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甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ムチャクチャな読書と80年代

2022年08月30日 21時19分18秒 | 本読んであれこれ

 夏の初め、昭和史とか、島尾敏雄さんと吉田満さんの対談とか、少しだけ戦争を見直そうというブームが私の中でありました。何年も存在は気づいていたのに、全く読めてなかった岩波新書の『昭和史』を読めたのは画期的でした。とうとう私も、そういうのが読める大人になったのだと感心しました。

 それからは、方向性を失って、むやみやたらに目についた本を取り出すので、何一つちゃんと読めてなくて、少し読んではバタンというのを繰り返しています。そうこうしているうちに、一冊一冊読み終わっていくので、その度におもしろい所を抜き書きして、本とどれだけ関わったかをまとめていくはずです。

 今は、夏の終わりの秋雨前線につかまって、毎日が雨になっています。今夜はかなり降りそうです。

 四冊の本をとっかえひっかえ読んでいます。

1・左腕の誇り 江夏豊自伝(2001単行本→2000文庫化 新潮文庫)
2・父・手塚治虫の素顔/手塚眞(2003→2012 新潮文庫)
3・坂本九ものがたり/永六輔(1986→2017 ちくま文庫)
4・ねぼけ人生/水木しげる(1982→1999 ちくま文庫)

 水木しげるさん(1922~2015)、手塚治虫さん(1928~1989)、
永六輔さん(1933~2016)、坂本九さん(1941~1985)、
江夏豊さん(1948~)

 マンガ家のお二人と、「上を向いて歩こう」のお二人と、野球選手、みんなバラバラという気もしたけれど、どれも私になじみのある存在だったのだ、と今さらながら思います。

 みんな70年代から80年代に輝き、手塚治虫さんと九ちゃんは80年代に亡くなり、水木さんと永さんは、わりとつい最近まで、あれこれとテレビに出ておられたんでしたが、一つのピークとしては70年代にあったのだと思います。

 江夏さんだって、近鉄と2年連続で日本シリーズを戦ったけれど、あれもちょうど79・80という、節目の年ではあったのだと思われます。

 どうやら私は、この20年間の証言に触れたいと思い、当時そこに生きて活躍していた方たちが、どんなふうに時代と向き合っていたのか、それが知りたくて、ボンヤリとした読書を続けているのかもしれません。


 これら夏の宿題の4冊が読み終わったら、何か見えたりするでしょうか。

 たぶん、何も見えてこないし、そんなに簡単なものではないでしょう。でも、私は野球が好きで、今は文句ばかり言いながら、すぐにスイッチを切ってしまうけど、心のどこかで誰かおもしろい人が快投するのを期待しているのです。だから、大谷くんや佐々木朗希くんらの活躍には見入ってしまう。

 不思議な、不死身の鳥の物語も好きでした。初めて読んだのは中二の時だったかな。人から借りて読んで、学校の中で、授業そっちのけで読んでしまった気がします。それほどに延々と続く物語には過去も未来も、宇宙も、知らないところも、かけめぐる力がありました。それから、自分でも買ったりしたけれど、手塚治虫さんから送られた物語は、私たちの頭の中で今もめぐっているのです。

 坂本九さんは、ムチャクチャ好きな役者さんでした。エノケンさんの伝統を受け継ぐ古き良き時代の人でした。そんな人がついこの間までいたなんて、それが信じられないけど、その時代を伝えてくれるのは黒柳徹子さんや倍賞千恵子さんたちくらいしかいないけど、役者もお客も、製作側も、みんなで何かを盛り立てていく演劇界というのがあったのではないか、という思いは持っています。

 私は、直接、そういう空気を吸った人間ではないけど、おもしろおかしい雰囲気は少しだけ感じてきたのではないかと思います。



 そうした雰囲気も、少しずつなくなっていって、個々の人間が個々のタレントを支持する時代が来ているのか、みんなが一つになることはなかなかできないですね。

 でも、可能性はあるから、いつかまた、そういう時代や空気がやってくるのを待つとしましょうか。とりあえず、本を4冊早く読み終えたいです。

 これら4冊は、私の課題図書だったわけですね。

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