
名古屋の市長さんは、河村たかしさんといいます。もう何期くらいやっておられるんでしょう。大阪の維新の会と同じで、よそから見てみたら、「どうして、あんなのがずっと選挙に勝つの?」という疑問符が付きまくりなんですけど、地元では絶大な人気があるようです。
民進党だか、民主党だったか、とにかく野党の衆議員さんでした。そこから華麗に転進して、もうかなり長く市長さんをやっています。
減税日本一とか、暮らしやすさとか、生活サポートとか、あれこれアイデアを打ち出して、よそではやらない行政サービスをやってたと思います。
でも、もうそろそろ末期に入ってきたのか、鉄筋コンクリートの名古屋城を木造で作るとか、本丸御殿を作り上げるとか(これはもうできたんだったか)、歴史に残ることをしようとしています。
政権も、そういう建造物に行くようでは、そんなに長くはありません。立派な建物を作り、引退したら、引退城主の気分でお城の天守閣に上がるでしょうか。
まさか、お殿様気分だったわけではないですよね。当初はそうではなかったけれど、最近は少し危ないようです。

オリンピックで、名古屋の女の人が金メダルを取った。ソフトボールだったかな。それをわざわざ市役所に見せに行くという行事がありました。そんなの、しなくてもいいのに、あちらこちらに披露する流れで、市長さんへも表敬訪問したんでしょう。
当然マスコミは、市長さんとゴールドメダリストが並んだ画面が欲しかった。誰も望んではいないけど、マスコミだけがそういうのを欲しがったのです。
そして、河村さんは、選手に会うやいなや、その金メダルにかぶりついたのです。恐ろしい映像でした。まるで、金メダルをかじるふりをしたのではなく、食べそうな雰囲気の目つき、表情、気配でした。
誰も止めることができないくらいの、電光石火の動きでした。選手は何にも言えず、凍っていました。
そして、非難と批判の嵐が巻き起こります。まあ、当然です。唾液はついてなかろうがついていようが、気持ち悪いのは確かでした。
昔、日テレ系列で「おはようこどもショー」というの番組があって、そこに出てくるガマ親分みたいな顔のオッサンが、ゲロロと大事な金メダルにかぶりついたんですから、すべてを投げ出したくなったでしょう。
あまりに激しい非難を受けたので、河村さんは金メダルを弁償することになり、知り合いに予備のメダルを融通してもらうことにしたそうでした。
お金で解決できるという考えなんですね。いくらくらいしたんだろう。まあ、彼としてはそれくらいのお金は用意できた。
プライスレスであるはずの金メダルは、実はいくらかのお金さえあれば、買えるものだったのです。

それから、しばらくして、まだまだ非難の嵐は続いていて、もういい加減に、ケリをつけたい河村さんは、給与三か月分の返上を市議会に提案したそうです。その額は150万円だったそうです。
ひと月に50万円もらってたというのも驚きだけど、それを三か月分返納したよ、責任取ったよという形にしたかったそうです。
金で決着をつけるいつもの河村流を見せたのですが、なんと市議会はそのような金で決着したということにするのがよいこととは思えず、河村さんの提案を否決したということでした。
これで河村さんは、金でも解決できないし、二度ワクチンを打ったのに、コロナに感染して二週間ほどお仕事から離されるし、踏んだり蹴ったりという形ではあるけれど、あまり反省はしていないでしょう。
またいつもの河村流で、名古屋の人々をケムに巻いて、ふたたび選挙で勝つ算段をしているんだろうな。それを名古屋の人たちが支持するのかどうか、私は半々だと思います。ウンザリしている人はいます。でも、支持する人たちもいる。かなり人気もあるようです。こんなになっても、また選挙で勝てるかもしれない。
得意なのは、自転車で街中をめぐる選挙活動ですけど、今度もするんだろうか。
独特の話術もあるから、それがナゴヤ風味を感じさせて、人々に支持されるところもあるみたいです。部外者にはわかりません。

以上、10月9日の新聞記事から書いてみました。