宮部みゆきさんの「小暮写真館」をやっと読みました。713ページもある少し分厚い本です。
幽霊が出てくると聞いていたので夜は読めないと思い、昼間だけ読んだら日数が結構かかりました。
それでも思っていたほど怖い話ではありませんでした。
本のカバーに、菜の花畑を前景として満開の桜の木の間を、上がクリーム色で下が赤い二両編成の電車が走っている絵がありました。
この絵の説明がラストシーンでやっとあり、納得しました。
高校生と小学生の兄弟を持つ、花菱夫妻が古い建物に引っ越してきます。
その古い建物が何年も昔からある「小暮写真館」です。この写真館の主人小暮さんは亡くなったのです。
夫妻はできるだけ写真館のままで残しておこうとし、看板をかけたままにします。
そこで、写真館がまた新たに営業していると思われて心霊写真のようなものが持ち込まれ、その謎解きを主人公の英一がします。
さらに、亡くなった小暮さんの幽霊が出るという噂があります。
兄弟には間に女の子がいたのですが、その女の子風子は5歳のときに風邪がもとで亡くなっています。下の弟の光は死んだ姉に会いたがっています。それで、幽霊の小暮さんに会いたくて・・・というストーリーです。
子供が病気や事故で亡くなったら親戚の者がこんなに親を非難するとは・・・夫妻は親戚とは縁を切ってしまいます。
この幽霊の小暮さんはこの家に忍び込んできたコソ泥を撃退してくれます。
「乗りテツ」という鉄道マニアが登場したり、自主映画マニアも登場するし、英一の友だちのメンバーがとてもユニークで印象的です。