ペンキにまみれた日

朝夕はまだまだ5度以下になる日々が続いています、ドイツです。
一時は20度を記録し、すっかり夏に向かって気持ちが固まった矢先の雪で、心は折れています。

今日は週末。
寒いながらも久しぶりの晴れ、というわけで、前々からズルズル先延ばしにしてきた部屋のペンキ塗りが決行されました。

うちは1Ｆがワレラ、2Ｆに大家さんが住んでいるという住居ですが、ドイツでは部屋の改装や模様替え等、割と自由なんですね。
出るときに元通りにという日本のような厳しい規則は殆どありません。

この度ソファを新しく買いなおしたところ、壁の色とイマイチ合わないね、ってな事で、壁の色を変えてしまおうという運びになったわけです。
今、うちのリビングの壁はオレンジ。前の住人の趣味らしい。奇抜。

それをやっとまっとうな色に変えられると。
ワタス、主張しました、珍しく。

「ベージュ！！ベージュにしてくれ！！落ち着いた色を～～」


大家さん夫婦とワタスら夫婦の4人で、やりましたとも。
リビングの全てをベッドルームに運ぶのに約1時間。なんせ本棚もあるもんで。
動かせない机やソファなどには袋をかけて保護し、マスキングテープを張りまくる。ここまで更に1時間。
まずはオレンジを消すために白いペンキを塗りたくる。
壁だけかと思いきや、ついでにってことで天井まで塗りなおす。

縦に、縦に出来ない・・・。もう嫌・・。



下地の白が完成するまでに、更にたっぷり4時間。し、死ぬ。



やっとベージュが、、、と痛む腰をかばいながら、色が出来上がるのを待つ。（大家さん妻が白と黄色を混ぜて自分で作ってくれる）
出来た色を試しに塗ってみたら、いいじゃないの。普通じゃないの。さ、やりますか！！


と思いきや、ワタス以外の3人がノってこない。
何か不満があるらしい。
聞いてみると、大家さん夫はタバコのヤニでうっすら汚れたような色と評し、大家さん妻はぼんやりした色で個性がない、と。
フロ吉はというと、悪くはないけどソファに合うかな・・？


えーーー、そうなの？いいじゃん。普通じゃん、普通が一番よ？個性より落ち着きよ？

結局ワチャワチャ話し合っている間に、大家さん妻（超個性的なアーティスト）が作っていたベージュに赤色を混ぜ始めた。




・・・エ？



って全員が事を理解したときには時すでに遅し。

バケツ一杯のベージュはピンクに変わっていた。






我が家のリビングはこの春よりピンク色になります。
こんなに大変な思いして、オレンジと決別できて、そして、ピンク・・・。



大家さん妻、ご機嫌。それが大家さん妻。
いいんです、そういう事なんです。
この国では、流れに身を任せて生きていくのみ。強い意志なんていらないんです。




ピンクリビングですけど、なにか？　おつきあいついでにポッチン

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ありがっちょー！

ドイツでスマホ買い直し

約2年半使っているスマホの充電が、3時間後には切れて勝手に電源が落ちるようになりました。
3時間ノーアクションなのに。横たわっているだけなのに。いよいよ限界。死ぬ間際のオジイサン携帯


「買い替えるしかないか・・フゥ」



なんて呟いてはみたものの、実は途方に暮れてます。
このオジイサン携帯、ドイツのコーヒー屋、Tchibo（チボ）で購入、契約をしたのです。
携帯をコーヒー屋で！？と思いますよね。
ワタスも未だに思ってます。
このコーヒー屋、靴下とか猫グッズとか、なんでも買える、もはや何屋か分からないけど全国チェーンの人気コーヒー店。




当時、本体100ユーロ、通話、ＳＭＳし放題、ネットＯＫで月10ユーロという破格の条件に飛びついたワタス。
言われるまま手続きしたけれど、買い替えとなると、どうすりゃいいのか分かんない。契約変更！？本体買い替え！どうやってーー！！
コーヒー屋に行っても、蹴散らされるはず。だって購入の時も蹴散らされたもの。



普段は自分から話しかけることのない、でも携帯に一番詳しそうな仕事場の同僚Ｍ子（ドイツ人女子）に聞いてみました。

「携帯って、どうやって買い替えたらいいのかね？何故かチボの携帯なんですけどね？」


すると、さすがＭ子。だてにチャラチャラしてるわけじゃありません。

「1回の電気屋に行って、本体買えばいいよ。契約はＳＩＭカードあるから、カードを入れ替えるだけヨ～」



なんだか簡単そう・・・。
電気屋のサイトまで開いて、モデルがどうの大きさがどうのと携帯の詳しい説明を続けてくれるM子に礼を言い、財布持って、階下の電気屋に駆けて行った。

