
金曜日の夜です。明日も仕事はあるけれど、ほんの少しだけリラックスします。
少しだけ今読んでいる本のことを書いたら、また読書でもしてみることにします。
柚月裕子さんはNHKのニュースの中の特集で知った人でした。私より十ほど若いのかな。そして、ご両親が岩手の海岸地方に住んでおられたので、お二人を津波で亡くしてしまいます。
御両親が住んでおられたおうちの跡も訪ねておられた。何度も何度も足を運んで、何度も悔しい思いをされたことでしょう。
そして、小説を書いておられる。お子さんたちが独り立ちして、少しだけ小説にシフトしたら、そのままミステリー作家になったということでした。
なかなか才能というのは、どこに隠れているかわかりません。

なかなかステキな方だなと思いました。何しろ感情を抑制はしているんだけど、淡白ではなくて、強さもあるし、語るべきものをもっている感じでした。
だから、何か読もうと思いつつ、なかなか手が出せなくて、最近ようやく図書館で借りてきて、やっと半分近くまでたどり着きました。あと半分以上あります。
NHKでドラマもやっていたみたいだけど、一切見ていないし、テレビドラマを見るという習慣がなくて、全く知らないままに過ごしていました。
半分まで読みましたが、犯人はわかってしまいました。
二人の刑事が、身元不明の遺体に残されていた貴重な駒を探すところから始まります。二人は埼玉県警の人なのに、わざわざ山形の天童市で開かれる将棋のタイトルマッチに来ていました。
一方は将棋界のエリートで、順調に位を上り詰めた人、もう一方は、将棋界の昇格のルートを経ない異端児で、東大卒のキレ者だという設定になっています。
このどちらかが犯人だったようで、普通で行くと、異端児の方です。この人の小学校時代も同時進行で語られていて、少しずつこちらの時間と、殺人が行われた現代の時間とが合わさりそうなのですが、まだ半分くらいだから、本当なら犯人はわからないはずなのに、後ろの方をチラッと見たら、「犯人ですね」とかいうのが見えたので、結論はわかりました。
でも、犯人さえ分かればいいというものではなくて、犯罪の動機、どうして貴重な駒が犯行現場に残されていたのか、それらの謎に向かっていくのだと思われます。
期待した柚月裕子は、丁寧に事件を語っていて、中の刑事さんたちや、聞き込みに回る時の苦労や巧みさなどもおもしろいみたいです。
私はこういうの読み慣れてないから、珍しいだけかもしれないし、よくあるパターンなのかもしれません。それに私のひいき目もあるのかな。
犯人は、いかにしてタイトルマッチに挑むのか。犯人を助けた老人はどうなるのか。それなりに次が知りたくなっているみたい。でも、そういうのを楽しめない私なのです。エンターテイメントをそういうものだと味わえばいいのに、それがどうしたの?
と心の中で思っている。
そんな中途半端な自分を蹴散らすためにも、本を読まないといけないです。
さあ、本読んで明日に備えて寝なくっちゃ!