国との契約である選挙には参加して、ちゃんと契約を更新しなくてはいけないと思います。


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