店員のお兄ちゃんに聞くと、膨大な量の携帯コーナーを教えてくれる。勝手に好きなの選んで持ってきてー

もちろん、「お客様、どんな携帯をお探しですか？」的な言葉はこの国では頂戴できないので、早速ズラリと並んだ携帯達を一人で眺める。
眺める。
眺める。。。





・・・わかんねー。






分かるのは、値段だけ。
何を基準としてこの膨大な数の携帯から一つを選び出しゃいいのか。

途方に暮れた瞬間、後ろから話しかけられた。ナニシテルンデスカー？


アシスタント達だった


「仁王立ちして携帯睨んでるから怖かったですよー」


そんな事いいからと事情を話すと、2人でキャッキャ言いながら、自分たちも持っているというおそろいの携帯を選び出してくれた。
速攻手に取り店員の所に持っていって、これをくれ、そしてSIMカードも入れ替えてくれと頼む。


「チョッ、早すぎません！？八百屋で野菜買うみたいじゃないですか！」



それがどうした、どうせ違いなんてワタスには分かんないんだから！と支払いを済ませ、新しい携帯を手に仕事場に戻った。

その間約7分。
M子が冗談でしょ、と、早すぎる事に若干引いていたワ。


お蔭様で、チボに迷惑をかける事（！？）もなく、あっという間に新しい携帯を手にしました。
若くてピッチピチなので、電源も恐ろしく長くもっていい感じ。
何より、日本なら絶対あるであろう面倒な手続きが一切なかったのが、いい意味で驚きでした。


ドイツの簡潔さも悪くないかも。　おつきあいついでにポッチン

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ありがっちょー！

主夫フロ吉

英語のレッスンに通い始めて2週間目突入。
我が家の運営システムに変動がありました。

これまでは、フロ吉が7時半に仕事に出て行き、ワタスが午前中に家の事をして午後から仕事、夕方帰ってきて晩御飯の支度をし、フロ吉が夜帰ってくる、というシステム。
お気づきの通り、家事は全般的にワタスの仕事。

それが、英語のレッスンが始まったのと時期を同じくして、フロ吉の仕事時間が変わり、夕方には家に帰ってこれることに。


・・・という事は？

ワタスは一日出ずっぱり。
フロは夕方には帰ってくる。


＝ワタス家事ムリ。フロ吉家事デキルアルヨ。・・・という事。



何故かこんまり先生を師匠と仰ぎ出していたフロ吉は、文句ひとつ言わず今日もワタスの洋服をチマチマ整理してくれました。
↓フロ吉のバイブル




他にも洗濯物、食器洗い、晩御飯の準備までせっせとやっていますヨ。

最初のうちこそ（自分の事が）心配で、

「洗濯物は干すのは一緒にやるからね。アンタ一人じゃ最後までムリでしょ！？ほんでシワッシワになるでしょ！？」

やら、

「晩御飯は何か手伝うよ。美味しいの食べさせろ！」

だの、口と手を出そうとしたけれど断固拒否され。こっち来んな


主夫フロ吉として日々精進しているのです。
因みに本日は2つあるレパートリーの一つ、パスタでした。　もう一つは焼き飯


それにしても、仕事から帰ってきて、
「今からパスタ作るからね！」
とイソイソと準備されることの居心地の悪さよ。

早く快適に感じる王様気質を身につけたいもんです。




家事の出来ない弱いオトコと罵られ、やる気になったフロ吉にポッチン

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学生になりました ２

授業初日、担任の先生をクラス表で確認し、驚愕した。

うちの住居担当スタッフ、Ｊはアラブ系で、そのせいかどうなのか定かではないけれど、激高型である。
よく学生相手に大声を上げて怒鳴り散らし、全学生から恐れられている。一応お客さんですよ～？
日本人学生内でも有名で、Ｊのところに行けというと、怖いので一緒に来てくれと頼まれる。

そのＪとついこの間すさまじい喧嘩をし罵り合っていたのが、担任となるネビルだった。

Ｊは学生には厳しいが、同僚間ではひょうきんないい奴なのに。
そのＪに一歩も引かず、恐ろしい形相で言い合っていたネビル。

前からちょっと近寄り難い、難しそうなイギリス人だなと思ってはいた。
廊下ですれ違ってもほぼ挨拶をした事もないし、笑顔など見たこともない。
自分の世界があり、あまり人を寄せ付けない雰囲気を前面に押し出している。
彼の授業を受けていた日本人学生は
「深い闇を感じる」
と彼を評していた。


