甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

陸橋のオヤジ

2020年03月06日 05時58分09秒 | Back To The 80's

 槇原敬之さんが捕まってしまいました。「どんな時も」という曲が好きだったんですけど、こうなればすべてが否定されてしまうのかな。世の中って、極端だから、一度にそちらに振り切るんでしょうね。

 しばらくしたら、こんな人がいたのに、世の中は見捨てるのかと叫んでみたり、擁護したり、とにかく、自分たちが世の中から支持されたらいいだけだから、何だって自分の手柄にしたいし、どんなことでもヤバいことには手を出さない、ヤバいと思ったら、徹底的に切り捨てる、まあ、それが世の中というものなんですね。

 ボクみたいに、世の中から相手にされない人間は、適当に好きなことをさせてくれるから、まあ、それはいいんだけど、何かで捕まったら、徹底的に指弾されてしまう。まあ、何にもしていないと思うので、捕まることはないんですけど……。自分の部屋がゴチャゴチャになっているのは、少しヤバいけど、とりあえずパソコンを開くスペースさえあれば、あとはゴチャゴチャでもいいやって、そのままにしてますね。もうすぐ春になるのにね。

 槇原くんは、パートナーの人に裏切られて、密告されて、逮捕されたということでした。いろんな人がいて人間なんだから、どんな人だったのかはいいんだけど、密告した人も、自分のことは棚に上げて、共同生活者を売るなんて、なんか嫌ですね。

 ああ、それも人間というものか、相手を思いやる気持ちには素直でないけど、自らの愛憎の気持ちには素直になってしまった。まず、自分の気持ちがあるわけだから、そこからいろんな行動を起こしてしまう。それでいいわけか。

 ボクは、女の子は簡単に好きになれる人でしたけど、それ以外の人を好きになるということは考えられなかった。そういう世界があるというのを知ってたのかどうか。頭の上では知ってたような気がするけど、現実問題として、そういうことを考えたことはありませんでした。

 ただ、東京は怖い所だから、そういう人たちがいる、というのは知ってたかな。あまり意識もせずに、ひとりで東京にノコノコ出かけたことがありました。「東京で宝くじ買ってきて!」と頼まれたり、紀伊国屋の本店に行ってみようとか、いろいろな計画がありました。東口と西口とやらも見てみたいと思ってました。当時の乗降客ナンバーワンの新宿に行こうとしていました。

 目的は、本屋と宝くじだったのかなあ。

 駅を降りたら、とにかく、だいたいの位置関係が知りたくて、地下に降りたり、目印になるものを見つけたり、たくさんの映画館を横目で見たりしました。

 この時だったのか、違う時だったのか、新宿の武蔵野館という映画館で「2001年宇宙の旅」というスタンリー・キューブリック監督の作品のリバイバルも見ました。

 さすが東京は、10年前の映画が普通にロードショーしてるんだなあ、すごいもんだと感心もしました。



 さて、宝くじはどこで売ってるんだろう。たぶん、どこででも売ってたと思うんですが、ボクの目の中には入らなかった。そういうのを買ったこともなかったんです。

 今では新宿南口というのができて、これまたたくさんの乗降客がいて、お天気が大変な時には、NHKさんとか、こちらで取材して、JR各社は運行を停止していますというのを型通りに流してくれてますけど、渋谷じゃなくて、新宿南口というのは、取材がしやすいのか、いろんな鉄道が行き交ってるから、臨場感が出るのか、こちらに来ているみたいですけど、当時は南口って、あったろうか。あまり印象はないんです。東西しかなかった?

 それで、鉄道をまたぐ陸橋が南口方面にあって、ボクはそこを歩いていました。18の青年でした。でも、トッチャンボーヤだったんでしょうけど。



 コートを来たオジサンが向かいからやってきました。何だか親しそうです。もちろん知り合いではありません。

「キミ、T海大学?」……何を言ってんだろう?

「いえ、違います」

 そこから親しそうに近づいて来ました。とりあえず、訊いてみました。

「宝くじ売り場って、どこにありますか?」
「それは………」……何か説明していますが、親しげに体に触れてきました。

 いくらニブイ私でも、これはその方面の人かもしれないと気づきました。ボクは、女の子を追いかけたいし、ちゃんとつかまえたことはないけど、とにかく女の子の方が好き! と思ってますから、逃げるようにオジサンを置き去りにしました。

 怖かった。あのままどこかへ連れて行くこと、あるのかもしれない。どうして、東京って、昼間っから、こんな人たちがいるんだろう。土日には、そういう人たちが街に繰り出しているんだろうか。いや、そうじゃないですね。いろんなことをしているから、東京なんです。関西にもそういう世界はあるのかもしれないけど、目立ったところにはいません。でも、東京は昼間っから、みんな堂々と変なことをしているし、芸能人も歩いているし、テレビの取材もあちらこちらでしていました。みんなそんなことに頓着しないのです。

 そして、ボクは、たまたまそういう世界の人から声を掛けられ、ほんの1分くらいだったけど、怖くて怖くて、それからずっとオジサンが追いかけてくるのではないかと、恐ろしくなりました。

 すべての人がそういう怖い世界を持っている人々に見えた。

 だから、というわけではないけど、ひとりで新宿は歩かなくなりました。彼女と行くとか、誰か友だちと行くとか、ひとりで歩く新宿は、どこに落とし穴があるのか、予想もつかないところで人が待つ落とし穴があって、怖くて歩けなかった。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。