甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

知らない星に不時着して……

2020年05月14日 05時59分37秒 | 空を見上げて

 ボクが気づいた時には、宇宙船はどこかの星に着いていた。幸いケガはなかった。宇宙船は壊れてしまって、ささくれ立っているし(変な表現だな)、飛行不能のようだった。ボクは帰れるんだろうか。それは無理な話か……。

 ここは、どこの星になるんだ。誰か、この星に住んでいる人はいるのか?

 向こうの排気口なのか、通信塔なのか、何かの設備があるということは、誰かがいたということか。今もいるのか?

 わからないなあ。ボクがこうして、不時着しても、誰も取り囲む人たちはいないし、ボクは、放置されているんだろうか。いや、どこかでモニターされてるのか?

 わからないなあ。

 あの、通信塔まで行ってみようじゃないか! 


 砂の惑星のようだ。足はどんどん地面に吸い込まれていく。本当に誰もいないのか。だったら、もう救いようがないじゃないか。このまま、ここで野たれ死にするのか?

 そりゃ、宇宙に出た時から、いつかこうなるとは思っていたけれど、とりあえず、どこかの星で最後になるのなら、それはそれでいいじゃないか。

 宇宙空間をさまよいながらミイラになってしまうよりはいくらかましさ。


 ボクは今、知らない星にひとりだ。空気はあるらしく風がずっと同じ方向から吹いている。寒くはない。暑くもない。酸素ボンベも必要ないようだ。

 でも、この空気の濁り具合は、いろんな化学物質が入っている気がする。空気清浄機能付きのマスクも、もう壊れてしまった。

 食べ物もない。とりあえず、さまようだけさまよったら、疲れて寝てしまうだけなのか。

 水はあるのか?

 本当に飲めるのか? 何もわからない星に不時着して、だれとも会わないまま、明るい星は向こうの方へ消えようとしている。もしかして、明るい星が見えなくなったら、冷凍地獄になるのか。


 誰もいない星にひとり。どこかで何かが聞こえる。とても小さな世界だ。動いていないようで動いているヤツらがいる。

 まさか、これがこの星の生き物なのか。わからない。とにかく、コミュニケーションを取りたいが、ボクにできるんだろうか……。

 

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