そういうわけで、英語恐怖症であるワタスは、願わくば、底抜けに明るく笑いが絶えないというアメリカ人ケビンを担任に希望していたのだ。
なのに蓋を開けたらネビルとな。

恐る恐る教室に向かう。
クラスメートは中国人の女性とドイツ人の女の子、ワタスで計3名。
ネビルは鋭い目つきでワタスを確認し、

「何の用だ（英）」

と。
もうビビったが、

「校長が授業を取ってもいいと言ったから、今日からこの授業を取ります。ヨロピコ（独）」

と伝えると、入れとジェスチャーがあったので、超低姿勢で席に着く。

「英語のレベルは？（英）」

「クラス分けテストはB2だったけど、、、（独）」

「は？」

「だから、クラス分けテスト、、（独）」

「は？」




・・・・・・英語で喋れとな。


「ワタスは英語が喋れません。全然。（英）」


この事を伝えるのにおよそ1分かかった。
目を見開いてワタスを見つめる中国人とドイツ人。そしてニコリともせず凝視するネビル。


「・・・全然？」


完全にお荷物が迷い込んできた感じで、教室の雰囲気はビリビリだった。
ワタスの心は完全にポッキンコだったが、まぁ様子を見てみよう的な事をネビルが呟いたので、ひとまず居てもいいらしい。

ネビルがコピーを忘れたらしく教室を出て行った隙に、こんなに喋れないワタスがクラスに入って間違いなく足手まといになる事を、クラスメイトに早々に謝った。
中国人はワタスよりも更に英語に自信がないらしく（既に2か月受講しているが）、全く気にするなと言ってくれた。
ドイツ人は恐ろしくシャイで、小さな声で顔を真っ赤にしながら、自分は文法が弱いからみんな一緒だよと慰めてくれた。

すかさず気になったことを聞いてみた。
「・・先生って、どう、、？」

こんな怖い先生で、この二人は一体どう思っているんだろうか。
すると、二人とも

「いい先生だよ。」


と。


意外だった。
でもその情報のお蔭で、折れてた心に希望の光が差し込んだ。

そして鬼の形相のネビルが、ブツブツ文句を言いながら帰ってきた。この短い時間にまた何か嫌なことがあったらしい。

その時ワタスは決めた。
ネビルを笑わせてやろうと。
ワタスは、この手の暗いオトコに弱いのだ。難攻不落な感じに燃えてしまう。


当初の目標、英語を話せるようになる！は、あっという間に2番目の目標にランクダウンした。






もうブレてるワタス。おつきあいついでにポッチン

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学生になりました

ドイツ語もろくでもないワタスですが、オースター明けの今週から英語の集中コースを受講する学生になっています。

思えばハンブルクでの学生時代、友人Ｅ子とロンドン旅行に出かけ、イギリス入国審査で

「滞在期間は？」

「ド・・・ドライ・・・（3　※ドイツ語）」


と指三本立てて呻いたあの日。
どうやっても

「スリー」


が口から出てこない、屈辱。



数字も言えなくなってると分かり、中学から9年勉強し続けたはずの英語を、そして日本の英語教育を心から憎んだわ。ダマされたッ
突如高校のグラマー教師の顔が浮かび、消えていった。・・テメェ
そして横で腹抱えて爆笑しているＥ子も許さないと誓った、イギリス入国審査。ド、ドライって・・！乾いてるって・・！ヒー（爆笑）


それからはすっかり英語恐怖症で。
街中で英語が聞こえても、知らんぷり。ここはドイツですよ？
学生が英語で質問してきても、知らんぷり。ドイツ語学びなさい？
店で英語のメニュー出されたら、キレ。誰が英語できるって言ったんじゃー！


でも、海外で生活していて、英語出来ないのに就職できた奇跡はもう2度と起きないだろうと、ふと、ホントにふと思った。ホントに奇跡的にバレナカッタの。契約後にバレタ。
しかも時を同じくして、会社から英語（もしくはドイツ語）の集中コース（午前4時間×週5日）を、必要な人はドウゾ、との案内が。
仕事で必要な資格や技術習得の費用を会社が面倒みてくれるみたいな。

これはやるしかないね、と。




初日前日には、英語の参考書を引っ張り出して、必死でザーーーーっと読みました。
単語帳もザーーーーーーーっと眺めました。
電子辞書の電池が切れていたので買いに行き、フロ吉に緊張している心のケアサービスを申し込み、（とにかく褒めてもらい、自信を回復する）、サンキューをダェンキューと発音できるよう歯で舌を噛み続け、準備万端。エ、そう？


本日で3日目を迎えましたが、久しぶりの学生生活、なんとノリにのってます。マジか！？
詳しくはまた後日！



今日も読んでくれてダェンキュー！　おつきあいついでにポッチン

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