「御巣鷹山編」を一気に読みました。事故の模様が詳しく述べられています。
一度に520人も亡くなった航空史上最悪の事故です。飛行機が迷走する恐怖の30分間に、ある男性が家族あてに書いた痛切なメモや、遺体さがしのとき、爪だけ見て、夫の爪だとわかった女性の話など胸を締め付けられます。
さて、恩地さんは東京本社勤務で課長になったといっても窓際族で部下は一人もいません。そこへジャンボ機墜落事故です。彼は大阪の「ご遺族相談室」係となって、遺族の補償の相談を受けます。
いろんな遺族がいて、補償金をめぐる争いもあります。一家の大黒柱を失って倒産に追い込まれる印刷屋や、息子の嫁に補償金が下りると知ると、それを取ろうとする息子の親や兄弟がいます。
そんな中で補償の話を一切受け付けない男性もいました。息子夫婦と幼い孫を失ったその男性は、妻も亡くしていたので、たった一人で、鎮魂のため、四国八十八か所の霊場をめぐるお遍路の旅にでます。補償金はこの事故で親を亡くした遺児たちにまわしてほしいというのです。補償金でも訴訟でも人の命は償えないということでしょう。
恩地さんは自分が組合の委員長だったとき、「空の安全」を守るための待遇改善や職場環境の整備を要求して、営利優先の経営陣と真っ向から対立したため、海外の僻地を十年もたらいまわしされる懲罰人事に耐えました。それでも、会社の体質を変えることはできなかったのを無念に思っています。
一度に520人も亡くなった航空史上最悪の事故です。飛行機が迷走する恐怖の30分間に、ある男性が家族あてに書いた痛切なメモや、遺体さがしのとき、爪だけ見て、夫の爪だとわかった女性の話など胸を締め付けられます。
さて、恩地さんは東京本社勤務で課長になったといっても窓際族で部下は一人もいません。そこへジャンボ機墜落事故です。彼は大阪の「ご遺族相談室」係となって、遺族の補償の相談を受けます。
いろんな遺族がいて、補償金をめぐる争いもあります。一家の大黒柱を失って倒産に追い込まれる印刷屋や、息子の嫁に補償金が下りると知ると、それを取ろうとする息子の親や兄弟がいます。
そんな中で補償の話を一切受け付けない男性もいました。息子夫婦と幼い孫を失ったその男性は、妻も亡くしていたので、たった一人で、鎮魂のため、四国八十八か所の霊場をめぐるお遍路の旅にでます。補償金はこの事故で親を亡くした遺児たちにまわしてほしいというのです。補償金でも訴訟でも人の命は償えないということでしょう。
恩地さんは自分が組合の委員長だったとき、「空の安全」を守るための待遇改善や職場環境の整備を要求して、営利優先の経営陣と真っ向から対立したため、海外の僻地を十年もたらいまわしされる懲罰人事に耐えました。それでも、会社の体質を変えることはできなかったのを無念に思っています。