黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

怪談~その2

2015年08月10日 | 夏向きの話
昨日書いた彼岸の中日二年連続金縛り事件をきっかけとしてか、それともこういった方面の資質があったのかよくはわからないが、何年間かは妙な出来事に会いやすい期間が続いた。ま、金縛りといってもしばらくすれば解けるものだし、別に恐怖とかいうのではないのだけれど、なるべく避けたい物事ではあるので、アブなそうな場所とかにはなるべく行かないようにはしていた。
それでもなるときにはなるもので、ある日また夜中に目が覚めた。そしてぐっと体に重みを感じた。昨日書いたのとまるで同じ感じの金縛りであった。朝になってわかったことだが、夜中に我が家の飼い犬が死んでいたのだった。10年以上も生き、年をとって目も耳もほとんど効かぬ老犬であった。老衰にきわめて近い状態だったのだろう。ごくごく穏やかに亡くなり、挨拶代わりに私の所へ来てくれたのだろうと私は解釈した。
だが、同じ挨拶でももちっと激しい目の時もあった。夜中の金縛り、ここまでは同じだったのだが、その後が少しいつもとは違った。なぜなら少しずつ体が浮いたからである。背中にヘバりついているはずの布団の感触が徐々になくなり、明らかに体は空中にあるようである。さすがに戸惑ったが体がビタ一ミリと動かないのだからどうにもならない。と、いきなり金縛りは解けてどさっと私は布団に落ちた。たかだか5センチも浮いたかどうかの空中浮遊だったが、浮いたコトに違いは無い。
一体何だろうとおもっていたのだが、数日たってワケが解った。懇意にしていた獣医さんの飼い犬が急死したのである。マルチーズ犬で、獣医さん一家が田舎に行く折などでは我が家で預かったりしていたものだった。その犬、散歩の折には放し飼いされていたので、誰かに恨まれるか何かして毒餌など盛られたのではあるまいか。聞けばそう思わせるような状態の急死であった。

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