ゲーリークーパー主演の「ボー・ジェスト」を見ました。
1939年製作の映画をデジタル化したもので、画面はモノクロですが鮮明でした。
イギリス人の兄弟がフランスの外人部隊に入って、アフリカの、ある砦で現地のアラブ人と戦うというストーリーです。
現在から考えると、外人部隊の方が侵略しているので攻撃されても仕方がないのですが、当時外人部隊に入って活躍する
ことはイギリスの少年たちのあこがれだったようです。
ジェスト兄弟はあるイギリスの貴族の家に養子になっていました。兄弟はボーと、ディグビーとジョンの3人です。
3人は本当の兄弟ではありません。血縁関係はないのですがとても仲がよく、いつも一緒に遊んでいて弟たちは兄を尊敬していて、なんでも言うことをよく聞きます。イゾベルという女の子も一緒でした。
ゲーリー・クーパーはボーの役です。弟たちを両腕に抱いている姿が印象的です。
彼らの家は没落してきて財産は「ブルーウォーター」という青い宝石だけになってしまいました。
その宝石をみんなで眺めているとき部屋が突然真っ暗になって、明かりが付いたときには、宝石はなくなっていたのです。
犯人が分からないままでしたが、翌朝、一番上のボーが置手紙を残して家出をしてしまいます。
それを読んで次の兄ディグビーも出ていきます。ボーが盗んだと告白していたのです。
一番下のジョンは兄たちは二人とも外人部隊に入ったのだと考え、自分も志願して行きます。イゾベルが好きだったのですが。
そして、ジョンはボーとディグビーにアフリカで再会します。砂漠の中の、暑い土地で鬼軍曹にいじめられる過酷な生活で、いつも原住民たちの攻撃にさらされているのです。
3人はなかよく一緒にいたのですが、ディグビーだけ別の砦行きになってしまいました。
ボーは宝石を持っていることを盗み聞きされて鬼軍曹に狙われたりするのですが、
なぜ宝石を盗んで逃亡したかは、最後に手紙で告白しています。その理由は二人の弟たちも知らなかったのです。
ボーは原住民との戦いで命を落としますが、最後に弟ジョンの命を救って死んでいきます。
その時、もう一人の弟ディグビーが吹くラッパの音が聞こえてくるのですが、「いい音だ、が遅かった」と言いました。
ディグビーは別の連隊にいたのですが、彼らの危急を知って駆け付けたのですが、間に合わずジョン以外は全滅してしまったのです。
ディグビーは兄の遺体を発見して少年時代に約束したように火葬にして弔いのラッパを吹いてあげます。
ジョンだけ生き残ってイギリスの家にたどり着いてパット伯母さん(三兄弟を養子にしてくれた女性です)にボーから預かった手紙を見せるのです。
伯母さんが、本物の宝石を売ってしまって、偽物しかないことをボーは知っていたので恩返しのため、それがばれないようにするために盗んで外人部隊に入ったのでした。伯母おばさんはそれを知って「ボー・ジェスト、名前の通り、勇敢な行いね」と言いました。Beau Jesteという名前にはフランス語で麗しい行い(fine gesture)という意味があったのです。